第二言語習得理論と信念(ビリーフ)

こんにちは、井上です。

今日は第二言語習得理論における信念(ビリーフ)について話していきます。

信念とは、大雑把に言えば知識と対比される表現で、必ずしも真ではないけれど、その人が正しいと信じている事柄のことを言います。

第二言語習得理論においては、学習者、そして先生共にこのビリーフを抱いており、そのビリーフが学習に適応したものであるときはいい結果がでるけれど、そうじゃないと望ましくない結果が出るとされています。

なので、学習を行うことと同じくらい、この信念の書き換えが重要になるのですが、信念はその人にとって当たり前であればあるほど、知識と見分けがつかなくなるので、書き換えにくくなります。

例えば、イルカとクジラの区別です。多くの人がイルカとクジラは別の動物だと信じていますが、実はクジラの中には、シロナガスクジラのように口の中に髭が生えておりオキアミなどを濾して食べるヒゲクジラと、ダイオウイカを食べるマッコウクジラのように口の中に歯が生えてるハクジラがおり、イルカはこの中でハクジラの小さめの種族を指す名称なのです。

そう言う意味で、イルカとクジラという別々の動物がいるというのはある種のビリーフであり、生物学的な現実ではないのですが、これがビリーフだと言うのはどこかで習ったり、そういう本を読まないとなかなか気がつけないと思います。

そんなふうに、当たり前のビリーフほどそもそもその存在に気がつかないというのが、ビリーフの書き換えを難しくしていると言えるでしょう。

では!

井上大輔

高度な外国語力を身につけたい人、テストで結果を出したい人に向けて役立つ情報をつぶやき中。TOEIC980点。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智大学博士課程在学中。英語・仏語・西語・伊語の参考書&翻訳書も出版。著書一覧→http://amzn.to/jzUDtr