ミシック到達した白単の紹介(MTG Arena) 2023年4月期

イントロダクション:

機械兵団の進軍のフルスポ公開など,今の環境のお別れが近づいている.数多くの赤単,ブイブイ言わせている青白兵士,青黒毒性増殖をはじめとした毒性デッキ各種,いつでもどこでもこんにちはアトラクサ,種々のデッキと遊べるこの環境ともそろそろお別れである.白単もまたその中で競争力を持っている.今月もここ数か月と変わらず白単デッキとともにミシックまで到達できたので,備忘録を残しておこうと思う.だれかの参考になればうれしい.

デッキリスト:

Deck
11 平地
4 野心的な農場労働者
3 告別
2 獅子の飾緒
3 永岩城の修繕
2 神憑く相棒
3 放浪皇
2 皇国の地、永岩城
4 集団失踪
3 華やいだエルズペス
2 鼓舞する監視者
2 舞台座一家の中庭
2 常夜会一家の店先
2 セラの模範
4 軍備放棄
2 第三の道のロラン
3 ミシュラの鋳造所
3 永遠の放浪者
3 骨化

デッキの構成:

各種早いデッキに押し負けないために初期からしっかり除去を切っていけるようにしつつ白単の強みである強力な大型除去を強く使えるようにバランスの取れた構築に気を使っている.具体的な構想は以下の通り

軽量除去:

  • 軍備放棄:白単の代表的な軽量除去.平地のカウントが重要だが,白単には問題なく採用される.

  • 骨化:婚礼発表といったエンチャントメントを告別で流したいときに難しくなるタイプの除去.ただ軽いことは正義.絶望招来対策に何も追放することなく平地にはることもある.

  • 第三の道のロラン:出たときに割れるのは偉い.勢団の銀行破りや鏡割りの寓話に序盤の動きを依存している相手には大きく刺さる.白単相手には互いに骨化を割りあうといった展開もある.

対戦相手の自由にはさせない.勢団の銀行破り,鏡割りの寓話とそのトークン,赤単の各種クリーチャー,青白兵士の兵士たち,序盤から軽々に除去を切っていって妨害していく.

序盤のアドバンテージ源:

  • 野心的な農場労働者:土地が伸びない限り使いたい大型PW, 大型除去を使うことはできない.勢団の銀行破りなどもよいが,確実に平地が欲しいことはおおい.後半は3/3絆魂で運用

  • 神憑く相棒:2マナで1ドローできてチャンプブロッカ―として使われる.絶望招来に対するエンチャント枠でもある.

  • 永岩城の修繕:土地を引ける.骨化を無料で使える.土地加速にも使える.3/4は早いデッキを拘束するのになんとか足りるサイズ.1/1トークンもチャンプブロッカ―としてありがたい.と隙のないカード.ただ後半はすこし遅さが気になる.

  • 鼓舞する監視者:ドローできるなら神憑く相棒でよいのではないか?というのは妥当な疑問である.とはいえ飛んでいることの恩恵は大きく,相手のPWへの牽制になったり+1/+1カウンターとの相性が非常に良い.

ここで稼いだアドバンテージを使って相対的に強い部分を押し付けていく.2マナ3マナとスムーズにおけるとかなり多くのアドバンテージを稼ぎ出す.除去とどちらを優先するかは相手の出方を伺いつつ選択する.

強みを押し付ける:

  • 告別:自分の方が相手よりすぐれている部分を残して他を除去する.相対的に自分が強い部分があればそれを自分の優位に変換できる呪文.PWを除去できないためこちらもPWの部分で相手に有利をとられないように立ち回りたい.リリアナと絶望招来を苦手としている.

  • 集団失踪:アグロ系デッキはハンドを減らして盤面にクリーチャーを並べているわけで,これで解消して序盤のアドバンテージ源で稼いだハンドアドバンテージで勝ちたい.

  • 華やいだエルズペス:絆魂でも飛行でも警戒でも何でもござれ.相手よりライフレース,ブロックの可否,などで強みを押し付けていける.相対的な強みが見いだせないときに-3で除去を探しに行ける保険付き.

