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落とした3ポイントは忘却の彼方へ 34節 アトレティコvsアトレティック(A) 2022.4.30

34節はアトレティックとの一戦。
5節での対戦はこちら

1月にはスーペルコパ準決勝でも対戦している。


アトレティコにとっては今季まだ勝っていない相手。
そのアトレティックは取りこぼしもあるが悪くない成績で現在8位。欧州コンペティションへ色気の出てくる状況にある。非保持の安定と、最近は点が取れているのが大きい。

●スタメン
・アトレティコ

オブラク
ヒメネス / エルモソ / ヘイニウド / ロディ
コンドグビア / エレーラ / ジョレンテ / カラスコ
グリーズマン / スアレス

ヒメネス復帰、エレーラ復帰。
フェリックスが今季終了のFWはグリーズマンとスアレス。
配置は後ほど。


・アトレティック
シモン
デ・マルコス / ジェライ / イニゴ・マルティネス / ユーリ
ダニ・ガルシア / ベスガ / ムニアイン / ニコ・ウィリアムズ
イニャキ・ウィリアムズ / ラウル・ガルシア

サンセ、ビジャリブレが不在で前線の選択肢は少なめ。
中盤コンビはダニ・ガルシアとベスガ。前プレ上等コンビ。


スタメン


●前半
開始40秒、光の速さでエルモソがイエローをもらって試合開始

まずアトレティコの非保持。

非保持

ムニアインをどう扱うのかがポイント、なんて事を言おうと思っていたが特に何の対策もなかった様子。位置取りが想像しにくいムニアインを放置すると最終ラインに5枚張り付けられて前から追えなくなる事は想像出来た。
ジョレンテのランデヴーで消すとか、そんな事を想像していたが、そもそも相手に最終ラインからビルドさせる場面がそもそも少なく、よくわからないまま試合が進む。たぶん前3枚(スアレス、グリーズマン、カラスコ)で相手4バックに圧力、だったのかな。


前進出来ないアトレティコの保持。

保持

まあ特に指摘する点はないが。前進出来ませんでしたね、という。アトレティックのプレスは良かったけど、これ普段からやってる形だし。知ってる形。アトレティコは素直にハマる配置をして素直にハマった。じゃあ、仮にプラン2として、ロングボールで解決しましょうね、という考えを持つならこのスタメンではないでしょう。じゃあ、このプレスを素直に剥がそうとしていたのでしょう。じゃあ、剥がしてくださいよ、という感想。


8分、ホームのアトレティックが早速先制。

先制1

アトレティコ側のゴールキックで、セカンドボール回収体勢のアトレティック。こういう時にふわっと浮いているのが上手いムニアインを経由してユーリから裏のスペースへ長いボール

先制2

これもアトレティックとしてはいつも通りの形。イニャキがダイナミックにCBの外側へランニング。追いかけっこになったヒメネスが振り切られ、最後はシュートかクロスがエルモソに当たってゴールへ。先制。
正直あそこをイニャキに使われていたら話にならない。アトレティックの前プレを全く外せず、逆にアトレティコのプレスは前線の数人が単発で追っているだけ。なんだか元に戻ってしまった。


ムニアインの位置取りの話は先ほどしたが、アトレティックの良い前進。

ムニアイン1

アトレティコの前プレがハマりかけてGKからビルドアップやり直し。中盤の非顎に理解不能なスペースが生まれている。今季は何度かこういう試合がある。この場面では神出鬼没のムニアインがライン間を大きく右サイドまで移動。

