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企業の「やりたい」を、学生と形にする。長期実践型インターンシップGARENAのこれまでとこれから

企業の中で、「やりたいけれど、できていない」こと、眠っていませんか?
ガクトラボが提供する長期実践型インターンシッププログラム "GARENA" は、そんな企業の悩みを学生たちと解決してきました。

インターンシップという言葉が一般的ではなかった10年前に事業を立ち上げ、今では多くの企業に取り入れていただいています。

今回は、GARENAの立ち上げから現在までの生い立ち、今後の展望を、弊社の仁志出と広瀬が語ったことをお伝えします。

(語り: 仁志出・広瀬、聞き手: 金原、以上ガクトラボ)


企業も学生も本気だからこそ成り立つ。GARENA立ち上げ期

── あらためて、GARENAのサービス内容をまとめていただけますか?

広瀬: 経営者や、現場のプロジェクト担当者が、やりたいけどできていないことを、学生とチャレンジするインターンシッププログラムです。やりたいことというのは、商品開発やマーケティング、イベント企画や新規事業の立ち上げなど、多岐にわたります。インターンシップ期間はおよそ6か月に及びます。学生がある意味「右腕」となり、一緒にプロジェクトを進めていきます。その期間中、ガクトラボの専属コーディネーターが、企業と学生の挑戦をサポートします。

仁志出: GARENAという名前をつけたタイミングは、ガクトラボが法人化した2015年と重なりますが、それ以前から似たような事業を行っていました。

── ということは、事業が生まれてから10年ほど経っているんですね。10年前は、インターンという言葉が今ほど一般的ではなかったと思いますが、どうしてこの事業を始めることに?

仁志出: 金沢大学の地域創造学類の授業の一環で、学生が地域と関わるプログラムがあって。その受け入れ先のNPO法人から、コーディネートを依頼されたのが最初のきっかけです。当初、地域の方やNPOの方は、どのように学生と接したらいいか、どうすれば効果的なインターンになるのかわからないといった悩みを持っていました。そこにコーディネーターがいると安心、ということで、関わることになりました。

── その頃から6か月間のインターンシップでしたか?

仁志出: いえ、その頃は2週間程度でした。6か月となると、やはり受け入れ先も学生も尻込みしてしまうんです。なので最初は短期から始めて。でもその頃から、インターンプログラムの設計は一線を画すように工夫していました。

広瀬: 6か月のインターンシップは、私がガクトラボにインターンとして入ったときが最初なんですよね。

仁志出: そうそう。他の企業にいきなり6か月を提案する前に、自社で実験的にインターンを受け入れたんです。そのときにインターンとして入ったのが広瀬です。10年前かぁ。

10年前は常にがむしゃらでした

広瀬: 当時、学生団体のイベントが流行っていて、社会人と学生が交流する機会があったんです。とあるイベントのオープンマイクの時間に、仁志出さんが前に出て「僕の右腕として、金沢発の長期実践型インターンシップの立ち上げをしてくれる学生を募集します」と宣言していまして。インターンに関してイメージをほとんど持っていませんでしたが、なにか惹かれるものを感じ、応募してみました。

── そうだったんですね。仁志出さん、覚えていますか?

仁志出: もちろんです。「金沢学生のまち市民交流館」の交流ホールですよね。他の学生がプレゼンしているところに、自分が出ていきました。ほとんどの人は「何だかよくわからないなぁ」という顔をしていましたが、数人に刺さればいいなと思って。そうしたら広瀬に刺さりました。

広瀬: その日があったから今があると思うと、感慨深いですね。

── 立ち上げ期の苦労話も聞けたらと。インターンシップが主流ではない時代ですから、いろいろと大変だったのでは?

仁志出: 苦労よりも楽しかったという印象が強いですね。最初に3社が導入していただけることになったのですが、新しいモデルを一緒につくっていこう、というマインドを持った方々ばかりで。コミュニケーションが密になるので、インターンシップに限らず、お互いのプレゼンをブラッシュアップしたり、連携が生まれたりしていましたね。

立ち上げ時にご一緒した3社と

広瀬: そうなんですか。当時の私は営業もプレゼンも初めてでアポが全く取れず……。実践型インターンシップをわかっていただくことが難しいと感じていました。

仁志出: めちゃくちゃ儲かる! といった事業ではありませんからね。実際にコーディネートに入ってプロジェクトを進めるにも、工数が結構かかります。なので企業も学生も、みんな本気じゃないとプロジェクトが成立しないし、目先のことだけ考えていたら何も進みません。未来のために今やる、といった情熱を継続させるという意味でも、コーディネーターの育成はかなり丁寧にやってきましたし、今も難しさというか、常に向上することが必要だと感じています。

地元の文化とアイディアを首都圏に。GARENAの進化と課題

── これまでGARENAで関わってきたプロジェクトの中で、印象的なエピソードはありますか?

