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泡立つシャンプーには罪がある

多くの海外で日本製が売られているが拘って手に取る必要もない

現地のペットボトルはカバンの中でレモンティーを炸裂させて、お札やパスポートに甘いフレーバーを付け
カップメンの容器にはフォークが裸で入っていて、柄にも味が浸み、指先に味覚があれば最高の配慮
鼻をほじりながら皿を配るウエイターの笑顔はいわゆる侘寂

日本流でなくても全く問題ない

雨季の熱帯地域では数分も経たずに汗が出る
安宿の共用のシャワー室に入ると、床は濡れていて、さっきまで誰かが使っていたようだ
フロントで貰った石鹸の小袋を開けようとした時、目の端にリンスインシャンプーのカタカナが見えた
横の網棚に小さいボトルが一つ、一回分ほどの量だけ残っていた
久しぶりの泡立つシャンプーで髪に薬剤が浸みこみさらさらに、頭皮は爽快になった
ただ、頭の中は空になったボトルが占めていた

「あれはスタッフが用意した物にちがいない」と屁理屈を作り、私はそこを逃げるように去った

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