老舗のピンチに立ち上がった!老舗立て直し社長!①ミシン離れを解決するために3代目社長が考えた「大逆転戦略」とは!?②4代目社長と社長の母が考案!バケツの老舗を2度のピンチから救う!③紋付から洋服へ!伝統産業を守る4代目社長が黒染めでがっちり!?
今回のがっちりマンデー!!は…
「老舗 立て直し社長」!
世界有数の老舗大国・日本!
なんでも、創業100年以上の会社が
4万社以上もあるらしい!
しかし!
会社が長くもなれば、古くもなる。
伝統にあぐらをかいて、経営が傾く老舗もまた多い…。
そんな、老舗のピンチを救うのが「立て直し社長」!
追い詰められた老舗を、画期的なアイデアで見事にV字回復!
…ということは、儲かってる!
今回は、そんな「老舗立て直し社長」を大調査!
大正時代創業、
金属加工の老舗町工場の崖っぷちを…
4代目社長が考えた「鉄の筒」で会社を救う!?
昔は一家に一台だった「ミシン」が大ピンチ!
「スゴい勢いで右肩下がりに、売上げが下がっていってしまいまして」
3代目社長が考えた、起死回生のまさかのアイデア
大逆転戦略とは…!?
老舗立て直し社長!
目からウロコ、意外な儲かりのヒントが見つかります!
※以下、3月19日放送の書き起こしです。
ミシン離れを解決するために3代目社長が考えた大逆転戦略…子ども用&男性用ミシン ヒットの理由とは…?
老舗立て直し社長を探してやってきたのは、大阪府大阪市…
「アックスヤマザキ」という会社。
スタッフ:こんにちは、がっちりマンデーです。
山﨑社長:どうも、こんにちは。
「アックスヤマザキ」の山﨑社長。こちらの会社、どれくらい老舗なんですか?
山﨑社長:1946年、昭和21年創業で、祖父が創業して、自分が今3代目になります。今年で77年目ですね。
戦後すぐの創業ということは、かなりの老舗。そして、やっているビジネスというのが…
山﨑社長:家庭用のミシンを作っている会社です。
そう!こちら「アックスヤマザキ」は、家庭用のミシンを作る会社。
山﨑社長:家庭用ミシンは、昔は一家に一台、当たり前にあったんですけど、もうどんどん市場が縮小してしまって…。
ということは、「アックスヤマザキ」の売上げも…
山﨑社長:ピーク時、平成8年(1996年)に売上げを21億円まで一気に伸ばしたんですけども、そこからすごい勢いで右肩下がりに下がっていってしまいまして、一番悪い時で売上げは4億円くらいに…。もう大変です。
まさにどん底の2015年に、お父さんから会社を引き継いだ山﨑社長!今の売上げはどうなんですか?
山﨑社長:2020年には10億円、21年も10億円ですね。
スタッフ:随分、立て直しましたね。
山﨑社長:はい。
では、山﨑社長はどうやって会社を立て直したのでしょうか?
実は山﨑社長、色々な人に、なぜミシンを使わないかヒアリング。すると、理由が大きく2つあることに気づいたんです!
山﨑社長:今は使い捨ての時代。
そう!服にしたって、タオルや雑巾など安く買える時代。わざわざ、ミシンを使う必要がない!さらに!
山﨑社長:小学校でミシンを習って、そこで苦手になってしまった。
小学校でいきなりミシンを習って、難しくてあきらめたという人。これが意外と多かった!これは何とかしなきゃ!そこで山﨑社長が考えたのが…
山﨑社長:「大逆転戦略」というものを作りまして…
大逆転戦略??
資料をめくると…
子ども向けのミシン市場の文字。
えっ!なんで子ども?
山﨑社長:子どもさんには簡単に遊べるもの。
そう!大人が難しくてミシンを使わないんだったら、子どもが遊びで使えるような簡単なミシンにしてみよう!ということで…
山﨑社長:開発したのがコレなんです。
スタッフ:小さい!
山﨑社長:とにかく簡単。ミシンごっこでもいいんで、とにかく楽しんでいただけるように。
2015年発売、子どもでも簡単に使える「おもちゃのミシン」!
実際に使っている、ゆづきちゃんとなつきちゃんの様子を見せてもらうことに。
使うのは毛糸。セットして…
生地を載せて…
ボタンを押せば、使えるミシン。
縫ってます!縫ってます!
3歳の子どもも使えるくらい簡単。
普通のミシンは、上糸と下糸が布を上下することで縫われる仕組みなんですが、この「おもちゃのミシン」は…
5本の針で毛糸を何度も刺すことで…
布と毛糸の繊維を絡ませて、ひっつける仕組み。
おもちゃ屋さんを中心に大ヒット。なんと累計13万台の売上げに!さらに山﨑社長、あることに気づきました!
