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5月の花・植物の俳句(季節を味わう#0059)

「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花・植物を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【すずらん】

すずらんは春から夏にかけて見ることができる植物。1つの茎から、名前の通り鈴のような形をした小さく可憐な白い花を、10個ほど付けます。
すずらんの花は他の多くの花と違って下向きに咲きます。控えめでナチュラルな姿が愛らしい上、すずらんは香りがとても良く、三大フローラルの1つといわれています。(あとの2つはバラとジャスミン)
ちなみに すずらんは漢字で「鈴蘭」と書きますが蘭の仲間ではありません。
フランスでは5月1日はすずらんの日。すずらんを贈る習慣があります。
1561年頃に当時のフランス王シャルル9世がすずらんの花束をもらったことが、きっかけだとか。SNSのおかげで世界に知られることとなり、今では日本の記念日でも5月1日を「すずらんの日」と制定しています。


すずらんのりりりりりりと風に在り   日野草城

この句は縦書きにした方が味わいが増す気がします。
縦にひらがなの「り」が6つ並ぶと、文字自体がすずらんの花を連想させる上、「り」という音の連なりが名前の通り「鈴」の音色を表しているようでもあります。
風の中咲いているすずらんから小さく鈴の音が聞こえてきそうだよ、という句でしょうか。
(2024年 5月22日)


「季節を味わう」は大阪府箕面市のラジオ局 みのおエフエムの毎週水曜日午前11:30と午後8:40から放送しています。
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