ミネルヴィニ流 リスク管理 〜その損切り基準合ってますか?編〜

・特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
・本情報の活用は各個人の判断でお願いします。
・本記事が良いと感じた方はサポートして頂けると、今後も頑張れます!

📌はじめに

皆さん、こんにちは!
突然ですが、皆さんは損切りの基準はどの様に決めていますか?

-○○%には絶対損切りする様にしている!移動平均線を基準にしている!
などなど、それぞれ基準があると思います。

筆者が尊敬し実施しているオニール流でも、購入額から-7~8%では絶対損切りすべきと学んでいます。

しかし、「本当にその損切りが利益を出す上でベストなの?」と誰かに質問されて、自信を持って肯定できる人は少ないのではないでしょうか?

本稿では、マーク・ミネルヴィニ著の「株式トレード 基本と原則」の記載内容を参考に、計算でベストな損切り基準について考えていきます。

あなたの損切り基準は、利益を出せる根拠がありますか?

📌オニール流損切り基準の罠

前述した様に、オニール流の損切り基準は適切な購入ポイントでの購入額から-7~8%とされています。本稿をご覧の皆さんの中には、結果的にこの基準まで株価の下落を放置し、損切りしてしまった方もいるのではないでしょうか?
ここでは考えやすい様に平均損切り-7%で話を進めます。

一方で、オニール流では例外パターンを除いて購入額より+20~25%で利確することが推奨されています。実際にはもっと早く利確することも考えると、平均利確値はこの数字よりも低くなると考えられますが、ここでは緩めの条件として平均利確+21%で話を進めます。

複数のトレードにより利益を出し資産を増やすには、利確値より損切り値が低い必要があるのは皆さんお分かりだと思います。しかし、実際には勝率という要素が大きく影響してきます。勝率はオニール流の書籍ではあまり触れられていないため、深く考えたことがない方もいると思います。

ここでの勝率は利益を出したトレード数をトレードの総数で割った値を指します。例えば、合計10回のトレードのうち、4回のトレードで利益が出れば、勝率は40%となります。

以下の図が平均利確+21%、平均損切り-7%での勝率ごとのトレード10回分の期待リターンです。期待リターンがプラスであればそのトレードにより資産が増え、マイナスなら逆に資産は減っていきます。この期待リターンを出来るだけプラスに保つことが、資産を増やす上で重要になります。

期待リターンがプラスになるのは勝率が28%以上の場合です。これより勝率が低い場合は、トレードをするほど資産は減っていきます。

ちなみに、平均利確率が+14%に減ってしまった場合は、期待リターンがプラスになるのは勝率が36%以上の場合になります。

よって、オニール流の平均利確率+21%、平均損切り率-7%の設定は勝率が28%以上あることが前提となっています。

あなたの勝率は28%以上ありますか?

📌損益レシオと期待リターン

損益レシオとは、利確率と損切り率の比率を指します。例えば平均利確率+21%、損切り率-7%なら損益レシオは3対1となります。

以下の図は平均利確率+21%で損切り率を変化させた場合の期待リターンです。(勝率は28%)

前項の例でも分かる様に、平均利確率が同じでも、平均損切り率が高いほど=損益レシオが不利なほど期待リターンが下がり、平均損切り率が低いほど=損益レシオが有利なほど期待リターンが上がることがわかります。これはイメージしやすいと思います。

📌損益サイズと勝率と期待リターン

損益サイズとは平均利確率や平均損切り率のサイズを指します。※この表現は書籍にはなく、本稿で説明しやすくするために使用します。
例えば、”平均利確率+21%&平均損切り率-7%”と”平均利確率+9%&平均損切り率-3%”では損益レシオは3対1と同じですが、サイズが異なります。

人によっては意外に思うかもしれません。
損益サイズは期待リターンに影響を与えます!(筆者は衝撃を受けました)

更にいうなら、損益レシオ、勝率ごとに期待リターンを最大化できる損益サイズが存在します!

以下の図は、損益レシオを3対1での平均利確率と勝率ごとの期待リターンです。

※各勝率での期待リターンが最大化される平均利確率と期待リターン
・勝率28%:平均利確率12%:期待リターン2.37%
・勝率30%:平均利確率20%:期待リターン6.61%
・勝率32%:平均利確率28%:期待リターン13.17%
・勝率34%:平均利確率36%:期待リターン22.35%
・勝率36%:平均利確率44%:期待リターン34.67%
・勝率38%:平均利確率52%:期待リターン50.82%

勝率が同じで合っても損益サイズによって期待リターンが最大化されますし、逆に期待リターンがマイナスになります。前述しましたが期待リターンがマイナスだと、トレードを重ねるほど資産が減っていきます。

📌まとめ

損切り基準はご自分の平均利確率や勝率に合わせて、出来るだけ期待リターンが最大化できる様に設定すべきということがわかったと思います。

勝率や平均利確率は自分の能力だけでなく市況にも影響されるため、コントロールが難しいです。しかし、損切り率に関しては自分が好きに設定できます。つまり損益レシオを操作することができます。

適当に損切り率を設定していては効率的でないだけでなくで、もしかしたら気付かぬうちに資産を減らしていっている可能性があります。

ここまでご覧いただけた方はお分かりかと思いますが、ご自分の最適な損益レシオや損益サイズを知るには、ご自分の勝率と平均利確率を把握することが必須となります。

そのために、皆さん是非ともトレード日記を記録することをお勧めします。トレード日記に各銘柄の売買理由やタイミングを記録し、反省することで、より平均利確率や勝率を上げることができるかもしれません。

📌期待リターンの計算方法

比較的簡単な数式で計算できますが、筆者は意外に気づかずに時間がかかりましたので、以下に計算式と限定範囲ですが計算結果を有料で記載します。
※書籍には数式の記載はなく、限定範囲の計算結果だけが記載されています。そのため、本当に計算方法が合っているかは不明ですが、ほぼ同じと考えています。

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