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初心者にはとりあえず

田村さんのブログを読んだ。

「初心者にはとりあえず「ドイツ戦車軍団」とか「日本機動部隊」とか、とにかく何か二次大戦ものを」という物言いが、いささか大雑把でもったいない。これらの2作を出すとして、第二次大戦ものをと思って出すのと、初心者に適したゲームだと思って出すのとでは、意味がずいぶん違う。

「初心者にはとりあえず第二次大戦」だとしたら、確かに良い方法ではない。おそらく田村さんはそれを言いたいんだろう。なので、ここから先は非常に長い揚げ足取り。

「初心者にはとりあえず「ドイツ戦車軍団」と「日本機動部隊」」という態度は別に悪くない。どちらも古いゲームではあるけれど、初めてウォーゲームに触れる人への適性は依然として非常に高いと思う。

この2作ほど濃密な環境で初心者用ゲームが作られることは、そうそうあるものではない、と以前から想像している。以下、想像なので取り扱い注意。

先に初心者向けとして作られた「独ソ電撃戦」と「日露戦争」へのフィードバックがあり、レックカンパニーが猛烈な投入量で開発して、周辺コミュニティ(コミュニティ・カレッジやファースト・ディビジョン)からの有形無形のフィードバックでチューニングできた。

そんな状況は歴史的にも世界的にもきわめて稀で、もしかしたらもう二度と実現しないものなのではないか。であれば「ドイツ戦車軍団」や「日本機動部隊」以外を初心者にサッと出せるような世の中は、そうそう実現しないのではないか。

そんな風に想像している。大事なことなので何度も書くけど、あくまで想像。

「とりあえず」という態度がよくないと言われれば、それはわかるけど、別に初心者さんのことだけ考えてこの趣味やってるわけじゃないので、許してほしい。「良いソムリエ」であれたらうれしいけれど、「赤ならとりあえずジュブレ・シャンベルタンとかどうでしょ」ぐらいの距離感でもいいじゃないですか、人間だもの。

「第二次世界大戦は「記憶」から「記録」になってしまった」というところを読んで、1980年ごろのウォーゲームが盛り上がった時期からもそろそろ半世紀が過ぎようとしていて、これらも「記憶」から「記録」になるんだよなと思った。

戦争と違ってウォーゲームは記録されてないから大変じゃん、と思いかけたけれど、田村さんがそのあたりの活動もきちんとやってらっしゃって、大変ありがたい。

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