【無料】オニミネ流 リスク管理〜ポジションサイズ編〜

・特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
・本情報の活用は各個人の判断でお願いします。
・本記事が良いと感じた方はサポートして頂けると、今後も頑張れます!

📌はじめに

皆さん、こんにちは!

本稿は以前投稿した記事「ミネルヴィニ流リスク管理〜その損切り基準合っていますか?編〜」の続きとなる記事です。

まだ見ていない方や、もう忘れちゃったよという方は以下よりご覧ください。

当該記事では参考書籍と同じく解説しやすい様に、前提条件が
 ”買いと売りのポジションサイズは同じ、かつ各トレードでも同じ”
というものでした。
例)ある銘柄を最大購入額$1000で100株で買って、$1100で100株全てを売る。どの銘柄も購入額$1000は変わらない。

そのため、ご覧いただいている段階で気づいた方も多いと思いますが、
この前提条件をルールとして運用している方以外は当該記事の内容だけでは実際のトレード成績を評価できません。
例)購入(売却)タイミングをずらして、異なる価格で異なる株数を複数回に分けて株を買う(売る)。など

なぜなら、損益率や損益レシオはポジションサイズの影響を受けるためです。

本稿では、ポジションサイズによる損益率や損益レシオの補正の仕方と、オニール流とミネルヴィニ流の考えを交えたなるべくリスクを下げたポジションサイズの取り方を考えます。

📌ポジションサイズの定義

説明しやすい様に、本稿でのポジションサイズ(以下、PS)は3つに区分し、それぞれの定義は以下とします。
✅購入PS
・・・1銘柄で取り得る最大購入量のうち1回の買い注文で購入する割合。
例)1銘柄当たり最大購入量が$5000の場合、1回の買い注文で購入した量が$2500なら、購入PSは50%になる。

✅売却PS
・・・ある銘柄の保有株数のうち1回の売り注文で売却する株数割合。
例)ある銘柄を100株保有している場合、1回の売り注文で売却した株数25株なら、売却PSは25%になる。

✅損益PS
・・・利確または損切りした際の1銘柄あたりの最大購入量に対する割合。
損益PS=購入PS*売却PS
例)1銘柄当たり最大購入量が$5000で、$2500で100株購入し、うち25株を利確した場合、損益PSは 50%*25%=12.5%になる。

📌ポジションサイズが損益率や損益レシオに与える影響

例えば、平均利確率21%、平均損切率7%の場合、損益レシオは3:1になります。

ただし、これは損益PSが100%の場合です。(前述した様に”買いと売りのポジションサイズは同じ、かつ各トレードでも同じ”が前提になります。)

これが例えば、利確した平均損益PSが25%、損切りした平均損益PSが50%だと、PS調整後の平均利確率は21%*25%=5.3%、平均損切率は7%*50%=3.5%になり、損益レシオは1.5:1に低下します。

さらには、利確した平均損益PSが10%、損切りした平均損益PSが50%だと、平均利確率は2.1%、平均損切率は3.5%となり、損益レシオは0.6:1となります。これは損失が利益より大きくなっているため、トレードをするほど資産が減っていきます。

逆に、利確した平均損益PSが50%、損切りした平均損益PSが25%だと、平均利益率が10.5%、平均損切率が1.8%となり、損益レシオは5.8:1となります。

つまり損益PSはできるだけ利確時に大きくし、損切時に小さくすることで損益レシオが有利になり、利益を稼ぎやすくなります。

📌損切時の損益PSを小さくする方法例

購入した銘柄がの価格が上がるか下がるかのコントロールはできないため、ここではコントロールしやすい購入時のPSと損切り設定のPSについて、一例としてオニール流とミネルヴィニ流のテクニックをご紹介します。

✅購入時のPSテクニック
①ピラミッディング
ベースの買いポイント(ピボットポイント)を起点とし、価格が上がるごとに3回程度に分けて購入します。

この際の購入PSは、買いポイント丁度で最も多く購入し、価格が上がるにつれて購入PSを下げて購入します。これを行うことで、購入平均単価を抑えつつ、もしベースのブレイクアウトに失敗して下落しても、保有PSを低くできます。

