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C;ON(シーオン)武道館への道 #7 がきおの「シノゴノ云わずファボります」 23.3.20.

愛に包まれて、最高に佳き生誕ライブとなった、「『正義の味方!』〜あいかマン華の17になりました〜」について

3月18日、私にとってシーオンの推しである絹井愛佳さんの生誕ライブが東京・鶯谷のキネマ倶楽部にて行われました。
シーオンの生誕は特別です。それぞれが手に職を持っているミュージシャンなので、音楽のエンターテインメントとして素晴らしいものを毎回私たちにみせてくれます。

昨年も愛佳さんはアコースティックギターでのカヴァー曲を披露していました。
(昨年のライブについてはこちらをご参照ください)

そして、今年。会場に入ってみると、ギターが2本にドラムも。
「これはワンマンライブですか?」という楽器が並ぶステージ。そこに立つのはシーオンの楽器隊である聖奈さん、佳子さん、杏実さんに加えて見慣れぬ方々が、トランペットや(テナー?)サックスを持って登場したのです。

自分のテンションはいきなり上がりまくりで、演奏を食い入るように見ていたところに、下手の上階からステージに降りてきたのは赤いドレスに包まれた愛佳さんでした。

1曲目に披露された「くちばしにチェリー」次の「紋白蝶」には圧倒されました。

豪華な演奏に負けない圧倒的なボーカル。過去の愛佳さんの歌唱の中でも随一のパフォーマンスだっと思います。
キネマ倶楽部の高い天井にも響き渡っていました。

「もったいない」娘の想い

素晴らしい演奏を披露したのは、愛佳さんのお母様が広島にいたときに組んでいたジャズバンドのメンバーでした。なんと、今回は広島からこのライブのゲスト出演のために駆けつけてくれたそうです!

あまりのクオリティの高さにシーオンと「一座」を組んでツアーをしてほしいくらいでした。

その後はシーオンメンバーでのライブへ。

SEからは怒濤の新曲ラッシュ。「今好きな曲を選んだら新曲ばかりになった」(愛佳さん)とのこと

アンコールではアコースティックギターを持ち、ピアノの杏実さんと「僕と君のララバイ」、さらにギターの先生も入って自作の「16のわたしを」を披露しました。「16のわたしを」はまさに等身大の想いが詰まっていました。

そしてこのライブのクライマックス。関係者席にいたお母様が壇上に上がります。バンドメンバーとともに演奏された曲目は「君の瞳に恋してる」でした。

手を取りながらステップを踏む親子。愛佳さんはドレスに足を取られて大変でしたが、楽しそうでした。
お母様の歌い方は愛佳さんとは似ていなくて、メロディーにリズムを加えたような情熱的な歌い方で、アイドルとも全然違っていました。

アイドル現場どっぷりの自分には新鮮で、8年ぶりのステージというのを感じさせないものでした。

終了後に抱き合う母と娘。まさに大団円。絹井愛佳のルーツからの17年をたどった物語のようなライブとなりました。
(こちらのインタビューではお母様が歌っていないことを「もったいない」と語っています。このインタビューで歌手をされていたことを知りました)

圧倒的な歌唱力が鼻につかないアイドル

私が愛佳さんを好きだと言うと「歌の上手いアイドル」が好きだと誤解されそうですが、自分の中ではアイドルに「歌の上手さ」はあまり求めていません。

むしろ「●●(グループ名)の歌姫」と言われる人の中には、自分の上手さをひけらかす感じがして好きになれない人もいます。
それにはグループアイドルの事情が噛んできます。

上手く歌う、歌が上手いと思わせることで、グループ内の競争に勝つ必要があるからです。
裏アカウントで「○○ちゃんは歌が上手いのでもっとパートを増やしたほうがいい」と○○ちゃん本人が書いていたという疑惑もありました。

誰が聴いても歌の上手い愛佳さんは自分にとって苦手なタイプだったかもしれないのに、彼女の歌には嫌味な部分を感じませんでした。
それは彼女が謙虚な気持ちで歌に向きあえることだと思います。
「シーオンのカヴァーはただのカヴァーじゃない」とよく言われますが、曲を解釈しようとしているからです。

ライバルではなくて、歌に向き合っているのです。

その姿勢は、お母様と「愛佳のことはお母さんのお腹の中から知っている」という、バンドのみなさんの上質な音楽によって、育まれていたのではないでしょうか。
そして栞音さんと切磋琢磨したことで今の「歌手・絹井愛佳」があると思います。

泣き虫「あいかマン」が泣かなかった

この生誕では愛佳さんは涙を見せませんでした。他のメンバーの生誕でも先に泣くこともあった愛佳さんがです。

1月のエンタメ色の強い「C;ON MAGIC LAND」でも泣いていました。
そんな愛佳さんが自分の生誕ではほとんど涙を見せなかったのは意外でした。

先ほど「大団円」と書きましたが、シーオンの絹井愛佳を語るには絶対に必要なパートナーである、栞音さんを忘れてはいけません。
ラストの「イキルイミ」での栞音さんの涙もハイライトでした。

栞音さんは、泣いている愛佳さんを割と引いたところで突っ込む立ち位置でしたが、今回のリハーサルでも泣いていました。
7歳差の愛佳さんと栞音さんの関係性というのは独特です。
仲間のように、友達のように、家族のように、どんな形でも6年を乗り越えたふたりには強い絆があることが伝わってきました。

17歳の愛佳さんに期待すること

17歳で歌うことを「生業(なりわい)」にしている人がどのくらいいるでしょうか。
学園祭に向けてバンドを組んで、好きなバンドの曲をコピーすることで楽しんでいる「ミュージシャンの卵」のほうがたくさんなはずです。

とても真摯で謙虚な心が愛佳さんを成長させました。ただそれゆえに自信を持てずに悩んだりすることもあるようです。
本人もよく語っています。

大きな目標があります。ファンの自分たちも、期待してしまいます。

ですが、疲れたときは「客は後からついてくる」「金もなんとかなる、大人がなんとかする」くらいの気持ちでいてほしい。17歳なら許されると思います。

もしかしたら「来年は18歳、もう大人だよ」と返されるかもしれないけど、それでもまだ1年あります。
ときにはリラックスしながら、歌を好きな気持だけは忘れずに持っていてほしいと思います。


振り返って「華のセブンティーンだった」と胸をはって言える17歳となりますように。

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