シメオネの選択 23節アトレティコvsバルサ(A) 2022.2.6

お久しぶりです。
代表ウィークの間にこんな記事あんな記事を書いていたので、あんまり久しぶりではない方はありがとうございます。

まずは代表戦に出た選手の出場時間から。

🇺🇾スアレス
1/28 パラグアイ戦 90分 1ゴール
2/2 ベネズエラ戦 90分 1ゴール
🇺🇾ヒメネス
1/28 パラグアイ戦 90分
2/2 ベネズエラ戦 89分
🇧🇷クーニャ
1/28 エクアドル戦 78分
2/2 パラグアイ戦 61分
🇦🇷デ・パウル
1/28 チリ戦 71分
2/2 コロンビア戦 出場なし
🇦🇷コレア
1/28 チリ戦 85分から途中出場
2/2 コロンビア戦 出場なし
🇲🇽エレーラ
1/31 コスタリカ戦 90分
2/3 パナマ戦 90分


南米組、崖っぷちのウルグアイは2連勝。スアレスは2戦連発。パラグアイ戦はスアレスの得点で1-0勝利。ヒメネスも2戦ともスタメンで頑張った

すでに突破を決めているブラジル、アルゼンチンはお試し起用の要素もありそう。コレアに至っては10番だった。
クーニャはお試し要素のせい(おかげ?)で2戦ともまともに出場している。

北中米予選ではカナダの快進撃の煽りでギリギリな立場のメキシコが、3位争いの直接のライバルのパナマから貴重な3ポイント。エレーラは2戦フル出場。おつかれさま。



さて、冬の移籍マーケットも終わりまして。
アトレティコは早々にトリッピアがニューカッスルへ移籍。いつの間にかサポニッチがスロバキアへ移籍。

代わりに、補強ポイントであった最終ラインにバレンシアからダニエル・ヴァス、リールからヘイニウド・マンダヴァを獲得した。CBの補強はなし。

ヴァスは今季バレンシアでは2CHの一角を務めており、さまざまな起用法が想像できる選手。攻守の可変の軸になれる選手として期待値が高い。
マンダヴァは左SBの選手のようだが、23歳のロディがいるポジションをわざわざ獲得したという事は違う特徴、単独でのドリブル突破に特徴がある選手と想像する。違ったら困る

大裏ロディ

16節マジョルカ戦より
こういう場面で生きる選手だといいな。と

早速の対戦相手はバルサ。4位と5位の対決で、勝ち点差は1。ここを落とすとキツくなる試合だ。バルサは移籍市場でなんだがよくわからん動きを続け、アダマ・トラオレとオーバメヤンをゲット。デンベレは売れず。どうなるやら。


前回対戦はこちら

フェリックスが大外に開いてボールを引き出すポジトラにバルサが対応できず、真ん中を突破して2発。ミンゲサの対人も微妙で、カラスコとフェリックスの強みが出る試合だった。チャビ式に変わって、バルサのネガトラがどう変わっているのかがポイントになりそう。


●スタメン
さてスタメン。

・アトレティコ
オブラク
ヴルサリコ / サヴィッチ / ヒメネス / エルモソ
コケ / デ・パウル / ルマル / カラスコ
フェリックス / スアレス

CBはサヴィッチが12/5マジョルカ戦以来の復帰。
ヴァスが加入したばかりの右SBはヴルサリコがスタメン。ジョレンテは欠場となる。
2トップは前回対戦で勝利に貢献したコンビ。


・バルサ
テアシュテーゲン
アウベス / ピケ / アラウホ / アルバ
ブスケツ / フレンキー・デヨング / ペドリ / ガビ
アダマ・トラオレ / フェラン・トーレス

トラオレが早速スタメンに。真ん中はフェラン・トーレス。左の大外はガビ。チャビらしさが早速出たスタメンに。オーバメヤンはベンチ入り。渦中のデンベレもベンチに入っている。