例)ベースの買いポイントでPS50%、買いポイント+2%でPS30%、買いポイント+4%で購入PS20%を購入する。(オニール流では買いポイント+5%以内で購入を終えることを推奨しています。)

②アーリーエントリー時のPS
オニール流ではベースの買いポイント(高値付近)での購入が最もリスクが低いエントリーポイントとされていますが、それよりも早い(低価格)タイミングで購入することをアーリーエントリーと言います。
※アーリーエントリーする際は複数種類のシグナルを元にエントリータイミングを伺うべきですが、これについては本稿では割愛します。

アーリーエントリーと買いポイントのタイミングに合わせて、購入PSを複数回に分けます。これは、アーリーエントリーが正規の買いポイントよりも下落リスクが高いと考えられるため、もし下落した際に保有PSを低くするためです。

例)アーリーエントリーが2回あるとすると、1回目と2回目のアーリーエントリーで各購入PS25%とし、正規買いポイントで購入PS50%(残り)とする。

③主要指数のトレンドにあわせて合計購入PSを調整する
S&P500指数やNASDAQ総合指数のトレンドに合わせて、トレード資産のうちの合計購入PSを調整します。

例)オニール流ではConfirmed Uptrend判定で合計購入PSは100%、Uptrend Under Pressure判定で合計購入はPS50%、Market in Correction判定で合計購入PSは0%とします。

✅損切り設定時のPSテクニック
①損切り設定の分散
損切り値は自分のトレード成績を考慮して設定すべきですが、1つの値にする必要はなく、売却PSを考慮して平均値が設定値となる様に分散させます。これにより、損切率を浅く保ちつつ、軽いふるい落としで売却するリスクを下げられます。

例)トレード成績を考慮した損切り設定を購入価格-4%とした場合、売却PSを各50%として-2%、-6%に損切りの逆指値注文を入れる。分散は2回に拘る必要はなく、売却PS33%づつの-2%、-4%、-6%の3回に分散しても良いです。

個人的に留意した方が良いのは、(できれば)分散時の1回目の設定値がサポート線候補の価格より低くなる様に設定し、それに合わせて2回目以降の設定値を決めた方が良いです。そうしないと簡単に1回目の設定値を下回るため、分散させた効果が小さくなると思われます。

📌損切りの計画を立ててから、購入する

ある銘柄の購入を考え流場合は、損切りの計画を立ててから購入することをお勧めします。そうすることでリスク側を意識することができます。

また、損切りの設定を考えた際に、自分のトレード成績を考慮した損切り基準より、サポート線候補が低い場合があります。この場合は購入PSを下げ、購入しなかった資金をキャッシュとして保有することで擬似的に損切り設定を大きく下げることができます。これは購入前に考えないと間に合いません。

例)トレード成績を考慮した損切り基準は-4%だが、サポート線候補が購入価格-8%にあるため、サポート線より上で損切り設定しなければならない。
→通常なら購入PS100%だが、購入PS50%に下げて残り50%をキャッシュで保有することにより、損切り設定を-8%まで下げられる(平均損切り率は-4%)。

この場合はお分かりの通り、購入PSが通常よりも下がってしまうため利確時の損益PSが下がるリスクはありますが、平均損切率を抑えつつ比較的ハイリスクなトレードができます。

(とはいえ、購入PSを落とさない銘柄を探した方が良いと思います。)

📌まとめ

ポジションサイズが損益率や損益レシオに与える影響を理解できたでしょうか。

購入時のPSや損切り時のPSを考えることは地味と感じるかもしれませんが、トレードに自分ではコントロールできない要素がある以上、少しでも有利になるようにコントロールできる要素で考えるべきだと思います。

その一つがポジションサイズの取り方になります。是非、この考え方を習得して皆さんのトレードに活かしてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?