2023年10月の暦・行事(季節を味わう#00026)
「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)
2023年 10月(神無月)
8日(日) 寒露
二十四節気の一つ「寒露」。秋も深まり、草木に降りる露も冷たく感じられる、というのが名前の由来です。朝夕、涼しいというより肌寒さを感じるようになります。
9日(月) スポーツの日
元々は、1964年(昭和39年)に開催された東京オリンピックを記念して制定された「体育の日」で、日付は固定で、開会式が行われた10月10日でした。
2000年(平成12年)から移動祝日(10月の第二月曜日)になり、2020年(令和2年)から名称が変更になりました。
スポーツの日の趣旨は「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。」です。
10日(火) 目の愛護デー
はじまりは1931年(昭和6年)、中央盲人福祉協会の提唱によって失明予防の運動として「視力保存デー」と定められました。その後、1938年(昭和13年)に日本眼科医会の申し出によって、9月18日が「目の記念日」として改められます。
戦時中は中止されていましたが、1947年(昭和22年)中央盲人福祉協会が10月10日を「目の愛護デー」と定め、現在では厚生労働省が主催となって毎年目の健康に関わる活動が進められています。
24日(火) 霜降
二十四節気の一つ「霜降」は、文字通り「霜が降りるようになる頃」と言った意味合いです。山間部では紅葉が真っ盛り、色づく山の様子は「山装う」と表現されます。冬物の衣服を準備したり、暖房器具をチェックするなど冬支度を整える時期でもあります。
27日(金) 読書週間
11月9日まで続く読書週間の初日です。「読書の秋」と言いますが、なぜ四季の中で秋が読書の季節とされているのかというと、唐の文学者 韓愈が息子に送った詩がルーツと言われています。韓愈は息子に学問の大切さを説き、「秋になって涼しくなったら灯りに親しんで書物を開きなさい」と書いています。明治時代に夏目漱石が新聞連載の『三四郎』の中で「灯火親しむべし」を引用したことから、読書の秋のイメージが広まったと言われています。
31日(火) ハロウィン
この十数年で、ハロウィンは日本の年中行事として定着した感があります。元々は子どもたちにとってお菓子をもらえる行事というイメージだったのが、今では年に一度仮装で大騒ぎできるイベントと変化したように感じます。
元をたどると、10月31日は、今から2千年以上まえに栄えたヨーロッパの先住民族 ケルト人の暦での一年の終わりでした。そしてこの日に、ご先祖さまの霊が家に帰ってくると信じられていました。日本のお盆と大晦日がミックスした感じです。さらに収穫祭も兼ねていて、ケルトの人々はご馳走と感謝をご先祖に捧げました。ただ、ご先祖さまの霊がこの世に戻る時、一緒にやってくる悪霊や魔女への魔除けとして大きな篝火を焚いて供物を捧げたそうです。
厳かな習慣が変わったのは19世紀のアメリカで。子どもたちの楽しいイベントになったのでした。それが日本で仮装の日のようになったのは、USJのハロウィン・ナイトのヒットが影響しているのではないかと、私は思っています。
(2023年10月4日)
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