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Case21.【ゲーム行動症の治療】人が行動を変えるには

依存症に対する行動介入のほとんどは、
モチベーション、感情制御、認知的リフレーミング、報酬学習などの
認知、感情、学習プロセスの変化を通じて機能すると
仮説が立てられています。

代表的なものはこちら。

動機づけ面接(Motivational Interviewing, MI)
MIは相手の変化を促すためのカウンセリングアプローチである。
動機づけが中心であり、クライアント自身が変化に向けての動機づけを見つけ強化することを支援する。
クライアントが自らの内面から変化への動機を見出し、その変化を実現するための自信を高めることを目指す。
セラピストは共感や肯定的なフィードバックを通して、クライアントの自己効力感を高める。クライアントが現在の行動と望ましい変化との間のギャップを認識することが重視される。
MIは報酬への過剰評価(インセンティブ顕著性理論)を認め、反射系システム(反転学習など)が保たれている人により効果的である。

この動機づけがなかなかに大事!変わりたいと思わないひとを変えるのはとっっても難しい。

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy, CBT)
認知的および行動的対処スキルが欠けていると依存症を助長すると考えられており、CBTはスキルトレーニングを通じて対処スキルの習得と習熟を促進し、行動変容につなげる。
社会学習理論 (Social Learning Theory, SLT) は、CBT の基礎となる概念的な枠組みであり、
 学習のプロセス(セラピストが健康的な思考パターンと行動のモデルを提供し、これらを観察し、学習し、模倣することを奨励)
 自己効力感(自分自身の問題に対処し、変化を遂げる能力を持っているという信念を強化することを重視する)
 行動変容(不健康な行動を健康的なものに置き換える)
といったコンポーネントから成る。
高リスク状況での対処を強化することに焦点を当てているため、
Cue刺激に対する反射系障害を持つ人々にとってより効果的。

治療前の感情調節能力においてより強い否定的なバイアスで反応する傾向がある患者は、CBTが最も効果的(Morgenstern et al., 2013)。
一方対処スキルは正常であるものの、変化へのモチベーションが低い反転学習に欠陥がある場合はCBTは奏効しづらい。

認知行動療法はもっとも一般的

例えば、感情処理タスクとfMRIを用いたうつ病に対するCBTの研究では、意思決定や感情調節に関連する領域である腹内側前頭前皮質(VMPFC)の活性化が高まるほどより治療成績が良いんだって( Ritchey et al., 2011 )。
人の言葉が脳に影響を与えるってすごいよね。

反転学習ってなに?って方はこちらの記事を読んでみてね。


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