ムニアイン2

保持者のジェライに全く圧力が掛からない。5-4-1ならそりゃあそうなる。
ムニアインは右サイドまでフラフラと逃げていき、それに合わせてイニャキが大外ズレてアトレティコのCB3枚を無力化。その溝へラウル・ガルシアが落ちてきて簡単にプレス回避。上手くなったな君は。
ヘイニウドはニコの内側へのランニングが気になってプッシュ出来ず。プッシュしたら退場していたかもしれん。悪い日のアトレティコに戻ってしまった対応でガッカリ。
アトレティックからすると、ムニアインの配置でジョレンテ含む5バックを後方に閉じ込める事が出来た。あとは縦の動きでボールを引き出すのが上手なウィリアムズ兄弟のダイナミックな動きと、静的に顔出しをするラウル・ガルシアのアクセントが良い感じ。それとこのチームはSBのボールの受け方が上手い。爆速突破を持っていたり圧倒的な対人性能がある訳ではないが、必要な時に必要な仕事をサポートしてくれる能力を有す。特に右のデ・マルコスはプレス回避で厄介だったし、ニコ・ウィリアムズの抜け出しに合わせて鬱陶しい位置に顔を出してきた。インナーラップからのアーリークロスみたいなパターンも持っていて、対するアトレティコのSBって本当に足速くて体力あるだけだなと痛感させられてしまった。


アトレティコは25分頃からグリーズマンがスアレスと並列になっていたようにも見えたし、ずっとボール保持出来ないからそもそも基本形がどれなのかわからん。出足も悪かったしセカンドボールもほぼ取れず。たまにエレーラ、グリーズマン辺りがプレスを外してもロディのクロスが明後日の方向に飛んでチャンスにすらならない、という悲しい前半戦だった。


●前半終了
なんだかアトレティックをビビっているかのような前半戦。格好付けて言うとリスペクトしすぎ。
コンディション的にもアトレティックが圧倒的に勝っているように見えた、というか、もしこれがこの2チームの試合を初めて見たとしたら”圧倒的格上(アトレティック)に果敢に挑む降格圏のクラブ(アトレティコ)”に見えたかもしれない。
アトレティコはやりたくない事でもやらされているかのような。ほら、エレーラ戻ってきたぞ?最終ラインにヒメネスいるぞ?やれよ。それがフルメンバーじゃなかったの?という前半。コンドグビア、カラスコが一つずつチャンスを迎えたくらいで酷い出来だった。


どう見てもスコアをひっくり返せるとは思えないまま、後半へ。


●後半
アトレティコはヘイニウド→コレアを交代。
配置を4-4-2に変えた。

後半

4-4-2
特に展開は変わらず、エレーラが引っ掛けたPKをイニャキが決めて2点差。


65分に3枚替え
コケ、デ・パウル、クーニャを入れる。
70分にはヴルサリコin。

特に変化はなく、あと300分やっても点を取れなさそうな試合がようやく終わった。


●試合結果
0-2負け。アトレティックとの試合で良い戦い方をしたのっていつまで遡るだろう、というくらい狙った形が出ない相手ではあるが、この日は特別酷かった。

アトレティックはマルセリーノの4-4-2が今一番ハマっている時期だろう。守備ではライン間、ギャップの封鎖が上手く、自動的に危険なゾーンへのパスコースを防げているような非保持配置は理想的と言える。攻撃はカウンターしか選択肢がない時期も過ごしたチームらしく、試行錯誤した速攻パターンをいくつも用意出来ている。全員がランニングを惜しまないシステムは理想的と言える。球際で戦うための構造も見事にマッチ。これで7位ビジャレアルと勝ち点差1に。上位崩しを狙い、あわよくばELを狙う。

アトレティコは色々難しくなった。怪我人が戻れば、という希望を持っていたが全くそんな事はなく。エレーラもヒメネスも本当に100%の状態だったのかは怪しいところ。そして怪しいなら無理にスタメンで使う必要はあったのだろうか。単純に酷い試合をしてしまった。
個人的には苦手な相手なので、何をやってもこんなスコアだったかもと思いつつ。まあ、記録に残る失点はオウンゴールとPKですし。
次はマドリーダービー。今節優勝を決めたライバルを花道で出迎えつつ、CLでお疲れの相手から勝ち点をいただきましょう。


4/30
サン・マメス
アトレティコ 0-2 アトレティック
得点者
【アトレティック】’8 OG(エルモソ) ’56 イニャキ(PK)


●ピックアッププレー
なし

●ピックアップ選手
なし

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