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菅原温子展によせて

【 root 1.2.3】の線描は、地図の河川や国々の境界線のように、複雑にして豊かである。下地の彩色はしっとりと落ち着きがあり、画面全体を自由度が高く大らかな作風に仕上げている。観覧者が楽しくなる作品である(このコメントは、上記掲載の作品についてのものです)

【 l a v i e(飛翔)】は、大空に舞い上がる様子が見て取れる。勢いのある描写が見るものを元気づけるだろう。

【 I a  v i e(無限空間)】は、心を解き放つことから始まり、広大な宇宙を想像させるように観覧者を誘う。これは菅原温子の精神の広さを映した鏡ではないか。

【 joie de vivre (生きる喜び)】は、地球上で社会を織りなす人類の、情熱と可能性が噴出しているようでもある。

【 priere(祈り)】は、見るほどに画面の中心に精神が集中していき、真っ直ぐな気持ちにさせてくれる。これは菅原温子の思考が、筋の通っている証左だと思う。身の引き締まる思いがする。

【生命の気】は、人間の複雑な気持とその営みと、他のすべての生物の生きる様子が、広範囲に届くような強い意志を感じる。

【小さな宇宙】の中では、人類が誕生する以前の、原始の生命体のうごめきのようにも感じる。その瑞々しい描写に、観覧者の心も潤うことだろう。

【森の夢】は、画面のふちから中央部のグリーンにまで誘われて、一日の終わりの安息に浸り、眠りに着くような癒される絵画である。
※最後に、全作品の構図と色彩は素晴らしく、作品タイトルに見合う、バランスの良い芸術作品に昇華している。それらは菅原温子の内面の豊穣が全作品を情熱あるものにしているのだと思う(禁:転載・複写)

前回、抽象画につきまして、決めつけずに、自由に無邪気に見て下さい、と書きました。それでも、まだまだそこまでたどり着けないとおっしゃる方の参考になればと思い、長年評論を書いている方にコメントをお願いしました。今回、本当に素晴らしい抽象画の個展となっております。あさって、4月4日の日曜日16時までの開催です。