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インタビュアー蒲田健の収録後記

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収録後に感じたこと考えたことを語ります!
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2016年9月の記事一覧

蒲田健の収録後記:村田沙耶香さん

「普通」のことを「普通」にできるのは、

意外と「普通」のことではない、かも?

第155回芥川賞受賞作、村田沙耶香さんの最新作「コンビニ人間」

本来人間は想定外のことをする動物である、というのが村田さんの見立て。しかしながら社会は「普通」という想定内を求める。「普通」から

はみ出すこと、はみ出す者は「普通」であるようにという圧力を、

意図するせざるとに関わらず受ける。

この作品のラストを

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蒲田健の収録後記:パラダイス山元さん

餃子の中身は、ひき肉、白菜、にら、にんにく・・・だけだと思ってた!

パラダイス山元さんの最新刊「餃子の創り方」。

名だたる食通たちが何とかして来店のチャンスを得ようと列をなす

会員制餃子レストラン「蔓餃苑」のオーナーシェフの顔も持つ

パラダイス山元さん。

件の蔓餃苑ではデザートに至るまで徹頭徹尾の餃子フルコースを

堪能できるという。

百聞は一見に如かず。この本ではそこで供されるメニュ

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蒲田健の収録後記:武井壮さん

百獣の王は、真剣に、遊ぶ。

武井壮さんのインタビュー集「勝つ人」

様々な競技の「勝つ人」と武井さんの対談。

自身が現役のアスリートであるが故に、問答は現場の者同士ならではの

具体性をもって共鳴する。そこには「観客」の立場ではうかがい知れない

深淵なフィールドが広がる。神々しいまでの世界。

その一方で、スポーツは遊びであるとも言い切る。

それを見て心動かされる第三者がいて初めて意味を成

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蒲田健の収録後記:安藤美冬さん

誰もが書店で一度は目にしたことがあるであろう自己啓発本の

古典的ベストセラーがきっかけだった。

安藤美冬さんの最新刊「『行動力』の育て方」。

自身が心身ともに“ダメダメ”なときにたまたま手に取ったコヴィーの

「7つの習慣」。かなり懐疑的に読み始めたにも関わらず、

自らの行動が書かれていることの全て繁多であることに衝撃を受け、

ならばと、実践してみることに。

結果、自分が変わり、周りが

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蒲田健の収録後記:村山由佳さん

極めて個別具体的な描写を重ねていくと、結果として普遍が立ち現れる。

村山由佳さんの最新刊“ラヴィアンローズ”。

夫からモラルハラスメントを受け続けた女性が自らの可能性に気づき

一人の人間としての尊厳を獲得してゆく。

「衝撃の長編サスペンス」という文字が帯に書かれているように、

中身はとても怖い。こんな現象や事件は身の周りには現実には

起きていないよ、と多くの人は思うかもしれない。

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