スタメン

いざパルティダッソ




●バルサの構築とアトレティコの狙い、シメオネのギャンブル

■バルサの左右の構築の狙い

バルサは狙い通りのボール保持を見せた前半。
アトレティコは4-4-2で対応。バルサは問題なく前進した。

バルサ

情報過多。
右SBのアウベスはほぼCHのような位置でブスケツの隣に立つ。ここから同レーンにペドリ、大外にトラオレがポジションした。トラオレの大外での仕事を邪魔しない。ペドリはまさにバルサのIH、という振る舞い。フレンキーと共に中間ポジションに立つ。トラオレの箇所は後述

左側はアルバとフレンキーが入れ替わりながらボールを引き出し、ガビは大外配置からスタートするが、アルバがオーバーラップすると同時に内側へ移動。この左サイドの配置グルグルはこれまたバルサの匂いがすると言うか、ペップの匂いがすると言うか。

トップのフェラン・トーレスはボールを求めて動きすぎるでもなく、かと言って最終ラインの駆け引きだけやっているわけでもなく。なんとも良い塩梅に邪魔な存在だった。CBからすると放置も出来ないが、くっついて追いかけても良い事は起きなさそうな微妙な動き。これがシティ仕込みか。同点ゴール、逆転ゴールは彼の動き出しから生まれている。後述する


アトレティコの守備は、スアレスがピケにプッシュ。楽にはボールを出させない守備を。グルグルしてくる左サイド(アトレティコの右サイド)は人を捕まえるのに苦労したが、数的同数で人を見られている分フェラン、ブスケツが近寄って来ない限りはとりあえず対応可、という感じ。バルサがこっちを工夫する前にトラオレ側からやられた。


■ルマルの矛盾
逆に右側(アトレティコの左サイド)は、守備の役割を少し調整している。具体的にはフェリックスがあまり動かないように調整した。

フェリックス周辺

狙いはフェリックスのポジトラを生かす事。実際、前半だけで2,3度フェリックスはカウンターからシュートチャンスを得ている。アラウホへのプッシュはあまりせず、左大外でカウンターを発動させられる位置に留まった。むしろMFのように内側にポジションするアウベスに引っ付くくらいの位置に立っていた。見返すとマンツーマンでアウベスに付く、というほどハッキリした指示は出ていなかった様子。もはやそういう指示が出ていても良かったのではないか。フラフラと中途半端に落ちてきたりこなかったり。

フェリックスの代わりに、アラウホへのアプローチはルマルが飛び出して行ったが、バルサ右大外へのパスコースが空いてしまう形に。せめてフェリックスはトラオレを背中で消すくらいの仕事は出来なかったか。まあそうするとアウベスが空くんだが。
また、ルマルがプッシュする間にスアレスはブスケツを気にして再度ピケを経由され、落ちてきたフレンキーが引き取る。

ピケ

この日はピケのビルドアップタスクが冴え渡った。
フレンキーにボールを渡すとアルバがラインを超えて背後へ。今度はガビが間を取る。
デ・パウルの位置が遠く、プレッシャーに行き切れない。しかし彼が出すぎても、ブスケツが前向きになれる。フレンキーには3つの全て効果的なパスコースが常に用意された。


■トラオレvsエルモソ
早速スタメンで使ったように、ドリブル突破で勝負できるトラオレは現在のバルサに必要な戦力であった。逆にアトレティコとしては、"フェリックス起点のカウンター発動を狙う代償として、右大外を相手に使われる事を許容した"守り方で試合をスタートした。
前回対戦に倣えば、そしてこの日のスタメンの名前だけを見ればカラスコを左に置いて5-3-2でも同じ事ができた。ただ、前回対戦と違うのはバルサ側のサッカー。ブスケツにペドリ、ガビらで中盤を厚くしてくるのはわかっていた事で、カウンターを発動させようと思えば引き込むのではなくハイプレスが必要、そのためには4-4-2。という判断だったと思う。右大外の1対1の発生は止むを得ず許容した。ここがシメオネが勝負を賭けたポイントだった。

トラオレ1

プレスが掛からないブスケツ、ピケからトラオレ目掛けてロングボールが出る。

トレオレ2

ペドリの平行サポートが上手い。1対1の邪魔をしない距離に立ち、ワンツーの相手になるか、ヒメネスを連れて自分が裏へ抜けるか。前半4:30にはボールを受けたペドリがターンしてフェランが飛び込んでくるチャンスも作った。やりたい放題。


