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日本の色 4月(季節を味わう#0002)

「季節を味わう」では、毎月第3水曜日に季節を象徴する日本の色をピックアップ。
たくさんの色の中から私の好みで選びます。

平安時代のカラーコーディネート

平安時代、宮中の女性のおしゃれに、カラーコーディネートは重要な要素でした。
色を選ぶ基準の一つは「季節」。その季節に合う色を選び、重ねていくことで個性を表現したのです。これを「かさねの色目」と言います。
今もそうですが、おしゃれは後追いよりも先取りが良しとされていたようで、「若草」と名付けられた淡い緑と濃い緑(和名は淡青・濃青)の組み合わせは、まだまだ寒い1月2月に着用されていました。逆に季節遅れの色合わせを着ている人は軽んじられていたようです。
清少納言はこう切り捨てております。

「すさまじきもの、昼ほゆる犬。春の網代。三、四月の紅梅の衣」
【現代語訳】
興醒めするものは、昼に吠える犬。春の網代(季節はずれの漁具)。三、四月の紅梅色の着物。
(清少納言『枕草子』第二十五段

辛辣な清少納言のことですから
「紅梅色なんか二月の色じゃない?それを三月、四月になってもまだ着ているなんてダッサ!!」
といったところではないでしょうか。
平安時代の女性たちにならって、季節の色に敏感になるのも楽しいかも。

それでは四月の色の中から二つご紹介しましょう。


【乙女色】

現代の色で表すと淡いピンク。
乙女椿の花の色だと言われています。
「乙女」の年齢を遥かに超えている私ですが、乙女色の着物だったら着られそう。それくらい控えめで愛らしい色です。


【鮮緑】

雨に濡れた雨蛙を思わせる、生命力あふれる緑。
元々緑色が好きなこともあり、選びました。

色見本については、Webサイト「伝統色のいろは」様より引用させていただきました。https://irocore.com


(2023年4月19日)


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