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ポーズはイラスト。シークエンスは四コママンガ。日常生活やスポーツはマンガ。

ポーズはイラスト。
シークエンスは四コママンガ。
日常生活やスポーツはマンガ。


タイトルを見ると訳が分からないですよね。
これはヨガの在り方について説明しています。


イラストが上手いからといって、マンガが面白いとは限らない。
逆に、マンガが面白いからといってイラストが上手いとは限らない。
それと同じです。
ポーズは一コマを上手に描く能力のようなもの。
イラストがいくら上手くなっても、それはそのままマンガが面白くなるのとは別のこと。
それと同じで、ポーズが上手になるということは、日常生活やスポーツを考えた時に、必要だけど絶対ではないんです。

もちろん、マンガにおいてイラストが上手に越したことはありません。
同様に、日常生活の質を上げることやスポーツの上達においてポーズが上手にとれるに越したことはないんです。
でも、それは、日常生活の質を上げることやスポーツの上達を意識した上でポーズの練習をすることではじめて役に立ちます。
ポーズの為のポーズ練習では意味がないんですよ


ここで少し武道の話を。
僕はもう30年以上少林寺拳法を練習しています。
少林寺拳法は護身術。
だから教えの一つに守主攻従があります。
「少林寺拳法の技術体系は、まず守りがあり、そこから反撃するものである」というものです。
少林寺拳法は待ちの構えなんですよ。


とはいえ、かつての偉大な先生の教えにこんなものがあったことも忘れてはいけないと思っています。
構えの心構えです。
「待っているのではない。いつでも攻められるのに待っていてあげているだけなのである。」
う~ん、カッコいい。
趣深い教えですね。
この教えを頭の片隅においているかどうかで、具体的な技術もかなり変わるものですよ。


さて、これをヨガで考えた時。
ポーズとは姿勢のことです。
姿勢とは何かといえば、身体の構え方のことです。
ということは、ポーズとは 「止まっているのではない。いつでも動き出せるのに止まっていてあげているだけなのである。」 とも言えますね。
【ポーズ=居着く】にならないように注意が必要です。


居着いているだけなのはイラストと同じ状態です。
イラストを描くのが目的ならばそれでもよいのですが、ヨガにおいては本来は四コマ漫画を描きたがっているんです。


でも、多くの場合居着きがちです。
ポーズをとることが目的になってしまっているからです。
(日常生活やスポーツの場面で)動きやすい身体を作ることが目的で、ポーズをとることはその過程です。
わざわざ止まっているのはその方が意識しやすいからなだけ。
動いているものと止まっているものでは当然止まっているものの方が観察しやすいですよね!?


そこからヨガの技術的な話にいくと、ヨガのシークエンスにおいて、一番大切なポイントはポーズをとっている時ではないんです。
ポーズからポーズへ移行する時です。
ただ点と点をつないでいませんか?
シークエンスは線です。
ポーズ単独の時は身体全体を一筆書きする様に意識します。
それを広げて、シークエンスの時は、シークエンスそのものが一筆書きになるようにイメージして行いましょう。


そうして練習することで、イラストは四コママンガとなります。
ただポーズを並べただけだと、イラストを四枚描いただけ。四コママンガにはならないんですよ。


日常生活やスポーツにおける動作は複雑です。
それを切り取って一つの型にしているのがヨガのシークエンスであり、武道の型です。
四コママンガも起承転結という型があり、起・承・転・結を一コマずつ分かりやすく四コマに収めてますよね。
これが型のよさです。


四コママンガで起承転結を全く表現できないマンガ家が長編マンガを分かりやすく読者に届けられないように、シークエンスの中で動きのつながりを全く表現できないヨギーが日常生活やスポーツの場面で上手く身体を動かせるようにはならないものです。


もちろん、イラスト・四コママンガ・マンガで優劣はないですよ。
あくまでも、日常生活での身体の状態を充実させることを目的とした上でのヨガのポーズの在り方を考えた場合の表現なだけですから。


ハトのポーズをとる為のハトのポーズにならないように注意してください。
「形としてはハトのポーズをとれるようになったけど膝や腰を傷めた」なんてことはならないように注意してください。


大切なことは「ハトのポーズにチャレンジすることによって、身体が楽になったし動かしやすくなった」という事実が起こること
です。
それこそが型としてのヨガのポーズの役割ですからね。
そして、ポーズ単独で練習するよりもシークエンスで練習した方がそれがより深まるというのがシークエンスの役割です。


ヨガっぽいことをするのではなく、ヨガをしたいですね。

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