狂愚まことに愛すべし、才良まことに虞るべし、諸君、狂いたまえ(KNOTFEST記録)
新しい景色を作りたい。そして共に闘ってきた大切な人たちとその景色を見たい。唯、それだけ。
2020年3月に公演予定だったKnotfestが、3度の延期を経て、2023年4月に行われた。コロナ禍の全てを乗り越えた新しい景色が見れたライブ。最高だった前提で、どんなに愛している音楽が目の前にあっても、ずっと頭をよぎり続けたルッキズムや二元性、バイアスの恐ろしさ、そして感じたことを唯々記録しておく。
そんな愛してやまないDualityの曲はこちら。
二元性。人類学者であり社会科学者のグレゴリー・ベイトソンは「ダブルバインド」という概念を生み出した。精神病の研究からだったと記憶していいる。有名なところでいうと、「メタ・メッセージ」を提唱した人でもある。ベイトソンの学術的なややこしさを、この曲は全て表現していると感じている。こればかりは頭がゾーンに入らざるを得ない曲だった。
障害福祉に関心があるか、関心がないか。
美しいか、美しくないか。
センスがあるか、ないか。
世の中にはクソみたいな二元論と二元性、無意識な理不尽が溢れている。Slipknotも最高のバンドだけれど、初見の人は大体その見た目だけで判断する。無意識に。ルッキズムとまでは言わずとも、人の顔を見てダウン症だと判断するとか、禿げてる頭をつい見ちゃうとか、綺麗な人に目が行くとか、クソみたいな本能に抗えるのは音楽とイメージだと実感した。
結構、Knotfestがあるからコロナ禍を乗り越えられた側面は強かったけれど、Marilyn Mansonはラインナップから外れてしまったし、KornのHaterは聴けなかったので、また来日してくれる日を見て過ごそうと思う。
障害があっても、なくても、怠惰に生きていても、必死に生きていても、全てがごちゃまぜになって、みんな違ってみんなどうでも良いと思いながら、楽しい時は一緒に身体性を楽しめる、そんな景色を。
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