【無料】オニミネ流 リスク管理〜保有銘柄数編〜

・特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
・本情報の活用は各個人の判断でお願いします。
・本記事が良いと感じた方はサポートして頂けると、今後も頑張れます!

📌はじめに

皆さん、こんにちは!
突然ですが皆さんはポートフォリオの保有銘柄数を決めていますか?

1銘柄だけに投資資金を100%集中投資!!という方は少ないと思いますが、
「すべての卵を一つのカゴに入れるな」という教訓がある様に、個々の銘柄のリスクの影響を低くするために多くの銘柄に分散投資をしていたり、

逆に管理がしやすい様に少数精鋭の銘柄に集中投資をするなど、投資法や考え方によって色々あると思います。

オニール流やミネルヴィニ流では、少数銘柄に集中投資することを推奨しています。

ここでは少数銘柄に投資をするにあたり、「オニールの成長株発掘法【第4版】」と「株式トレード 基本と原則」を参考に、最適な保有銘柄数を確認したいと思います。

「すべての卵は少数の鉄カゴに入れて監視しろ」

📌少数銘柄投資のメリット

まず少数銘柄投資のメリットを幾つか上げてみます。
特に1.については筆者も思い当たる節があります。

  1. 少数銘柄に集中化することで、個々の銘柄の管理がし易くなる。

  2. 深刻な弱気相場が来た際に、売って現金化するのに時間がかかる。

  3. 銘柄が多いとリスク分散出来ているという油断から、個々の銘柄に対するリスク意識が薄くなる。

📌書籍が推奨する保有銘柄数

当たり前ですが書籍によって推奨する保有銘柄数は異なります。
以下の保有銘柄数は理解しやすい様に少し書籍内容から変更していますのでご留意ください。

✅オニールの成長株発掘法【第4版】
この書籍では投資資金サイズによって推奨する銘柄数を変えています。

  • $5,000以下の場合、2銘柄

  • $5,000~$20,000の場合、2~3銘柄

  • $20,000~$200,000の場合、4~5銘柄

  • $1,000,000~ の場合、6~7銘柄

✅株式トレード 基本と原則

  • 理想は4〜5銘柄

  • 多くなったとしても10~12銘柄を超えない

  • (プロレベルの投資資金なら16~20銘柄)

📌最適な銘柄数を計算で求める

ここまでは書籍の記載内容をそのまま紹介しただけですが、本項では計算で皆さんそれぞれの最適な銘柄数(=1銘柄当たりのポジションサイズ)を求める方法の一例を記載します。

計算には、「ケリーの公式」を使用します。
(「株式トレード 基本と原則」では最適なポジションサイズを「オプティマルf」か「ケリーの公式」で計算できるとありますが、筆者の頭では書籍内の計算条件でオプティマルfから求める方法が考え付かなかったので、ケリーの公式で話を進めます。なお、書籍には各計算式は記載されていませんので、この公式を使用しているかは不明ですが、書籍内の例とは結果が成立します。)

ケリーの公式は投資資金のうち、最も効率よく資産を増やすことができるであろう、1銘柄当たりのポジションサイズfを求めることができます。
※ケリーの公式の詳細については本稿では割愛しますので、気になる方はご自分で調べてみてください。
※筆者は学問として修めた訳ではなく、幾つかのブログ等を調べただけであることをご留意ください。

✅ケリーの公式
ポジションサイズf=(勝率p*(損益レシオb+1)ー1)/損益レシオb

勝率や損益レシオについてわからない方や復習したい方がいたら、以下の記事をご確認ください。

例1※書籍例)勝率50%、平均利益率10%、平均損失率5%の場合、損益レシオは2(=10%/5%)になるため、
ポジションサイズ=(50%*(2+1)−1)/2=25%
最適保有銘柄数=100%/25%=4銘柄

例2)勝率40%、平均利益率21%、平均損失率7%の場合、損益レシオは3(=21%/7%)になるため、
ポジションサイズ=(40%*(3+1)−1)/3=20%
最適保有銘柄数=100%/20%=5銘柄

✅注意事項
ケリーの公式に使用する勝率と損益レシオは利益が出る組み合わせしか計算できません。(計算結果が負の値となり成立しません。)
例)勝率40%、平均利益率5%、平均損失率10%(損益レシオは0.5)の場合、
利益=勝率*平均利益率ー(勝率ー1)*平均損失率
        =40%*5%ー60%*10% = -4%の損失
ポジションサイズf=(40%*(0.5+1)−1)/0.5=-80%(不成立)

✅実際のポジション数の計算について
上記の例では分かりやすかったですが、実際に計算すると以下の様になります。

例えば書籍で推奨される4〜5銘柄が最適となる条件は意外に狭いのが分かります(表の青セル)

この理解としては、計算結果の値はあくまで計算上で最も効率よく利益が増やせる方法であって、管理のし易さや急な株価下落を考慮するとこのくらいの銘柄数がいいよね。という結論に至ったものだと考えています。

📌保有銘柄が最大数のときに、新たに銘柄を追加する

自分が保有銘柄数を最大で保有しているのに、さらに有望そうな銘柄が見つかった場合、新たに購入したくなりますよね。

規律が大事と切り捨てるという方法もありますが、利益が出るかもしれない可能性を捨てるのも勿体無いです。

この様な場合の対処法として、書籍では保有銘柄のなかで最もパフォーマンスが劣る銘柄を売却してから、新しい銘柄を購入することを提案しています。それだけ保有銘柄数をいたずらに増やしたくないということですね。

なお、売却する銘柄を複数にして、全売ではなく各ポジションを減らすという方法もあります。これを行うことで、パフォーマンスが劣る銘柄が盛り返すリスクを抑えつつ、新しい銘柄を追加できます。
例)5銘柄を保有していて、新たに1銘柄を追加する場合、5銘柄のうちの最もパフォーマンスが劣る2銘柄を50%づつ売却し、新たに1銘柄を購入する。

📌まとめ

オニミネ流の保有銘柄数についての考え方を確認しました。

計算で最適な保有銘柄数を求める方法では、勝率や損益レシオなど自分の実力(成績)を知る必要があることがわかったと思います。

そのため、特に初心者の方には面倒だと思いますがトレード日誌を記録する習慣をつけることをお勧めします。

今回の様なリスク管理は地味ではありますが、ここをしっかり押さえることで、更なる成長に繋げられると思います。


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