結果的にアトレティコはこの賭けに負け、ここを我慢し切れずに2失点を招いた。前半のうちに5-3-2に変更していく事となる。
フェリックスに関しては、数回は確かにあったシュートチャンス。これを決められれば彼にチームの未来を賭けられるが、決められなかった。それが事実だ

アトレティコは前からのプレスを掛けたいからFWは相手CBまでプッシュ。だけどアンカーを使って循環されるのは嫌だからブスケツも消したい。という守り方に見えた。いくら何でも色気を出し過ぎにも思える。結果としてピケ&ブスケツは大外で浮いているトラオレへ正確なボールを供給し続けた。


■失点
1失点目と2失点目を振り返る。

まず1点目

1点目1

ピケが保持。スアレスはブスケツを消したくてボールに圧力が掛からない。
バルサは両IH、フレンキーとペドリが背後に立って見事にデ・パウルとコケの意識を引っ張っている。ビルドアップの蚊帳の外だったフェランが効果的に一列落ちる。
コケがペドリを捨てて圧力を掛ける。ルマルがコケの抜けたスペースを埋めた

1点目2

フェランはダイレクトでピケにリターン。このタイミングで左大外のガビが一つ裏抜けのアクションを入れた。この動きでアトレティコの最終ラインが大きく下がる。ピケは余裕を持って、右大外のトラオレを選択。ルマルはペドリに引き寄せられ、広大なスペースでの1対1が待っていた。最初のトラオレのクロスは弾き返したが、トレオレ自身がネガトラを頑張って最後はアルバのゴラッソ。


2点目。

2点目1

ピケが保持。スアレスは背後のブスケツを優先しフリーで前進を許す。フレンキーが中間ポジション。ガビが大外からヴルサリコに近づいて”フレンキーに入れろ”とジェスチャーを入れている。これ、凄いプレーだ。たぶんフレンキーにターンされていたら詰んでいた。ヴルサリコに対する2対1を生んでいる。
フェランがデ・パウルの隣まで落ちる。コケは間に合わない。サヴィッチがプレスを外れて飛び出す。
フェランはレイオフ。ブスケツはまた中間ポジションに顔を出したペドリを使った。この球をペドリが納められなかったが、こぼれた先でまたもトラオレがエルモソと1対1で、抜き去る。

2点目2


中盤ラインはしっかりコンパクトを保っていたが、ずっとヴルサリコに対するガビとフレンキーの2対1が続いており、クロスがそこに来た。偶然はあった。が、デザインされている。


さて、アトレティコはどうすれば守れた?


■シメオネの選択
4-4-2で入った前半の意欲は良かった。意欲は、だ。中盤で圧力を強める意図が感じられたからである。上記の通り、トラオレvsエルモソの局所でボロ負けした事が直接失点に繋がり、差し引きマイナスになってしまった事、そして速いトランジションバトルが非保持だけでなくアトレティコが保持している時にも持ち込まれてしまった事は誤算だった。
同数で押し込んでくるプレスを外せないアトレティコは、押し込んで落ち着く時間は全く作れず、先制してその後もシュートチャンス(主にフェリックスに)は作れたものの、息つく間もないトランジション合戦に選手達は戸惑っていた。エルモソはここで落ち着きをもたらす事が起用された理由だったはずで、そのタスクも不十分だった。残念ながら保持でも、合格点はあげられない出来だった。
これはバルサのプレスがあまりにも速く近かった事に起因するので、やはりアトレティコ側の至らなかったところだ。ちなみにマドリーはスーペルコパでこの前プレを外していましたよと。


■プレスの外しどころ、付け入る隙
バルサの同数プレスはとにかく速く、そして積極的だった。コンディション差もあったのかもしれないが、スピード感も迫力も段違い。そして確信を持って行っている感がある前プレはやはり強い。迷いがない。一直線に来る。それが怖い。

