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人間がコロナウイルスから学んだこと(2020年度弁論大会中学入賞)

今、世界中の人々は新型コロナウイルスという新たな脅威に直面している。その中で私たち人間が学ばなければならないことがたくさんあると思う。それは何なのかを考えてみよう。

世界で初めて感染が確認されたのは2019年11月17日、中国湖北省武漢市である。
その頃、日本はソーシャルディスタンスなど保たなくていい時代。天皇陛下の即位パレード、ローマ・カトリック教会フランシスコ教皇の来日、ラグビーワールドカップ日本大会などが行われていた。私たち学生も普通に学校に通学していた。

私はこのウイルスから人間が学んだことは2つあると思う。
1つ目は、判断力の大切さだ。
感染が拡大した理由は感染源の中国にあると思っている人が多いと思う。しかし、私は別の解釈をする。「未知のウイルスが人間を襲ってきた。何が何だかわからない。」中国政府はこのように戸惑ったと思う。だからと言って、いつまでも国内だけで問題を解決しようとする必要もないと思う。そういう時こそ世界の国々が協力すべきだ。そうしないと何のためにWHOがあるかがわからない。
早くウイルス対策を行う為にも、正しい判断力が必要だったと思う。

日本は島国であり、そして欧米諸国のように挨拶時に接触することが少ないことから、海外のような感染拡大が防げたが、それでも1日100~200名程の感染者が出ていることは今でも変わりはない。私は日本も判断を間違えてしまった国の1つだと思う。

日本では2020年1月16日に初めて新型コロナウイルス感染者が確認された。1月下旬にはクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号でクラスター感染が確認された。しかし、日本政府が事態の状況を重く受け止め緊急事態宣言を埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡、の7都府県に出したのは4月7日のこと。この3ヶ月の間に日本では感染者が増えた。感染拡大を防ぐためにはもう少し早く専門家会議を行い、諸外国のようにロックダウンを行うべきであったと私は思う。しかし、日本政府は経済を優先させた。それは第二次安倍内閣が掲げた「日本再興戦略」いわゆる「アベノミクス」という、政権発足以来続けていた経済成長を止めるわけにはいかなかったからだ。しかし、感染拡大の真っただ中に景気は落ち込み日本はいわゆる「コロナショック」に陥ってしまった訳である。
そうなる前に諸外国のようにロックダウンを行い、感染者を増やさない努力をするという正しい判断が必要だったと私は思う。

2つ目は、誹謗中傷や差別は必要ないということだ。
感染が拡大するにつれて、感染者や医療従事者やその家族に対する誹謗中傷や差別が繰り返された。海外では名前に「コロナ」という単語が入ってことでいじめられ、学校に行かれなくなることも起きている。
いつ自分が感染するかもしれない、感染させるかもしれないと思った時、誹謗中傷や差別は必要だろうか?
医療従事者に感謝し、感染してしまった人には文句を言うのではなく、思いやりの気持ちを持ち、普段どおりに接し自分も感染しないよう、感染させないよう細心の注意を払うだけでよいのではないか。誹謗中傷や差別は必要ないと思う。

私がこのウイルスから学んだことは、判断を間違えると後に取り返しのつかないことになるということ。そしてどんな時代でも人を傷つけること、誹謗中傷や差別をしてはいけないということだ。

このようなことは、今回だけでなく今後私たちが生きていく社会でも起きる可能性が高い。
判断をまちがえれば、会社や生命に影響を与えることとなり、自分では責任が取れず金銭的問題にも発展することもあり、借金を抱え最悪な人生を送ることになるだろう。
誹謗中傷や差別は被害者でも加害者でも自ら命を絶つこともある。人の命にも関わる問題が起きてしまったらもう遅い。

そうならないためにも過去の失敗で学んだことの教訓を活かす必要がある。そのためにも今までの人生を振り返り今後の将来に繋がる努力をする必要があると私は思う。

弁士コメント

今回の弁論大会に立候補した理由は、将来の夢である弁護士になるための試練だと思ったからだ。
他の人がどう思うかはわからないが、自分にとってはこの行事は将来を決める大事なことになると思う。これをやり遂げることでやりがい、自信などが付く。そして、体験した人にしかわからない特別な思いがある。
この弁論大会で得られた物はたくさんある。
来年も、今年収穫しきれなかったものを拾いにいく為に再挑戦しようと思う。

(中学1年生)

Photo by Matthew Waring on Unsplash

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