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先輩がやってくれました#52

ついに日本がパリオリンピック出場を決めました。

富澤慎さんがフランスで開催された国枠を決めるラストチャンスレガッタという大会で優勝という成績でパリオリンピックへの出場権を獲得しました🥇


日本時間の4/25、17時より最終日の順位決定戦が始まりました。

前日までの予選では6位という順位につけており、順当にいけばギリギリに取れるという事でもちろんやってくれると思いつつ手に汗を握ってライブ中継とトラッキングを両方開いて自宅で見ていました。

最初、風がものすごい弱い中はじまり半数以上が止まってる中でレースが始まってしまいましたが途中でノーレースとなり、ホッとしました。

ただその後、別の先輩から慎さんがコーチのボードの上でものすごくくつろいでいる写真が送られてきて

なんでこの人は精神的にタフなんだ。

と思いつつもこの余裕さなら絶対に国枠を取ってくれると根拠はないけれど思いました。


そして日本時間20時ごろ、ついにレースがはじまり見事に国枠を獲得!

いろいろな方たちとLINEでやり取りしていたのてすが、決まった瞬間僕だけでなく皆さん涙が止まらなかったといった雰囲気でした。

しかも国枠を獲得するだけでなく、優勝という成績まで収め、最高の準備でこの大会を迎えてこれ以上ない結果をしっかりと出す慎さんの姿に心を打たれました。


慎さんと初めてお会いしたのは2022年の2月。

仕事を辞めて半年経ち初めて横須賀で一緒練習させてもらいました。挨拶した時に

「仕事を辞めてきたって噂で聞いてるよ」

と笑顔で言われながら握手したのを覚えています。

そこから一緒に練習させてもらっていますが最初はついていくことすらできず、一緒に準備と片付けをするだけで海上ではろくな会話もできず、実力差がありすぎてこの世界に入ったもののこんなレベルでオリンピック目指すとか言っていいのかと凹んでいる時期が正直ありました。

それでも慎さんは自分と一緒に練習してくださって昨年の夏はワールドカップに行く前の道具テストを一緒にやらせてもらいました。その際慎さんの道具に乗る機会があり、そこで自分が急に速くなった瞬間があったのを今でも鮮明に覚えています。

そして今回のレースに行く前、最後に葉山で練習した際

「もしこれで国枠が取れなかったらガクシと会うのは数年後になるかも」

と言われました。

パリ五輪出場できなければもう一緒に練習できないと思うと寂しいだけでは表せない気持ちになりました。

慎さんにはまだ到底追いつける実力にはなってないから、もっとたくさん一緒に練習していろんなことを吸収したいし、自分が速くなって慎さんに少しでも成長した姿を見せることも自分のやるべきことだと思っているのでそれも叶わないと思うと悲しかったです。

だから慎さんがオリンピックを出場権を獲得した時、これまでの人生では感じたことのない感情が込み上げてきて涙が止まりませんでした。


そして、LINEでメッセージを送ると


「ありがとう。またやろう!」

短い文章ではありますが、これ以上に嬉しい言葉はないと言える返信がきました。


もちろん他にも出場していた選手もいて一緒に練習していただけにその選手が負けてしまったことは悔しいです。

でもその思いを背負ってオリンピック出場を決めてくれた慎さんのおかげで日本チームが再び団結したような感じがあります。

パリオリンピックに向けて、また再び練習できることが嬉しいですし、何より次のオリンピックには選手として自分も携わりたい。出場権を自分が獲得する立場になりたい。そういう想いが自然と湧きました。

もちろん決して簡単な事ではないですし、今は生活すら厳しい状況なのでまずはそこの基盤を整えなくてはいけません。

でも慎さんの姿を見て、自分は夢に向かって絶対に立ち止まってはいけないんだ。前を向いてできることを着実にこなしていかないと。という前向きな感情を改めて持つことができました。


パリオリンピック予選に選手としては携われなかったけど、代表選手たちと練習ができた経験というのは僕の人生においてこれから大きな影響を与えてくれると思います。


この経験をしっかりと競技人生に活かしてレベルアップしていきたいと思います!


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