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褒められると嬉しい

甥っ子の結婚式に参列した。大安吉日、文字どおり雲一つない秋晴れの日。新郎は細君のほうの甥っ子あっくん。その奥さんになる新婦はゆいちゃん。コ◇ナで延び延びになっていたのだが、ようやく挙式の運びとなった。

場所はゆいちゃんの地元志摩から近い伊勢の猿田彦神社。古式ゆかしい神前式だった。雅楽が奏でられ太鼓が打ち鳴らされる。斎主による御祓い、祝詞の奏上、巫女の舞、三三九度の杯と式は静謐に流れてゆく。久しぶりの神前式。なかなかいいものだ。私は二人の幸せ、ご両親や親族のいやさかを祈りつつ式次を見守った。挙式の後は伊勢神宮内宮に参拝した。
それにしても、花嫁のゆいちゃんは一日中ずっと輝いていたなぁ。

生真面目でちょっと心配性のあっくんと、明るくてしっかり者のゆいちゃんは、きっと良い夫婦になるでしょう。末永くお幸せに!

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余談】思い起こせば40年近く前、我々夫婦の結婚式も神前だった。結婚式場の片隅に設けられた小さな神棚の前で夫婦の契りを結んだ。流れていた雅楽の調べはカセットテープだったろうし、そこの神様の由来すら知らない。霊験の "あらたかさ" は著しく低かったが、どうにかここまで幸せに暮らしている。名も知らぬ神様に感謝しよう。

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猿田彦神社で挙式
伊勢神宮内宮にお参り
新郎あっくん & 新婦ゆいちゃん


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夕方からの披露宴は場所を移して、賢島(かしこじま)のホテルで行われた。以前 note に書いたが、私はその披露宴で斉藤和義の「ウエディングソング」の弾き語りをすることになっていた。一応「オファーを受け『それじゃあ』」というカタチを取ってはいたが、私が自ら手を挙げて演(や)ることになったというのが本当のところ。

この披露宴が決まった頃、私は「何か自分を追い込まなきゃいけない‥」「そうしないとどんどん衰えるばかり‥」と変な焦燥に駆られていた。そこでコ◇ナ発生以来触っていなかったギターを弾くこと、歌を歌うことに挑戦しようと思って手を挙げた次第。

使わない機能はあっと言う間に衰えるのが我々世代の特徴。その例にもれず、私の衰えも甚だしかった。一曲を弾き切るギター体力が無く、高い声は出ない。そんな状態から約3ヶ月、練習に励んで披露宴を迎えた。

果たして結果は‥ 40人ほどを前にして私はとてもアガってしまい、たくさんミスをした。私は「散々な結果」と思って、いたく落ち込んで席に戻った。

私が席でシュンとしていると、まわりの方々が「よかったよー」と言って下さる。「慰めなんかいらない!」と思ったが、「初めて聞いた。いい曲ですね~」「涙が出そうになりました」と言う人もいる。原曲の良さによるところ大なのだが、「よかった~」は満更お世辞だけではないようだ。

私はだんだん元気を取り戻した。やってよかったかな。頑張った甲斐があったかな。ギターも歌ももう少し練習を続けてみよう。

私は "褒められて伸びる前期高齢者" だと思う。ご理解のうえお付き合いいただけたら有難い。

< 了 >

P.S.  当日の動画は音の状態が悪くご紹介できません。代わりに練習の時の "さわり" を添付します。良かったらお聞きいただき、本番のパフォーマンスを想像してみて下さい。原曲より一音下げて歌っていますが、それでも声が出ていません。

お耳直しに斎藤和義さんのMVも添付します。やっぱり感動しますね。


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