  • 永遠の放浪者:こちらの強いクリーチャーと相手の弱いクリーチャーという相対的に優位に立ちやすいところを押し出していける全体除去に,相手の重要なクリーチャーを一時的にどけて相手の動きを疎外してしまう一時追放,自分のアドバンテージ源を使いまわせる一時追放,二段攻撃の侍トークンとどこをとっても強い.勝ちに直接結びつくのは意外とプラス能力で,集団失踪の前に避難させたりと器用に有利を維持し続けるのに役立つ.

どれも言わずと知れたパワーカードたちである.強いタイミングで使って勝利を目指す.ただ放浪者以外は単体で勝てないため,稼いだアドバンテージを活用し漸次的に有利を拡大していく運用が必要.

中盤で押し引きする:

  • セラの模範:序盤のアドバンテージ源や軽量除去を再利用して足りない部分を補う.ニューカペナの土地の使いまわしで3点回復する動きも強い.

  • 放浪皇:いわずと知れた超強力PW.

先ほど書いた強みを押し付ける前後にやり取りをするカードたち.第一の目的は,この二種のカードで押し付ける強みの礎を築き上げる.足りないアドバンテージを補ったり,打てるまでの時間を稼いだりする.第二の目的として,強みを押し付けたあとの有利な状況を維持するのにもつかわれる.ただあくまで強みを押し付けることを最優先にする.強みを押し付ける前段階として相対的に有利な部分を作るために積極的に使いたい.

エクストラ:

  • 獅子の飾緒:このカードは,墓地の軽量除去としての役割が第一である.2枚のみならず大量に墓地から取り除くことができるのは,このカードの強みである.しかしながらそれにとどまらない.+1/+1カウンターを簡単に多く載せることができるという強みは,終盤に大型クリーチャーになれることを意味している.さらに装備することで自分の告別や集団失踪を交わすことができる.

土地:

  • ミシュラの鋳造所:告別でひっくり返せない相対的優位にPWをあげた.お気づきの通り,土地もその一つである.理想的にはエルズペスで種々のカウンターを置いて勝利する.警戒をつけてしまえば自身のタップで+2/+2できるので実質5/5である.

  • 舞台座一家の中庭 /常夜会一家の店先:セラの模範でライフゲインする.少しでも山札の土地の割合を下げられる.(かすかだけれどたくさん土地を山札から持ってくるデッキなので無駄ではないくらい)エルズペスの-3で下に送ったカードを混ぜる.ちょっとオカルトめいた選択の可能性はある.もうすこししっかり精査したい枠

  • 皇国の地、永岩城:除去にも使えるので入れて損はない枠.平地カウントではないので注意

合計二十枚でだいぶ切り詰めてある.豊富なアドバンテージ源のカードでなんとか這う這うの体で土地を伸ばして相対的な呪文の濃さで戦う.これぐらい切り詰めて除去をとると赤単などの早いデッキとも刺し合える.

戦術

軽量除去で相手を妨害しながらアドバンテージを稼いで,相対的に有利なポイントを探していく.十分に有利が取れる状況を作れたら,告別に代表される強力なカードを押し付け全体的な有利さに変換する.その後はじわじわと有利さを維持,拡大するようにふるまう.場合によっては再度別の相対的に有利な部分に着目し,押し付けるところからやり直す.

Tips

  • 先手は農場労働者+土地が3枚以上で始めたい

  • 後手は土地2枚以上で始めたい

  • 土地事故で負けるのは仕様です

  • 放浪者は+で何とかならないかの検討から入る

  • エルズペスの+は有利を維持拡大するのに非常に重要なので-3から入るのは必要なとき以外は避けたい.

  • 獅子の飾緒はあいてのインスタントやソーサリーを除去してもプラスカウンターは乗らないが,除去するにこしたことないので積極的に掃除する.

最後に

土地をなんとか回る20枚に削って,墓地対策から何から何まで詰め込んでいる.フレンズといわれるようなデッキには苦労するがそれ以外のデッキにはそれなりに戦える.大ぶりに逆転したから告別を含む白単を握って相対的な有利さみたいなものを意識し続ける羽目になったのはなんともはやであるが,面白いデッキなので参考になる部分があればもっていって楽しんでほしい.

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