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負け方を身に付ける

ギャンブルをたしなむ。今やっているのは、週末の中央競馬のみ。若い頃は誘われるままに何にでも手を出していたが、子供が4人になった頃、理性が種目を絞らせた。

ギャンブルの功罪について書く。まずは罪の部分。お金の無駄遣いであることは言うまでもない。全てのギャンブルは、胴元が儲かるような仕組みになっていて、余程の達人しかそれを打ち破ることはできない。だからやらないことが一番お得だ。

しかし私は、営業をする人にとってギャンブルは、有用であると思っている。ギャンブルをする際は、まず情報を収集して分析し、現状把握を行う。そこから未来を予測して、その時出来得る最善策を導き出し、自らが決断して実行する。

これら一連の工程を、全て自己責任で行うことは、営業マンの心得と共通する。そしてもっと大事なことは、負け方を覚えることだ。

ギャンブルはたいていの場合、負ける。お金を失う。その時、泣き言を言ったり、わめいたりして他人に動揺を見せてはいけない。ゴミ箱を蹴っ飛ばしてもいけない。不運や不甲斐なさにハラワタが煮えくり返っていても、平静に振る舞う。失敗は深く反省し、不運は受け入れる。そんなことを繰り返して、味わい深い人間になっていくのだ。

営業マンのことを英語で、sales representative と言う。直訳すると ”売上を代表する人” という意味だ。運悪く会社にとっての大きなテーマが成就しなかったような時でも、営業マンは全てを代表するぐらいの気概で行動したい。そんな人には必ず、強い信頼のネットワークができるはずだ。潔くスマートな負け方を身に付けましょう。

先日のアメリカ大統領選挙。トランプさんはこれまでの人生で、負け方を学んでこなかったようだ。往生際の悪さには驚いたし、それに共鳴する人がたくさんいることも信じ難かった。アメリカ人にとって、あういう振る舞いはカッコ悪いものじゃないのでしょうか。

あれほど駄々をこねてる姿を見て「本当に選挙に不正があったのか?」とちょっとだけ思った。

< 了 >

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