こびナビと厚労省の関係を調べてみた件 その2
さて、以外と反響があったこちらの続きです。
前回はインファクトの記事を紹介しつつ、こびナビが厚労省の実質的な事業だった可能性についてオープンデータから考えてみました。今回も結論としては「肝心なことはわかりませんでした」なのでその点はご注意を。
今回調べてみるのはこちら。
こびナビの公式サイトから何かわかることはないかやってみました。まずはこちら。
誰でも使えるサイト背景情報のウェブ調査です。やり方は簡単、トップページのアドレスを入力するだけ。で、出てきたドメイン情報がこちら。
気になったのは2つ。一つ目は登録者名。こびナビ代表の吉村健佑氏になってます。何がおかしいかというと、普通は法人で登録するはずなんですよね。こびナビの場合は「一般社団法人保健医療リテラシー推進社中」となります。実際、METAタグ情報のauthertは法人になっている。
気になる二つ目は登録年月日。21年2月2日なのですが、前回のおさらい。こびナビの法人設立は21年2月10日でした。
つまりサイト開設が法人設立の前なんです。本当に法人設立の前にサイトがあったのか確認してみましょう。こういう時の強い味方、waybackmachineです。
こびナビのサイトのアーカイブを見てみると
一番古いアーカイブが21年2月8日にありました。そしてアーカイブされたサイトを見ると
サイトの下部に運営が保健医療リテラシー推進社中で一般社団法人の設立手続き中と書いてあります。こびナビは法人設立前にサイトが稼働していたことになります。ここで私の妄想「サイトを早く稼働させたいが、法人設立が間に合わなかったので吉村氏の個人名でドメインを取得した」という可能性はないでしょうか。
通常は
法人設立 → ドメイン取得 → サイト開設
なのですが、こびナビは恐らく法人設立の申請とドメイン取得の申請をほぼ同時に進めたのではないでしょうか。なのでドメインの名義が吉村氏個人になっている。
ここで気になるのがインファクトの記事が指摘したインフルエンサー事業とおぼしき厚労省の「新型コロナウイルス感染症のワクチンの情報提供に資するための国民の認識や意向に関する調査及び情報提供資材制作一式」という事業の入札。落札したターギスとの契約日は21年1月25日でした。この契約日を起点として、法人設立とドメイン取得をスタートさせたとするとじつに日程としてはぴったり合いそうなのです。
ちなみにこびナビが最初にリリースしたと思われる案件がこちら。
https://web.archive.org/web/20220623065420/https://covnavi.jp/category/info/page/18/
契約日と同じ21年1月25日のマスコミ出演に関するお知らせです。たまたまかもしれませんが、一致しています。
ではなぜ、こびナビはサイト開設をこれほど急いでいたのでしょうか。私が妄想で思いつくのはやはりこれですかね。
新型コロナワクチンの接種が開始は21年2月17日でした。接種開始になんとか間に合わせようとして、法人設立前にドメインを取得しサイトを開設したのではないかと考えました。
ちなみに21年2月15日に行われたこびナビ設立の記者会見は記事になっています。
この記事の中でこう紹介されています。
「日々の業務の合間を縫って作り上げました」。もちろん事実は事実なのでしょうが、法人の設立登記、ドメインの取得、サイト作成を、1月下旬からスタートさせて2月10日には終わらせ、15日に記者会見するというのは驚異的なスピードです。彼らは医師として多忙な業務を抱えており、本当に仕事の合間でできるのだろうかという気はします。
しかも有志の医師による手弁当であれば、ワクチンの接種開始に無理やり間に合わせる必要性は高くないように思います。ワクチン接種が本格化したのはもっと後ですし、それほど遅滞ないタイミングでサイトができれば問題はないはずです。彼らがワクチンの接種開始にこだわった理由があったのではないかと思います。
邪推をすれば、ターギスとの契約期間は3月31日までであること、予算の年度内消化、厚労省が主導したとするのならワクチン接種までに「安全だ」とPRする組織が欲しかったという思惑、なんてのが浮かびますが、いつも通り私の妄想の域は出ません。
いずれにせよ、こびナビは2月17日のワクチン接種開始に間に合わせるため、21年1月下旬から突貫で進められた様子が、公式サイトをオープンデータで解析すると浮かび上がったように思います。繰り返しますが、私の推測と妄想なので悪しからず。
もしお気にめされたら、サポートいただけると幸いです。