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GAJYUMARUの拠点について②なぜ、石垣島なのか?

離島の拠点は石垣島

昨日の記事では、本島の第一拠点をうるま市にした理由について書きました。

今回は、離島の拠点として石垣島を選んだ理由について書いていきます。

「えっ、なんで低いの?」という強烈な違和感

きっかけは、この強烈な違和感でした。

皆さん(特に県外の皆さん)は、沖縄の離島の子どもたちというとどんな印象を抱くでしょうか?
「のびのびとしていて、幸せそう」とか、「底抜けの笑顔をしていそう」といったイメージが浮かんだ方も多いかもしれません。

そこで、「自己肯定感が日本の中でかなり低い」と聞くと、驚かれた方も多いのではないでしょうか?

>自己肯定感とは、自分の可能性を信じて自分はできるんだという自信を持つなど肯定的に自己を認識する感覚。それが全国に比べて低い
>小6・中3対象の全国学力・学習状況調査(2019年度)で「自分によいところがある」と回答した割合はそれぞれ71%、63%。全国の81%、74%と比較して10㌽も低かった
>自己肯定感の高い子どもには、さまざまなことに取り組む意欲が高いことなどが特徴という。低い子どもはその逆

メンバーからこの記事を教えてもらった時、本当に驚きました。
日々議論をする中で、何度も何度も敢えて蒸し返すように議題に挙げ、石垣の方も含めたできる限り多くの方の意見を拾いました。

GAJYUMARUとしては、以下のように石垣の子どもたちの自己肯定感の低さの原因を固定しています。

石垣の子どもたちの自己肯定感が低い原因①離島ゆえ、選択肢の幅が広くない


石垣に限らず、離島はより都市との情報格差・機会格差が大きくなります。
限られた情報・機会にしか恵まれない故、自らが選べる選択肢の幅が日常的に制限された状況で暮らすこととなります。
※これは沖縄本島に生まれた私も都市との格差として感じていたことです。沖縄に限らず、「都市と地方」の差の問題であり、それが離島となるとより顕著になると考えています。

石垣の子どもたちの自己肯定感が低い原因②「15の春」がない

沖縄には、「15の春」という言葉があります。
多くの離島には高校がありません。ですから、高校のない島に生まれた子どもたちは必然的に高校から県外や本島、大きな離島などに住所を移すことになります。その島ではそれが文化として定着しているため、小中学生も常に外に出ていく先輩たちを眺め、自分自身にも当然起こることとして理解しています。

しかし、八重山諸島の中心である石垣島には高校が存在します。つまり、「出なければならないわけではない」。
多くの子どもたちは高校から石垣を出ることがなく、より外の世界に出て豊かな情報や機会に触れることがありません。

③(子どもの将来が、「家のもの」という感覚?)

上記は石垣の方からの発言でした。
「石垣では、まだまだ子どもの人生や将来を『家のもの』と考えている話も聞く。だから本人の進学意思に関係なく、高校生からはアルバイトして家庭にお金を入れることが重視される場合もある」とのこと。

統計を取ったわけでもなく、これが正しいのかどうかは私にも判断がつきません。ただ、石垣に長く住んでらっしゃる方が上記の印象を持ってらっしゃることは事実であり、事実であった場合、石垣の一定数の子どもたちが自分の人生を「自分のもの」と感じづらい状況にあると危惧されます。

自己肯定感、ひいては幸福感に「自己決定」は欠かせない

上記①~③は、厳密には自己肯定感が低くなる直接的原因とはならないと考えています。
自分の人生を「自分のもの」と感じづらく、また判断するための情報や機会に恵まれず、島外に半ば強制的に住み、外の世界に触れる機会もない。
一言でいうと、「自己決定」がしづらいということの原因です。

そして、子どもが自己決定できること、すなわち「自分の人生の主人公である」ことは、幸福感に影響をもたらすという調査があります。

>国内2万人に対するアンケート調査の結果、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることを明らかにしました。

自分の人生を自分で決めることができる、というのは周囲の大人や社会から決定権を与えられている(それを可能にする環境が用意されている)からです。

そう考えると、石垣の子どもたちにもっと自己決定を可能にすることが幸福度を高めることにつながるはずです。その幸福度の1要素として、今回の自己肯定感というワードを捉えるべきではないか、とGAJYUMARUは考えています。

石垣に生まれた子どもたち1人ひとりに、自分の描きたい人生を描く(≒自己決定)後押しをすることが、石垣の未来を切り拓く

このnoteでも、GAJYUMARUのビジョンは
>「沖縄に生まれた子どもたち一人ひとりが自分の思い描く人生を後押しすることで、沖縄の未来を切り拓く」

と書いています。そして、自己肯定感の低さから始まった議論を経て、「沖縄」を「石垣」に代入することができるという結論に至りました。

石垣の子どもたちが自己決定が難しい状況にある結果自己肯定感を持てない(≒幸福度が高くない)のなら、GAJYUMARUとして真っ先に取り組むべき地域だと判断しました。

これが、スタート地の1つに石垣を選んだ理由です。

活動する中で、よりどうすれば石垣の子どもたちや社会の役に立てるのかを見極め、石垣の方々と手を取り合っていきます。
このnoteでも、石垣での活動や成果を報告します。どうぞ楽しみになさっていただけると嬉しいです。