夏の季語「夏休み」(季節を味わう#0014)
世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。
【夏休み】
7月(夏)の季語です。
夏季の長期休暇のこと。
学校では7月20日ごろから8月末までを夏休みとするところが多いですが、地域によって異なります。会社ではお盆前後に一週間ほど休みを取る人が多いようです。旅行や帰省など、家族や友人で過ごす楽しさがあります。
大きな木大きな木陰夏休み 宇多喜代子
この句からどんな木を思い浮かべますか?
私は思わず「この木なんの木 気になる木🎵」というCMソングを口ずさんでしまいました。あのコマーシャルにはとても印象的な大きな木が映っていましたね。
大きな木の近くで昆虫採集するもよし、寝転んで本を読むもよし。
木自体は、春夏秋冬いつでもそこにあるのでしょうが「大きな木大きな木陰」に続くのが「春休み」や「冬休み」ではピンときません。
見上げれば青空。ほぼ真上から降り注ぐ夏の強い日差し。生命力豊かな木の葉の緑。そしてその下にできた影。夏休みは色鮮やかですね。
ちなみに、この句の詠み手、現代俳句協会特別顧問でいらっしゃる宇多喜代子さんは、かつて みのおエフエムの俳句番組に何度も出演してくださっていました。また、宝塚歌劇ファンでもいらっしゃり、宝塚大劇場で何度かお見かけしたことがあります。そんなことがあり、私は宇多先生に一方的に親しみを感じております。
新聞に切り抜きの窓夏休み 佐藤和枝
夏休みの自由研究でしょうか。いくつかの記事を切り抜いたあと、新聞を持ち上げてみると、切り抜いた部分が窓のようだ、という句です。
最近のお子さんは幼い頃からタブレット端末を自在に操るそうですね。
教育現場でも、生徒に端末を配布する小学校もあるとか。
「切り抜き」ではなく「コピペ」が主流であろう令和の時代、紙の新聞を切り抜く学生さんは少数派になってしまっているのでは?
昭和生まれの私は、この句にノスタルジーを感じます。
(2023年7月12日)
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