カウンタープレス

ペドリは前線でCBへのプレスを担当。CHタスクとなったフレンキー、ブスケツの2人も思いっきり前へ。この圧力でアトレティコは保持を失った。というか始めから持てなかった。

外せそうだったのは、それこそトラオレを狙った大きな展開だった。

サイドチェンジ

バルサは大外を使う際、該当の選手より前方には基本的にフェランしかいない。エルモソが先にボールに触れた場合、セカンドプレスが来る前に2CBとGKで保持を回復するチャンスはいくらでもあった。そう見えた。それが出来なかった。これが現状。

また、ハーフコートに押し込んだ際のバルサの守備強度、配置のバランスもそんなに整理されている感じはなかった。まだそこまで手が回っていない、という印象。実際に、押し込んで縦パスの場面は先制の場面くらいしかなかった前半だったが、その一回きりで得点に繋げた。

先制

一度ヴルサリコが大裏を狙ってラインを押し下げ、やり直して縦パス一本

言ってしまえばスアレスが外側に開いて縦パスを引き出してカラスコがPAに侵入しただけだ。良い縦パスとアクションだったが、別に何も特殊な事はしていない。それだけで普段は見られない精度のコケのキーパスが通った。脆かったと言って差し支えないだろう。

つまり、ワンサイドに殴られ続けたように見えるがその実、ファーストプレスを剥がして相手をハーフウェーの向こう側へ押し込めばどうにもなる相手だった。しかしそれすらも出来なかった。と結論付ける。なんとも恥ずかしいお話。


■トランジションの後手
そして、1対1の局面などは個の質にも寄るところだが、トランジションで圧倒的に劣勢となったポイントは配置の整理
バルサの配置は整然とし、テレビ画面で見ていても誰がどの辺りに立っているか凡そ予測が付く。整理されている事が安心を生み、異常に速いパススピードにつながっている事は言うまでもないが、ボールロストするタイミングでも近い位置に選手がいて、さらに周辺にいるのが誰なのかまで予測しやすい。そして前線3枚を筆頭にとにかく寄せが速かった。
アトレティコは可変する事が攻撃の特徴で、DFラインからボールが前方へ出る時、中盤がターンした時、フェリックスがドリブル開始した時、など、ボールを失うタイミングによって選手の配置はバラバラ。前向きにスイッチが入るタイミングも共有するほど練度も高くなく、ボールを失った時の振る舞いまで頭が回っていた様子はない。先制点のコケ→スアレスの縦パスも、びっくりするくらい精度の良いボールが不意に通ったが全く予測できなかった。だからこそ通った、と言えるが、もし引っ掛かっていたら被カウンターに繋がっていたと言えるかもしれない。綱渡りのプレーであった。


■エルモソ起用の是非
左SBにロディではなくエルモソが起用された理由は、ボール保持をしたかったから。であったはず。それしかない。先季からアトレティコのサッカーはそういう風に進んでいる。
あるいはロディでもどうせ止められなかったから、が考えられるがそっちのパターンは一回無しで。
カラスコを右に置いた事からも4-4-2で戦う意図は明らかで、そうなるとエルモソに左大外の守備を担当させたのも、シメオネに何らか狙いがあった事になる。
おそらく、ある程度ボールが握れる算段があったのだろう。「左側から前進できる」という予想があった。エルモソとルマルが絡む前進で、フェリックスを生かす。そういう攻撃を意図して、SBポジションにロディではなくエルモソを置いた。最悪の場合、カラスコを左WBに動かして5-3-2にしよう、という保険まで用意してでもエルモソを使った。ビルドアップで逆サイドで浮いているヴルサリコをあまり使おうとしなかった事からも、左から進みたかった意志は感じた。
これを強気と取るか弱気と取るか、だが、フェリックスのタレントで相手をひっくり返した前回対戦の成功体験に縋りすぎた気はする。と同時に、アダマ・トラオレの能力(と彼に1対1の場面を用意するバルサの配球)を甘く見積りすぎた感もあった。

