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4月の花の俳句(季節を味わう#0003)
「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。
【八重桜】
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奈良七重七堂伽藍八重桜 松尾芭蕉
数字へのこだわりと、音と文字両方で韻を踏んだ見事な句だと思います。奈良の古刹と八重咲きの桜の対比も美しい。
『小倉百人一首』の伊勢大輔の「いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほいぬるかな」を念頭に置いて作られたのかもしれません。
奈良市三条宮前町にある「なら100年会館」近くにこの句の石碑があるそうですが、「芭蕉」の名は記されておりません。この句が芭蕉の句ではないという説もあるそうです。
いずれにしても、美しい句であることに違いはないと思います。
【サクラソウ】
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我国は草も桜を咲きにけり 小林一茶
文字通り解釈すると「我が国では草であっても桜の花を咲かせるよ」。
意味は「我が国では草であっても美しい花を咲かせる」になるそうです。
江戸中期、園芸家がサクラソウの野生種から珍しいものを見つけ、種まきと選抜を繰り返して、さまざまな美しい園芸品種が作り出されました。品評会が開かれるなど盛んに栽培されていたそうです。
明治以降、洋花に関心が向き、ブームは去ったものの、サクラソウは現代でも晩春に可憐な花を咲かせています。
(2023年4月26日)
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