見出し画像

Case14.【脳科学】最近流行りのGLP-1受容体作動薬(リベルサス)

ダイエット目的での利用が問題になっている、
糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬

グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1) 
小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進する働きをもつホルモンをインクレチンといい、GIP (グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド) とGLP-1 (グルカゴン様ペプチド-1) があります。2型糖尿病に対する治療薬として注目されるのがGLP-1です。GLP-1は小腸から分泌され膵臓のβ細胞に存在するGLP-1受容体と結合することでインスリンの分泌を促し血糖値の上昇を抑える役割があります。

https://www.club-dm.jp/basic/GLP-1.html

*これが本来のGLP-1の糖尿病治療薬としての役割ね。

GLP-1受容体作動薬、確かに食欲が減るらしいのだけど
最近依存症に対する治療応用が研究されているらしい
っていうのを医局で話題になっていたのでちょっとみてみました。

依存性障害におけるグルカゴン様ペプチド 1 (GLP-1) の役割

グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)とは
小腸で放出されるGLP-1は血糖の調節を促進し、胃の中身の排出を遅らせ、食欲を減少させる作用があります。GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病と肥満の治療に承認されている

薬物依存症の治療薬としての可能性
薬物依存症の治療薬としての潜在的な可能性に注目されています。
関連する動物実験や人間以外の霊長類の研究では、アルコールや薬物の摂取量が減少することが示され、臨床試験も行われています。
具体的なメカニズムはまだ完全に解明されていないものの、GLP-1がアルコールや薬物使用障害に対して中枢で作用し、少なくとも一部がドーパミンのシグナル伝達を介している可能性があると提案されています。

Klausen MK, Thomsen M, Wortwein G, Fink-Jensen A. The role of glucagon-like peptide 1 (GLP-1) in addictive disorders. Br J Pharmacol. 2022 Feb;179(4):625-641. doi: 10.1111/bph.15677. PMID: 34532853; PMCID: PMC8820218.

そもそもGLP-1はどうやって脳に作用するのか??🧠

腹側被蓋野(VTA)のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)および5-ヒドロキシトリプタミン2c(5-HT 2c)受容体アゴニストは、グレリン刺激による食欲報酬を阻害する

食欲促進ペプチドであるグレリン
グレリンは中脳辺縁系報酬系のシグナル伝達を介して食欲の動機付けを高めることが示されている。主として内分泌細胞で産生され,摂食亢進や体重増加,消化管機能調節などエネルギー代謝調節に重要な作用を持ち,今まで知られている中で唯一の末梢で産生される摂食促進ペプチド
 *このグレリンが食欲が出ちゃう正体〜

グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1) 
GLP-1と神経伝達物質 5-ヒドロキシトリプタミン (5-HT) はどちらも、腹側被蓋野(VTA)を含む主要な中脳辺縁系核に作用することにより、食物に対するオペラント反応を抑制することが知られています。
 ※オペラント反応・・・行動する主体が環境に働きかける反応のこと。レスポンデント反応のように環境刺激によって誘発され、生得的に反応パターンが決められているものではなく、行動する主体が状況に応じて自発的に行う柔軟な反応のこと。

VTA 内でのグレリン、GLP-1、および 5-HT の相互作用効果を調査するために、GLP-1 受容体アゴニストであるエキセンディン-4 (Ex-4) であるグレリンの投与後のショ糖ペレットに対するオペラント応答を測定しました。
(中略)中脳辺縁系GLP-1およびセロトニン作動性回路がグレリン作動系と相互作用して、食物強化の仲介に対するグレリンの影響を抑制するという説得力のある証拠を提供します。

Howell E, Baumgartner HM, Zallar LJ, Selva JA, Engel L, Currie PJ. Glucagon-Like Peptide-1 (GLP-1) and 5-Hydroxytryptamine 2c (5-HT2c) Receptor Agonists in the Ventral Tegmental Area (VTA) Inhibit Ghrelin-Stimulated Appetitive Reward. Int J Mol Sci. 2019 Feb 19;20(4):889. doi: 10.3390/ijms20040889. PMID: 30791361; PMCID: PMC6412472.

腹側被蓋野(VTA)は依存症でもよくきく報酬系の中心的存在。

依存症患者さんにとって食事摂取量が減る、痩せる、っていう作用は重症例では若干使いにくいような気もする。
というのも、依存症患者さん、特にアルコールの人は、3度の飯よりお酒みたいな感じで、低栄養によるビタミンB1欠乏、からのウェルニッケ脳症、という経過をたどる人がままいるからね。覚醒剤も、「痩せ薬だよ」なんて言って流通してたりするわけだし。覚醒剤やるとこんななるのか・・・!の例👇

闇金ウシジマくんの「若い女くん」覚醒剤に手を出して骨と皮だけに。
(youtubeより拝借)


暴飲暴食系は、糖尿病、高血圧、脂質異常、お腹でててメタボ!な人にはいいのかも。

ゲーム障害の人の体型は色々、夜中のカップ麺!爆食!みたいなぽっちゃりっ子もいれば、朝起きれないから朝ごはん食べない、昼に親が家にいないからご飯食べない、夜一食だけ食べてゲーム、みたいな子は痩せていたり。

学校とかまあとりあえず良いから、睡眠と食事は食べようね〜〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?