ポストのチラシについて【終末京大生日記32】

今回はちょっとしたことについて書こうと思う。私の住んでいる部屋のポストにはよくチラシが入っている。大抵はいらないチラシなので、溜まってきたら数ヶ月に一度の頻度で紙袋に入れて捨てている。まあ、1, 2回程度なら気にならなかったのだが、捨てるために紙袋を準備する手間もあるし、重要な書類がチラシに埋もれて見分けにくくなるため、年月が経つについれてポストに入れられるチラシに苛ついていた。


 そんなことを考えていた頃、私は、自分のポストにチラシを入れているちょうどその現場に居合わせた。黒いダウンに黒い帽子、いやに怖い格好の男性がトートバックからチラシを手際よくポストに1枚ずつ投函している。いよいよ私のポストにチラシが入れられそうになった時、私は意を決して「チラシ大丈夫です」と言った。その男は悪事がバレたとばかりに(まあチラシ入れるのは悪いことではない)「あ、すいません」とか細い声を出して、チラシを入れるのを中断して早足で立ち去っていった。なるほど、夜にチラシを入れていたから出会わなかったのか。


 私は1人だけ、ほんの一時ポストに立ち空くし、怪しげな男に話しかけた恐怖と、言いたいことが言えたという自分を肯定する気持ちをしばらく感じていた。「言いたいことは思った時に」これが私のモットーである。チラシ一枚とは言え、捨てる手間を増やさないで欲しいという自分の思いはあったわけだし、それを我慢することは思ったよりも大きいストレスになり、人生の楽しさが減ってしまう。「チラシを入れるな」と言うタイミングはもう滅多にないわけで今回を逃したら次までそのストレスを抱えることになる。


 だからこそ、言いたいことはその場面場面で言うべきだし、何もかも終わった後に「あの時ああすればよかった」なんていうのは自分の言葉が及ぼした結果に責任が取れない人のすることだと思う。私は昔からそうやって生きてきたし、今後もこのポリシーは変わらないと思う。こんな感じのエピソードはいくつかあるので、そのうち紹介しようと思う


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