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【ゲームレビュー】鼠ちゃんの百科事典ーー子ども向けでも大人向けでもないものになってしまった鼠ちゃん


ゲーム名:鼠ちゃんの百科事典
プラットフォーム:Switch、Steam
発売日:2019年2月25日、2021年4月22日
開発元:Circus Atos(チェコ)
鼠ちゃんの百科事典 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
Steam:鼠ちゃんの 百科事典 (steampowered.com)

いきものや植物の説明を読み歩くゲーム。

【いきもの収録項目数】
全104
動物13 魚3 水5 ハ両5 鳥19 虫59 古生0

ゲーム内いきもの説明画面

 このゲームはとてもネガティブに評価されることが多い。その理由はいろいろある。「百科事典」をうたっているのに、いきものの数がそこまで多くない(実際に研究所で収録するときもかなり頑張って拾い上げた)。ゲーム性がない(ただ歩くだけ)。ステージが少ない(4ステージだけ)。キャラクターがかわいいのに虫がリアルすぎる(個人的には虫がリアルすぎてイヤという苦情はいかがなものかと)などなど。
 その中で、一番大きな理由は「漢字が難しすぎる。子供向けじゃない」だろう。これは本当にそうで、上の画像を見てもらうとわかるだろう。上の説明カードは橿鳥(カケス)を説明している。でも、この漢字を見て、「あ、これカケスって鳥なのかぁ」とは思えない。読める人の方が少ないだろう。漢字変換してもカケスの漢字は出ない。「大人と一緒に遊んでね!」というレベルではなく、大人が読めなくて子どもをがっかりさせてしまうことが容易に予想される。
 こうなってしまった理由は、おそらく翻訳ツールかなにかだろう。私達は日常生活で、漢字で表記できるものを全て漢字で書いているわけではない。「ことごとく失敗した」と書く時に「悉く失敗した」と書く人はいない。これを書くことを常識としている人は少しめんどくさい人かもしれない。でも、それは日本語を母国語としている私たちの感覚であり、他の国の人からすると何を漢字で表記して、何を漢字にしなくてもいいかはわからない。漢字に直せるものは全て漢字に直すほうがいいのだろうと思ったか、そう設定されている翻訳を使うと、こうなってしまったのかもしれない(これはあくまで推測)。
 ちなみに、英語で設定すると、こうなる。

英語版いきもの説明画面

 日本語に比べるとすっきりしていることがわかるだろう。A-Zの順番にもなっていて、読みやすい。こちらのほうは子ども向けと言ってもいいのかもしれない。
 収録としてはヨーロッパに多く見られるであろういきものに出会えるので、日本のゲームとはまた違った楽しさを感じられるだろう。しかし、メジャーないきものがあまりいないので、過度に期待してはいけないかもしれない。これを千円で買うと考えると、子ども向けでも大人向けでも難しいだろう。しかし、このゲームはセールで安く売られているときがある。そういうときであれば、手を出してもいいのかもしれない。

A


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