見出し画像

なぜ新卒で就職せずに移住先を探す日本一周をしているか

日本一周の旅を始めて二週間が過ぎて、ありがたいことに、想像以上の数の素敵な人たちに出会うことができた。そして必然的に増えたのが自己紹介の機会。そんな中、ようやく「なぜ今、移住先を探す日本一周をしなければならないのか」が言語化出来そうな気がするのでまとめてみることにする。

可能性が広がった現代とはいえ、安定した収入を得るために、学校を卒業したら就職という道が王道とされている…という言葉は外向きなもので、実際は「可能性が広がったとはいえ、アウトローの生き方があることは知っているが、それに踏み出す勇気がない人がマジョリティだ」という言い方が正しいと考えている(もちろん、その生き方を心から気に入っている人もいる)。人生は有限なものだという事実を受け入れられず、何も行動しない人が多い。特に日本人は、「みんな何となく生きて、その時が来たらなんとなく死ぬ。そんなに考えてもしかたないよね」くらいの考えの人が多い気がする。
しかし俺はコロナにかかり、肺炎で入院し、重症化まではしなかったものの中等症になり、死の縁を見たことで、なんとなく死というものが現実味を帯びた。「死」というそれは、俺が18歳の誕生日に受け入れられず泣き喚いた恐怖でも、最悪の事態でもなく、いずれは来るべき自然の摂理として受け入れるしかなく、意外と穏やかなもの。だから生に執着していてもしかたないよね。死ぬ時は死ぬんです。でもいつか本物の終わりが来るということを知った。病室で白い天井と間仕切りのカーテンを眺めながら、終わりで完成するなんて映画のようだな、なんて考えたりもした。

なんだか重くて暗い話をしているようだけど、これは結構簡単な話で、例えばテストが今週末にあった場合、この一週間はどんなふうに過ごしたいですか。と聞かれた際に何と答えるかと同じことだ。たくさん勉強していい点取りたい、と言う人もいれば、テストなんていいから自分の好きなように過ごしたい、と言う人もいる。テストでいい点を取れる方法を教えることで金稼ぎする人もいるだろう。
俺はこういう期限が決まった物事は大の苦手だった。ギリギリに急いでやって、終わらないタイプ。
けど人生は違った。人生における様々な人との関わり合いの中で、俺は「したいこと」と「しなくてはいけないこと」の両立が大事だな、との結論に至った。
俺の「したいこと」は、海辺で猫と暮らす。猫が好きだから。
俺の「しなければいけないこと」は、教育の観点で次の世代の為になることをする。いつかは終わる人生で、できる限り生きた証を残したい。足掻いてみたい。
この二点は、どちらも欠けてはいけない。

現代ではchatGPTやらが人間の仕事を奪っているので脅威であると論されることがあるが、これは間違いだと思う。洗濯板が洗濯機になったように、鍬がトラクターに、稲刈り機がコンバインになったように、便利なものは発明されていくものだ。利点と欠点を理解した上で、文明の利器に任せられる仕事は任せた方が良い。
こんな世の中になってきている今、人間には、人間らしさ、自分らしさや、何を好むか、自分を見つめる力が重要視されている。ただ流行りに乗っかったり、ただ好きなことをしたり、ただやりたいことをやれ、と言っているわけではなくて、やりたいこととやらなければいけないことの軸をしっかりと持つこと。これが一番重要。
大きな使命を持ちながら、好きなこともできるといいかもねという感じです。

「自分探しの旅」なんて言葉があるけど、まぁ言い得て妙だなと思う。
旅の中で自分らしく生きる方法を探す。言い換えると、新しい土地や人と出会うことで自分固めを図るということ。これはAIがビッグデータから弾き出した答えからは得ることが出来ない。なぜならAIは出会いや相手の動作を受けた自分の感情までを理解できていないから。関連づけてデータとして理解しようとする機能を備えるかもしれないが、そもそも人が人の気持ちを理解できないから、AIも人の気持ちを理解できない。俺が完璧に人の気持ちを理解したくても無理なように、誰も俺の気持ちを理解してくれる日は来ない。
そんな悲嘆を伝えても、AIは「お役に立てなくて残念です」止まりだが、人は俺の気持ちを理解しようと努力してくれるかもしれない。そのあたり、やっぱりAIの出力と人間の思考は少し違う気がする。

ベタな言葉にはなるが、「人間らしさ」について考えた時期があった。自分の内面、本当にやりたいこととか、この人生のうちにやらなければならないこととか…たくさん悩んだ結果、やっぱり「海辺で猫と暮らしたい」がやりたいこととして固まってきた。
「やらなきゃいけないこと」は、人として生きる上で何かを残す動きをしたい。その原動力から今は教育へ方針がふれている。

取り止めもない文章を連ねてきたが、最初に立ち返ってみると、「個性を見直さないといけない時代で」「したいことと、しなくてはいけないことが両立できる場所を探す為に」旅に出ている、というのが今の段階の結論になりそうだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?