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ゴロ捕球と批判の受け止め方

内野の守備で、ゴロを捕球する際、よく正面にすぐに入ってボールを捕りなさいと言われるが、これは実は半分あっていて、半分間違っている。

飛んでくるゴロのボールに対して、正面でそのボールを捕球するまで見続けていると、ボールが1点でしか見えないため、そのボールがどういう速さで、どういうバウンドで、どういう軌道で来ているかを見誤り、ミスをする確率が上がってしまうということがある。

では、何が正解かというと、ボールを捕球をする寸前まで、ボールが飛んでくる一歩横に自分の身体を持ってきておいて、ボールを斜め横から見るようなイメージでボールを追いかけ、捕球をする寸前にボールの正面に入っていくという捕球体勢である。

なかなかわかりづらい説明だと思うのだが、要はボールを正面から見るか、斜め横から見るかの違いだ。

この両者の何が違うかと言えば、正面に入って捕球をするのは見えているのはボールの正面の一点だけであるため、ボールは平面でしか見えない。

しかし、一歩ボールの横に入って、飛んでくるボールを斜め横から見るようにすると、ボールが立体的に見えるようになり、ボール全体の動きを把握することができるようになるのである。

だから、正しいのは、飛んでくるボールには、いきなり正面から入らずに、最初は跳んでくるボールに対して真正面から受け止めないように少し横にずれてそのボールを見ておいて、ボールの全体の動きを把握していざ「捕る」となった瞬間に、ボールの速さとバウンドなどを考慮に入れてタイミングを合わせて正面に入って捕球するというやり方である。


実はこれ、日常生活での、相手からの批判の受け止め方にも応用ができる!

相手からの批判に対して一番良くないのは、それをそのまま知らぬふりをしてスルーしてしまうことである。
これは自分の目の前に飛んできているボールをそのままスルーして、自分の果たすべき責任を放棄する背信プレーと一緒である。

次に良くないのは、相手の批判を真正面から受け止めてしまうことである。これは一見正しいように思えるが実はけっこう危険な受け止め方である。

その理由は二つ。

一つは、正面から受け止めすぎてしまうがゆえに、自分の心をすり減らしてしまう危険性があるからである。
これは相手が感情的に批判的な言葉を言ってくれば言ってくるほど、相手の感情的な部分と論理的な批判の本質を分けて考えられなくなり、結果、本質的な批判よりも相手の感情に支配されるようになってしまい、自らの心を病ませてしまうことにつながってしまうことがある。

二つ目は、相手の批判をすべて受け入れてしまうがゆえに、正しい批判とそうでない批判を見分けられなくなってしまい、結果、受け入れるべきでない批判を受け入れてしまうことにつながってしまうからである。
なんでもかんでも相手の批判は正しいと思っていると、自分の意志を失い、相手の奴隷になってしまう。


そこで、正しい批判の受け止め方は、ゴロの正しい捕球の仕方とおんなじで、まずは批判に対して斜め横からその批判を眺めて、

果たしてその批判は本当に正しい批判なのかどうか?どこからが相手の感情論で、どこまでが本質的で論理的な批判なのだろうか?自分の価値観や客観的な目線で考えて、相手の批判は受け入れるべきものなのかそうでないのか?

ということを総合的に判断した上で、改めて正面に入ってその批判を受け入れる姿勢を持つことである!

こうすれば、批判に対して正しく対処し、客観的に見てより良い方向に改善を進めていくことができるようになるのである。


批判にも、良い批判もあれば、悪い批判もある。一部正しいことを言っていて大半間違っている批判を言ってくる人もいれば、一部間違った批判だけど大半は正しい批判をしてくる人もいる。

そういったあらゆる批判を、まずはその横に立って、立体的に見た上で、自分なりの正しい判断をしていくことが大切なのである。

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