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暗渠道への誘い

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世田谷区内を中心に、かつての川の跡=「暗渠」をたどる。 そんなマニアックな趣味を持つ教員が、川の痕跡を探しながら、あれこれ語ります。
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#烏山川緑道

桜並木暗渠道への誘い ~暗渠のハレの日~

なんだかいつもより人通りが多いな、と感じていた。 そうだった。桜の季節は、暗渠道にとっても特別なのだった。 *  *  *  *  * 「谷戸川編」の連載の途中だが、今回は読み切りの番外編である。 暗渠の緑道沿いには、とにかく、桜の木が多い。 そのことに気づかされるのは、この季節になってからなのだが。 (だから迂闊にも、以前に書いた烏山川編では桜について一切の言及が無かった) 日本では、緑道沿いには桜が植えてあることが多い気がするし、 また川沿いに桜が植えてあるのも

暗渠道への誘い 烏山川編② ~暗渠サインは時空を越えて~

前回の記事では、烏山川緑道の起点から、環状七号線との交点である若林橋までを紹介した。今回は若林橋から先へと進もう。地図を再掲する。 全長7kmの道のりの、まだ2kmしか語れていないのだが、前回はチュートリアルも含んでいたので仕方なかろう。今回は一気に駆け抜けていきたい。(それなりの長文である。途中は飛ばしても、最後は見逃すなっ!) * * * 次第に漂いだす「裏側」環七を渡ってすぐに、緑道からは1本の支流の暗渠が分岐していく。 フェンスで囲まれた細長い空間で、かなりわか

暗渠道への誘い 烏山川編① ~暗渠サインへ応答せよ~

烏山川を初回に持ってこないわけにはいかなかった。 世田谷学園から一番近い所にある、というのが理由の一つ。 また、緑道として整備されているエリアが多く、暗渠レベルとしては初心者向けで、歩きやすいというのも理由だ。   つまり、私は何が言いたいかというと、何かの縁でこの記事を読んでしまったあなたに、烏山川の暗渠をぜひ辿ってほしいのである。   本学園の関係者ならば、正門を出て帰りがてら、ちょっと7kmほど散歩するだけである。 一般の方でも、暗渠の起点は池尻大橋駅から徒歩10