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そうだ、黄泉の国へ行こう

「なんで、、なんでだよ、、まだ国作りの途中じゃんかよ、、なんでなんだよ、、なんで、俺を置いて、一人で逝っちまうんだよ、、イザナミーーーーーーー!!!!」

最愛の妻を失った伊邪那岐神(イザナキノカミ)は、亡き伊邪那美神(イザナミノカミ)の枕元で、また足元で腹ばいになって、泣いておいでになりました。その流した涙からも神様が立ち現れました。

伊邪那岐神は出雲国(いずものくに)と伯伎国(ははきのくに)との境、今の島根県と鳥取県の県境にある比婆之山(ひばのやま)に、伊邪那美神の亡骸を葬られました。

しかし、伊邪那岐神の悲しみは募るばかりでした。そしてその感情は、妻の死の原因となった火の神である火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)への怒りに変わっていきます。

「お前さえ、お前さえ生まれなければ!」

伊邪那岐神は腰に帯びていた十拳剣(とつかのつるぎ)という、握り拳を十個並べた長さがある長剣で、火之迦具土神の首をはねてしまいました。

すると、首をはねられた火之迦具土神の体から、炎がほとばしり、あたり一面に真っ赤な血が飛び散り、そこからたくさんの神が現れました。その中で、剣の根本に付いた血が岩に飛び散ったときに現れた三柱(みはしら)の神の中に、建御雷神(タケミカヅチノカミ)がいます。後にとても重要な場面で登場する神様です。そして、斬るのに用いた十拳剣は、またの名を天之尾羽張(あめのおはばり)といいます。この剣もあとで出てきます。

火之迦具土神を斬った伊邪那岐神ですが、お悲しみは深くなるばかりです。

「神様、もう一度妻に会わせてください!なんなら生き返らせてください!あ、神様って俺や。」

気持ちを抑えることができなくなってしまわれた伊邪那岐神は、ついに死者の住む黄泉の国(よみのくに)へ降りることを決意されます。黄泉の国は、生きている者が降りてくることを禁じている暗黒の世界です。

黄泉の国へ降りた伊邪那岐神は、さっそく伊邪那美神がお住みになる御殿に向かわれました。その御殿の石扉の前に立つと、その向こうからなつかしい声が聞こえてきます。

「嗚呼!あなたなの!来てくれたのね!」

愛しき妻の声です。

「もちろんさ!まだ国作りも終わっていない!けど、そんなことよりも、もう一度君に会いたい!一緒に帰ろう!」

伊邪那岐神は情熱的に答えました。しかし、伊邪那美神はこう答えます。

「なぜもう少し早く迎えにきてくれなかったの。。残念なことに、私はすでに黄泉の国の食べ物を食べてしまったから、もうここから出ることは二度と出来ないの。。」

(そんな。。)

伊邪那美神は死者の国の神々と、同じ釜の飯を食べてしまわれたのです。それは同じ仲間、すなわち死者になることを意味し、地上には戻れないということになるのです。しかし伊邪那岐神はあきらめません。

「そんなの関係ねぇ!君は君だ!死者になってしまった君でさえ、僕は愛してみせる!」

(きゅん♡)

その言葉に感動した伊邪那美神は、

「私もあなたに会いたい!死者の神々に相談してみます!」

そしてこう続けます。

「けど、ひとつ約束してください。私がもう一度ここに来るまで、御殿の中には入らないでください。ましてや、私の姿を見ようとなんて思わないでね。。」

伊邪那岐神は待って、待って、待ち続けました。そして、

「なぁー!まだぁー!?返事ない。あかん。無理や。入ろ。」

待ちきれなくなった伊邪那岐神は、約束を破って御殿の中にお入りになりました。御殿の中は暗闇で、生きている伊邪那岐神には何も見えません。なので、左右に束ねた髪の左側に刺してあった神聖な櫛(くし)の太い歯を一本折り取って、それに火を灯しました。すると、伊邪那岐神の目に飛び込んできたのは、体は腐り果て、そこら中が蛆(うじ)まみれの伊邪那美神だったのです。

イザナミ「あなたにだけはこの恥ずかしい姿を見られたくなかった。」

イザナギ「、、、」

イザナミ「どうして約束を破ってしまったの?」

イザナキ「バ、、、」

イザナミ「ねえどうして?」

イザナキ「バ、バ、、」

イザナミ「バ、バ、、?」

イザナキ「バケモノーーーーーー!!!!」

イザナミ「おんどれちょっと待てコラ!お前さっき「死者になっても愛する!」とか言うとったとこやないかい!」

イザナキ「バケモノーーーーーー!!!!」

イザナミ「お前ええ根性しとんのぉ?お前が約束破って入ってきたんちゃうんかい!?まず「ごめんなさい」やろがい!嫁の姿見て第一声がそれかい!?ドツキまわすぞオラ!」

伊邪那岐神はびっくりして逃げました。

イザナミ「オラ!逃げんな!お前ら追え!」

伊邪那美神は手下に後を追わせました。伊邪那岐神の運命やいかに!

次回、誕生、天照大御神

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スッピンを見られたくないって女の子のスッピンを無理やり見たら、めっちゃ怒られますもんね。それと同じですね。



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