2023年9月の暦・行事(季節を味わう#00022)
「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)
2023年 9月(長月)
1日(金) 二百十日、関東大震災記念日、防災の日
立春から数えて210日目に当たる日が「二百十日」で、季節の移り変わりを知らせる雑節の一つです。(雑節とは二十四節気とは別の季節の目安で日本人が大切にしてきた節目の日。)
二百十日は台風による暴風や大雨に見舞われることが多いため、昔から農家の人々は厄日として警戒してきました。今でも二百十日の風を鎮め、豊作を願う行事やお祭りが日本各地で受け継がれています。
そして1923年(大正12年)9月1日、激しい揺れが関東全域を襲いました。また、地震によって発生した火災は二百十日の風にあおられて燃え広がり、未曾有の被害をもたらしました。関東大震災です。死者・行方不明者10万人以上の犠牲を風化させず、今を生きる人の教訓にしようと制定されたのが防災の日です。
8日(金) 白露
二十四節気の一つ、白露(はくろ)。
夜中に大気が冷え、草木に朝露が宿りはじめる頃で、その露が朝日に照らされて白い玉のように見える様子を表す言葉です。この頃には日中の暑さも和らぎ、だんだんと秋の気配が深まっていきます。
9日(土) 重陽
五節句の一つ「重陽の節句」。中国では古くから陽数(奇数)が縁起が良いとされていました。その中でも最も大きい「9」が重なる9月9日はとてもおめでたい日、ということになります。
古代中国の人々は、邪気を祓うグミの実を袋に入れて身につけ野山に出かけ、菊の花を浮かべたお酒を酌み交わして長寿と無病息災を祈りました。菊は延命長寿の薬草と信じられていたのです。
この風習と菊が日本に伝わったのは奈良時代。平安時代には「重陽の節句」が宮中行事となり、菊の花を浮かべた「菊酒」を飲むようになりました。このため「重陽の節句」は「菊の節句」とも呼ばれます。
江戸時代には幕府によって祝日と定められ、一般の人々にも広がりました。
9日(土) 救急の日
救急医療の大切さを理解してもらうために定められました。日付は語呂合わせから。
18日(月) 敬老の日
人生の先輩を敬い、その知恵や経験を伝えるために、兵庫県多可郡野間谷村(現在の兵庫県多可郡)で「としよりの日」を定めて敬老会を開いたことがきっかけとなり、1966年に9月15日が国民の祝日「敬老の日」と制定されました。
現在は9月第3月曜日が敬老の日と定められています。
20日(水) 彼岸入り
亡くなった人を偲び、お墓参りなどを行うお彼岸は、春と秋年に二度あります。秋は秋分の日を中心にした前後3日間合計7日間がお彼岸となります。今年(2023年)は、26日が彼岸明けです。
23日(土) 秋分、秋分の日
二十四節気の一つ、秋分。
秋分の日は春分の日と同じく、太陽が真東から昇り真西に沈む日で、昼と夜の長さがほぼ同じになります。この後は次第に夜が長くなっていきます。
「秋分の日」は「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ日」として祝日に定められています。
29日(金) 十五夜
十五夜とは、1年で最も美しいとされている「中秋の名月」を鑑賞しながら、収穫などに感謝をする行事です。
平安時代、貴族たちが月を愛でながら和歌を読む「観月の宴」を催していたことは「枕草子」や「源氏物語」にも記載されています。
十五夜の行事が庶民に広がると、収穫物を供えて秋の実りに感謝する行事になりました。実りの象徴である稲穂は収穫前であるため、代わりにススキが飾られるようになったと言われています。また、丸い月見団子は満月に見立てたもの。
十五夜は芋類の収穫祝いを兼ねているので、「芋名月」とも呼ばれ、里芋やさつま芋を供えます。
(2023年9月6日)
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