見出し画像

Dave - Black 補足情報 [4/4]

今回は、Music VideoとBRIT Awards2020のパフォーマンスについて補足情報を紹介したいと思います!

補足情報① - Music video

このMVにはイギリスを代表する方々がたくさん出演されていますので、出演者の紹介をしたいと思います。

①ラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)氏:サッカー選手。足に銃のタトゥーがあり、それを知ったサッカーファンが「彼を代表から外せ」と抗議したこともあった(今でもそう言った差別的な発言は続いているが。。)。銃のタトゥーを入れている理由は、彼が2歳の時に父が銃で打たれて亡くなっているためだそう。

②ティファニー・カルバー(Tiffany Calver)氏:Radio one DJ。

③ディーナ・アッシャースミス(Dina Asher-Smith)氏:オリンピック短距離走選手。

④アンナマリー・アマフィトン(Anne-Marie Imafidon)氏:数学者。

⑤オズワルド・ボアテング(Ozwald Boateng)氏:ファッションデザイナー。

⑥ストームジー(Stormzy):今やUK Grimeのキング。

⑦ダンソン・イドリス(Damson Idris)氏:俳優。

⑧ジェイ5(Jae5):プロデューサー

⑨カディーム・ラムジー(Kadeem Ramsay)氏:俳優。Top BoyやBlue Story, Sex Educationにも出てますね。

⑩マイケル・ワード(Micheal Ward)氏:俳優。カディーム氏同様、Top BoyやBlue Storyに出てますね。

また、映像としてはかなりひねっていますよね。これまでメディアでよくみる黒人の描写とは反対の映像を映し出しています。

例えば、

❶最初:ストリート系の服→すぐにフォーマルなオーダーメイドスーツ

❷父が子供に髭の剃り方を教えている

❸Hip Hopでも過小評価されている黒人女性たち

補足情報② - BRIT Awards 2020 パフォーマンス

ここからはBRIT Awards 2020でのパフォーマンスについて補足情報とパフォーマンス終盤のバースを翻訳したいと思います。バースはこちらから引用しています。

It is racist whether or not it feels racist
The truth is our Prime Minister is a real racist
They say, "You should be grateful we're the least racist"

- 差別だと感じようが感じまいが、それは差別なんだよ。UK首相(PM Boris Johnson)はレイシストだ。彼らは"私たちは差別の少ない国だと言うことに感謝しないといけない"なんて言う。

👉ここでは、過去に首相がゲイの人や黒人に対して差別的な発言をしたことに起因しています。当時DaveはTwitterで反応もしています。

👉最後の部分はイギリスはよく差別の少ない国と宣伝されることがあることから引用されています。

And if somebody hasn't said it
Equality is a right, it doesn't deserve credit
Now if you don't want to get it, then you're never gonna get it
How the news treats Kate versus how they treated Megan

- 誰も言っていないなら言うが、平等は権利だ、平等を主張して賞賛されるのは違う。わからないならしょうがないけど、ニュースでのケイトとメーガンの報道の仕方が違うんだ。

Rest in Peace Jack Merritt, you're my brother in arms
There's tears in our eyes and love in our hearts
We never had the same background, culture, colour, or past
But you devoted your life to giving others a chance
And for that, I'm so taken aback
Because it gave us all a voice, I have to say it for Jack
As a young black man seeing paper and crack
Giving tougher sentences, it's just papering cracks

- ジャック・メリット、彼の冥福を祈る。お前は俺の戦友だった。それを聞いた時に涙を流し、愛を感じた。俺らは同じ境遇・文化・肌の色ではなかったけど、お前は他の人に機会を与えるために人生を捧げた。そこで、ハッとした。俺たちの声を届けてくれたから、ジャックのために言う。隠れている問題を見てきた若い黒人として、厳しい刑罰を与えることはただの張りぼてなんだ。

👉ジャック・メリット氏は2019年11月29日のロンドンブリッジにある”Fishmongers' Hall”であった事件に巻き込まれ亡くなった。犯人は昔テロ犯罪で捕まっており、2018年に条件付き釈放されていた。ジャックは、Learning Togetherrという受刑者へのリハビリを提供するプログラムをしていた。ジャックの父は「息子はこの事件によって厳格な刑罰や不必要な拘束力がより強くなることを避けたいと願っている」と厳格化を求めた世間へ訴えた。

All he would want is unity, funding for communities
Equal opportunities, people under scrutiny
No more immunity, way less hatred
More conservation, less deforestation
We want rehabilitation, now that would be amazing
But Grenfell victims still need accommodation
And we still need support for the Windrush generation
Reparations for the time our people spent on plantations
I'm done

- 必要なのは、団結力とコミュニティへの資金提供、機会の平等、人々への監視、憎しみの大幅な減少、自然保護、森林破壊の減少なんだ。俺らはリハビリが必要だ、それがあれば最高だね。でも、グレンフェルタワーの被害者はまだ住む場所が必要だし、ウィンドラッシュ世代はまだサポートが必要だし、先祖が農園へ捧げた時間への賠償が必要なんだ。それだけだ。

👉グレンフェルタワー:2017年6月14日にロンドンのグレンフェルタワーで大規模火災が起きた。そこは、低所得者層向け高層住宅で、防火対策の不備があり全焼に至った。この事件では低所得者層にたいする行政の不公平な実態をも明かした。

👉ウィンドラッシュ世代:今では英連邦加盟国となった西インド諸島から最初の移民としてやってきた数千人とその子供たちを指す。 戦後の労働力不足を補うため英国移民の呼びかけに応じた人たちで、「ウィンドラッシュ」という呼び方は、移民が乗ってきたエンパイア・ウィンドラッシュ号にちなんでいる。

終わりに

以上がMVとBRIT Awards2020パフォーマンスの解説になります。

個人的には、首相批判をゴリゴリに放送するイギリスはすごいなぁと思いますね。この年だけでなく、BRITでは過去にもありましたが。。

4回に渡る翻訳・解説になりましたが、もし何かご意見ありましたら、ぜひご連絡ください。始めたばかりなので、これから改善をどんどんしていければと思っています!

参照

※本記事は以下の情報をもとに書いております。

1. The Most Controversial BRIT Awards Performance Ever (Dave - "Black") | New British Canon

2. Dave - Black [Reaction] | LeeToTheVI

3. Dave - Black (Live at The BRITs 2020) [Reaction] | LeeToTheVI

4. 英高層住宅火災の裏に隠されたロンドンの住宅事情

5. 英内相、カリブ海移民「ウィンドラッシュ世代」に謝罪 英国育ちでも強制退去の危険

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?