結果的にエルモソには可哀想な試合になってしまったし、カラスコを左WBに動かす変換を出来たのはスコアを1-2と逆転された後で、すでに取り返しはつかなかった。アルバの同点ゴラッソさえなければ、と思ってしまうが、対応が遅れた。
しかも、5-3-2にしてようやく5レーンの対応を整理できたところでセットプレーから3点目を失った。またセットプレー。これをやられては話にならない。


■3CHの機能限界
前半30分以降、カラスコが左WBに回ってからはデ・パウル、コケ、ルマルの3CHで走り回ったが、全くボールを奪えず。リードされて前から圧力をかけたい時間帯に、一番体力を使わされる結果となってしまった。
特に後半開始からの時間帯は前からの圧力を増そう、もう一度勝負を賭けよう、とスタートしたが、デ・パウルの脇のスペースをアルバやフレンキーに使われ続けてイライラを募らせた。

画像15

その後ルマルは早々に交代したが、4-4-2風に戻っていた終盤には最後のカードとしてコケが替えられる始末。彼が90分保たない守備システムは駄目だろう。5-3-2は明らかにこの日のバルサには通用せず、結果的には"4-4-2のままサイドの1対1を我慢する"という選択しか許されない試合であった。
残念ながら完敗。再戦があるなら左SBロディの場合どうなるか見てみたい気持ちはあるが、この試合に使ってもらえる信頼がロディになかった事がなんとも切ない。

■消沈した後半
後半にコレア、クーニャを入れてスピードアップするパターンもいつも通り。最初からやったらいいのでは?と毎度思うが、この日は明らかに70分頃、アウベスが退場して以降の時間、アトレティコ側も運動量を失った。特に中盤。上で書いた通り、コケが90分保たないほどの負荷というのは、もうサッカーになっていない。肉体的にもだが、どこか自信なさげで精神的にも疲弊しているように感じる。絶望感のある、ショッキングな敗戦となった。



●試合結果
完敗である。
様々な失敗があった。プレスの方法、局所の設定、エルモソの起用、2トップのプレス強度、何もかもを間違えて、そして攻略された。

バルサのサッカーは非常に良かった。ダニエウ・アウベスが、フェラン・トーレスが、アダマ・トラオレが。必要な選手だった。チームが変わった。チャビのチームは間違いなく前進した。シメオネのチームはどうだろう。


再度整理する。この日のシメオネの狙いは、

・中盤の強度を保つ4-4-2
・相手CBとアンカーを自由にしないプレス
・フェリックスを浮かせ、カウンターを刺す
・大外の1対1を許容。ヴルサリコ、エルモソの所で我慢する
・保持はエルモソを中心に左サイドから地上戦で前進

何もかもがバルサに通用しなかった。無様に負けた。何が原因だ?


個人的には、大外の対人で勝てれば、というギャンブルをした事自体は全く否定しない。シメオネがエルモソを信じて設定した局所だ。気持ちはわかる。シメオネらしくないギャンブルだった気もするし、ある種すごく、シメオネらしいチャレンジだったのではないか。カラスコを左に回す保険を用意したのに、同点にされた時点ではそれを使わなかった、使えなかった事も、わかる。認めたくなかったよな。バルサの撤退は、緩かったよな。押し込めば、押し込みさえすればやれるんだと、選手を信じたんだと思うと、おれは涙が出てくるな。勝ちたかったよな。3点目のセットプレーが痛恨だった。勝負は決してしまった。後半に可能性を残したかったが、及ばなかった。誰よりもシメオネが、勝ちたかったに決まってるじゃないか。当たり前だろう。ふざけるな。

後半は、選手に無理を強いる事しか出来なかった。コレアとクーニャの使い方がこんな事になってしまった事、ヴァスが怪我をしてしまった事、残念でならない。無念だ。

どの配置なら勝てただろう。どんな戦術なら、勝てただろう。誰がスタメンなら、結果が違っていただろう。
アトレティコは簡単じゃないところにいる。それでもいつか這い上がるこのチームを、おれは絶対に見逃さない。


2/6
カンプノウ
バルサ 4-2 アトレティコ
得点者
【バルサ】'10 アルバ '21 ガビ '43 アラウホ '49 アウベス
【アトレティコ】'8 カラスコ '58 スアレス

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