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エントリーから集計まで一括データ活用!eスポーツイベントに差を付けろ

みなさん、スポーツやゲームの配信などでこんな画面ありますよね。

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選手や勝敗情報を画面に載せるオーバーレイと呼ばれる画面情報のことです。

こういった情報、仕組みはともかく毎回どうやって素早く画面に入力しているのでしょうか?

1.事前にすべての画像を用意し、選んで出している。
2.毎回手入力で名前を入力している。
3.リストがあってそこからコピー&ペーストしている。

いえいえ、実はもっと効率のよいやり方で画面に出しています。

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管理番号を入れるだけ!

参考:トーナメント表 https://challonge.com/ja/SAMURAI_20200523

上記の画像では、右上でAと入力しただけで、Aプールの選手を全て候補に出していて、リストから選ぶことにより、その選手に付随する情報を画面に出しています。

つまり、管理番号を入れるだけで、

→エントリー名を確認
→チーム戦であればチームメンバーの情報を確認
→オンラインイベントでの呼び出しの際のDiscord IDを確認
→チームメンバーに紐づく情報(キャラクター、Twitterなど)を取得

加工次第では誰がどのキャラクターを使っているのか画像付きで表示したり、事前に聞いたTwitterIDからフォローQRコードを作って画面に出すこともできます。

今回は管理番号を利用することで「少ない労力でデータを呼び出し、効率よく作業を進める方法」について解説します。
eスポーツに限らず、仕事にも活かせる内容だと思いますので、ぜひご参考下さい。

1.データの流れを理解する

まず簡単にゲームイベントでの作業と途中の成果物の流れをまとめました。
※各項目の作業内容については割愛します。これだけでない場合もありますので、あくまでざっくりの作業範囲です。

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いざイベントが始まれば、受付の必要なイベントでは受付表で受付を管理する必要がありますし、場合によっては名札の用意することもあれば、トーナメント表の用意も必要になります。
試合中は進行を管理するスタッフは選手の呼び出しが発生しますし、試合結果も素早く入力しなければいけません。
さらに配信係は素早く選手情報を入力して画面に見せなければいけません。

全ての作業ですべての情報を入力しなおせば、進められるのは当然のことですが、番号で入力したらどれほど効率よく進められるかを彫り上げて考えてみましょう。

2.受付データに管理番号を与える

エントリー確定後、エントリーフォームで受け付けた情報に管理番号を振りましょう。
1イベント1トーナメントであればトーナメント表の番号をそのままエントリー番号にしても構いません。
例:トーナメント表 https://challonge.com/ja/SAMURAI_20200523

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3.管理番号のメリットとは

管理番号で作業を進めたときのメリットを考えます。

①受付:受付番号を伝えてもらうだけで受付チェックが楽になる。

②進行係:受付番号で呼び出すことで、呼び出す側・呼び出される側もわかりやすい。また受付済のチェックも容易になる。

③名札:試合時に呼び出した選手かどうか(予備間違えが発生していない
か)、名札に記載の管理番号と照会することができる。

④トーナメント表:トーナメント表の検索が容易になり、結果反映が短時間に完了する。

⑤配信:番号で管理することで、配信する試合の呼び出しをスタッフに連絡しやすくなり、テロップ入力も番号による索引でまとめて情報を拾うことができるようになる。

例えば②呼び出しをさらに掘り下げて検討してみます。
「〇〇選手、いませんかー!」と現場でスタッフは大声を出して呼び出します。名前が呼びずらい選手もいれば、呼び出されているかもしれない側も「いまなんて呼んでた?」となって聞き取りが大変でしょう。
A3の〇〇選手いませんかー!」と呼び出せば、呼び出す側も「A3」の情報を強調すればよいだけですし、自分かな?の紹介も名札を確認すればすぐですね。

4.作業同士を結びつける

先の例では呼び出し係の作業範囲だけで考えましたが、他の作業も番号で管理したことにより、作業間の連携もしやすくなっています。

・呼び出した選手が本当に「〇〇選手」かどうかをトーナメント表の番号と名札の番号で照会ができるようになる。

・呼び出しても来ない選手の受付状況を確認したい際、受付番号を元に確認すれば済む。

・配信係がその台を配信することになっても、配信係が名札に大きく書かれた番号だけで、選手情報を画面に出すことができるようになります。

・配信係が要望する試合の選手を呼び出して欲しいと連絡する際も、効率よく伝わります。

管理番号を導入したことにより、受付名(エントリー名)で管理していた情報よりも少ない覚え方、伝わり方で照会できるようになったことで、作業行程間の繋がりが容易になっているのです。

5.マスターデータを作る

番号管理活用の大切さは理解していただけたと思いますが、活用するには各作業が参照するマスターとなるデータを共有しておかないといけません。

ただ、ここで注意しなければいけないことがあります。

エントリー情報はマスターデータではない!

受付した情報にはメールアドレス、場合によっては住所などの個人情報を含む場合があります。従って「エントリー情報のうち必要のない情報を削って、番号を割り振ったものをマスターデータとして共有する」が正解です。

また、具体的な共有方法に関しては、GoogleDriveのように最新版を更新をかけて管理できるツールを利用して、スプレッドシートやExcel、CSVファイルなどを共有できる環境が望ましいです。

受付からデータ集計まで全ての工程で再入力することなく、無駄のないデータ管理を実現する

途中で情報の再入力が発生していないか、もう一度自分達のイベントを見直してみましょう。

慣れてきたら受付情報に集計情報追加するなど、情報の増やし方は様々です。1の入力で100の情報を引き出せるようにするだけで、このイベントは何人でやっているんだ!と思わせることが出来るでしょう。

■自己紹介
自身の前職はOracleデータベースのエンジニアとして、データ活用を中心としたシステム開発やシステムコンサルなどを行っていました。
データ設計を元に業務システム構築を行ったり、導入後もDBチューニングをすることで過去データを友好的に活用させるといった業務経験があります。導入検討から開発、メンテナンスまでシステム化の相談があればぜひご連絡下さい。

おまけ データの呼び出し方を身に付ける

最後に、番号からどうやってデータの呼び出しをするのか、社会人初心者が苦労するといわれているEXCEL/スプレッドシートのVLOOKUP関数を超簡単に説明して終わります。

例:エントリーリストから、Twitter公開用の表や名札を作成してみる

エントリーリスト画像5

名札
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VLOOKUP関数でエントリー名を引っ張ってくる場合
=VLOOKUP(A2,エントリーリスト!A:I,3,FALSE)

解説:
検索値:A2 エントリー番号を書いてあるセル
検索範囲:エントリーシート!A:I エントリーリストのA~Iの列を検索

検索範囲の一番左の列(この場合はAの列)に、検索値(この場合はA2と書いてあるのでA2に入力してある「1」)の値を探してきます。
今回の場合はエントリーリストの2行目が候補となります。

取得値:3 上記で一致した行の何列目を引っ張ってくるか
今回の場合はIDが1の行のエントリー名が欲しいので、3列目になります。

検索方法:False データの並び順について
細かいので割愛します。理解が浅いうちは基本的にFALSEと書いておけば間違いないです。

よくVLOOKUPなどの検索関数は覚えにくいと言われますが、これまでの管理番号の大切さがわかれば、理解しやすくなったと思います。

データ管理の大切さを理解した上で、効率の良く作業しましょう。

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