広瀬: 2019年なんですけど、食品関係を専門にしている女の子が、将来は商品開発をやりたいという動機で、インターンとして応募してくれました。当時は大学1年生だったんですけど、5名ほどエントリーがあった人気の商品開発プロジェクトにマッチングして。

── つい数か月前まで高校生だったのに、すごいですね。

広瀬: 食が好きという熱量と、地道にコツコツ積み重ねられるところが、彼女の強みでしたね。食品の商品開発って、原材料の配合をグラム単位で調整したり、細かい改善が何回も必要なんです。そこを彼女は、商品名のアイディアを300個も出してみたり、いろんなところから食材の端材をもらってきて改善を繰り返したり。インターンの経験を通して、ものすごく自信をつけていました。

学生と企業が同じチームで働くからこそ、得られるものがあります

仁志出: コーディネーターの仕事って、黒子なんですよね。派手に提案して採択されるようなものではありません。企業と学生が挑戦したり葛藤したりしているところを伴走し続けて、最後にすごく晴れきった表情でプレゼンしたり、新しく生まれたアイディアが東京や世界に通用していくのを見るのが嬉しいんです。こちらの想像を超えた成長がやっぱり面白い。

── インターン生が変わる瞬間を見られるのは、コーディネーターの醍醐味なんですね。

広瀬: インターンシップのコーディネートが基礎になって、他の事業にも活かされています。例えば、大学コンソーシアム石川で行っている「学都いしかわエクスターンシップ」や、金沢大学でキャリア形成の授業をしたりなど。より広い幅でコーディネートできるようになっています。

仁志出: あとは、インターンを受け入れるときって、その期間だけ一生懸命やるとか、事前にインターンを設計することに目が行きがちです。ですが、インターンシップ期間が終わった後もいい関係性でいることがすごく大事で。そのケアも、回数を重ねることによって、ブラッシュアップされてきましたね。

── 逆に、もう少し改善したいと思っていることはありますか?

仁志出: 以前は学生の合同研修や合宿を行っていたのですが、新型コロナウイルスの影響で全部やめてしまって。まだ再開できていないので、またやりたいという気持ちがあります。

合同研修の様子

震災も乗り越えて。GARENAのこれから

── 最後に、これからのビジョンを伺いたいです。5年後の未来、地域にどのような価値を提供していたいですか?

仁志出: 具体的なビジョンでいうと、アルバイトに取って代わるような、有償のインターンシップを増やしていきたいですね。居酒屋やコンビニももちろん良いと思いますが、もっと多様であっていい。学生が成果を求められて、それにコミットするような文化が金沢に広がるといいですね。

── 学生の選択肢が1つ増えますね。

仁志出: あとはやっぱり、理系のインターンシップを増やしていきたいです。まちづくりや商品開発、イベントや営業って、どうしても文系の子が多くなりがちです。理系の子の多くは地域と接点をもたないまま、大手企業に推薦で内定をもらい、地元を離れてしまいます。私自身が理系だったこともあり、理系インターンの可能性を広げていきたいと常に感じています。

── 若い人の活躍できる場所がどんどん増えていきそうですね。

仁志出: そう。これからの復興のこともあり、地元に貢献したい若者がたくさんいるはずなんです。そんな若者たちがガンガン活躍できる場所と機会を提供して、企業と学生の双方が面白いことを仕掛けていく。チャレンジングな人たちと、金沢や石川の未来をつくっていきたいですね。

広瀬: コーディネーターとして様々な企業に関わっている立場としては、「なにかやりたいけど、どうしたらいいかわからない」といった悩みを抱えている企業の方々がやはり多いです。それは、昨今インターンシップが多様化していたり、経団連からのルールが徐々に変わっていることも関係しています。

── 選択肢が多すぎて、どのようなインターンのスタイルを選べばいいかわからないのですね。

広瀬: はい。ですので、コーディネーターとして「できていない、けどやりたい」に寄り添い、チャレンジングなプログラムや企業をもっともっと金沢に増やしていきたいなと思います。1人のコーディネーターができる量は限られていますので、企業同士の横展開や、コーディネーターの育成など、より多くの人と会社に届けられるように仕組みを整えていきたいですね。

仁志出: そうですね。インターンという文脈に限らず、「新卒採用したいけど現場での受け入れが難しい」といった悩みも多く聞きますし、それに対して支援もしてきているので、自分たちの黒子としてのスキルを、これからも地域に還元していきたいです。

これからの10年も、地域と若者のために

いかがでしたか?
ガクトラボでは長期実践型インターンシップ "GARENA" や、その他の人材組織開発にまつわるコンサルティングを随時受け付けています。

私たちのミッションは「北陸のおもしろい企業や地域と、北陸で働きたい学生や若者をつなげる」ことです。

私たちにお手伝いできることがありましたら、こちらまでお気軽にお問い合わせください。

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