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ピピロッティ・リスト展にいってきた。

美術館に行ってベッドでうたた寝をするという稀な体験をしてしまった。
《4階から穏やかさへ向かって》
とても寝心地のよいベッドに寝転がって、とても聴き心地のよい音楽の中で水の中の映像を見る至福の時。その前に、きれいな空色のドレスに赤い靴の美人が、いとも楽しそうに笑いながら、次々と車の窓をたたき割っていく《永遠は終わった、永遠はあらゆる場所に》でかなりの衝撃を受けていたので、ついウトウト寝てしまった幸せな時間。こんな展示会があるなんて最高!と思っていた。その時は。
最後の展示「リビングルーム」に入った時に、床のたいへん美しい絨毯とその置き方に目が釘付けになる。これはなんとかして写真に撮ってみたいとあたりを見回すと(っていうか監視スタッフの確認)みんな気安く写真を撮っているではないか。気づくと展示品のはずの椅子にも気安く座ってくつろいでいる。何の予備知識もなくこの展示会に来た私はしばし呆然として立ち尽くしていた。次の瞬間、写真を撮りまくった!ソファに座って壁の動く絵画は動画で撮ってみた。そしてその中に写り込む観客が展示構成の一部になっていることに気づいた。

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なんていったらいいのか、みんな黙って距離をとりながら鑑賞していたけど、その一体感は凄いものがあった。これをリモートで作った作者とスタッフ達の熱気もまざまざと感じられる素晴らしい展示会であった。
展示会というものに対する水平線が広がった瞬間。もう平面に展示物が並ぶだけの美術館には行けないかもしれない。

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