山﨑社長:子どもさんとお母さんが、一緒にミシンを使っていただく機会が結構ありまして、そのときによく見てると、お母さんが横で「すごい!私も作りたい」と喜んでくれるんですよ。
あれ!?実は大人も、簡単で楽しいミシンならいけるんじゃないか!
ということで、2020年にお母さん向けに発売したのが…
「子育てにちょうどいいミシン」
コーヒーメーカーを思わせるおしゃれな見た目。乾電池でも動くので、めちゃくちゃ手軽。
しかも、普通のミシンの半分くらいの大きさで、2.1キロとめちゃくちゃ軽い。そして!
山﨑社長:難しいとか面倒とか、そういう課題を解決して、今までと180度真逆のミシンを作ろうと思いまして。
実際に使っているという、お客さんの橋本宏美さんに聞いてみると…
橋本さん:糸を入れて、番号があるんでその通りに1番、2番って。
そう!難しい糸のセットは、番号に沿って…
セットすれば、いいだけ。
さらに、家庭用ミシンは多いものだと、100パターン以上の縫い目を作るため、ボタンがいっぱい。しかも、設定も複雑。
でも、「子育てにちょうどいいミシン」は…
5種類12パターンの縫い目を、つまみを回して変えられます。めんどくさい機能を減らして簡単に。お母さん世代の心をわしづかみし、発売から2年で累計10万台の大ヒットというからスゴい!
と、これまでシンプルで機能を絞ったミシンを作ってきた山﨑社長ですが、新たなミシンを開発したんです!それが…
こちらはパワフルなモーターを搭載し、分厚いものや硬いものがガンガン縫えちゃう!ということで、加藤さんがレザーのメガネケースづくりに挑戦!
4代目社長と社長の母が考案!金属のバケツが大変身で2度のピンチから老舗を救う!
続いての老舗立て直し社長がいるのは、兵庫県姫路市。
こちらの「渡辺金属工業」という会社。
渡辺社長:「渡辺金属工業」の渡辺と申します。
こちらが渡辺政雄社長、43歳。よろしくお願いします!
早速ですが、社長の会社はどれくらい老舗なんでしょうか?
渡辺社長:大正12年創業で、今年でちょうど100年目になります。
スタッフ:100年目!
渡辺社長:はい!
渡辺社長のひいおじいさんが創業、代々受け継いで現在4代目。一体、何をやってる会社なんですか?
渡辺社長:渡辺金属は、バケツを作っているんです。
スタッフ:あ!バケツ!
スタッフ:なんかちょっと懐かしい感じのバケツですね。
渡辺社長:水汲みバケツですね。
では、バケツは売れているんですか、渡辺社長!
渡辺社長:バケツはあんまり売れてないです。プラスチックのバケツにどんどんと需要が変わっていったので。
そう、金属のバケツは1個1個手作業で作るため、どうしても手間がかかり、値段も高くなる…
結果、大量生産でき、値段の安い海外製のプラスチックバケツに取って代わられてしまったんです。
「渡辺金属工業」の最盛期は、昭和40年頃。当時の物価で、年商が600万円あり、社員さんが10人いたそうなんですが…
渡辺社長:昭和54年、55年ごろには、売上げが半分以下の250万円くらい。社員も1人減り、2人減りってなって、翌年には廃業かなと。
まさに大ピンチ!さあここで、若社長が立て直す!と思いきや…このとき、会社を立て直したのは…
渡辺社長のお母さん、由利子さん。
ということはつまり、先代の社長の奥さんになるわけですが、由利子さん、一体 何を?
由利子さん:アメリカの映画見ていて、トタンのゴミ箱が目について。
そう、おしゃれなアメリカ映画を見ていたら、なぜかお部屋のインテリアに「うちのバケツ」のような大きな金属缶が並んでた。しかも、それが結構おしゃれ。
「そうだ!バケツを水くみじゃなくて、かわいい入れ物にすればいいんだ!」ということで考えたのが…
渡辺社長:これです!「オバケツ」です!
スタッフ:オバケツ?
こちらが「渡辺金属工業」を廃業から救った大ヒット商品「オバケツ」。
基本的な構造はバケツと一緒ですが、
フタがあったりステッカーが貼ってあったりと、なんだか一周回って、おしゃれアイテムに!
買った人は、ゴミ箱に使ったり…
植物を入れておく植木鉢に使ったり…
さらに、飲食店では…
クッション付きのフタをして椅子として使ったり、と大活躍!
渡辺社長:めちゃくちゃ売れました!「渡辺金属」の復活の兆しが見えました!
そう!「オバケツ」のスマッシュヒットのおかげで、悪い時は250万円だった売上げが600万円になり、4年後には1億円までぐんとアップ! ピークには、2億円超えの年も!
スタッフ:暮らしぶりは良くなった?
渡辺社長:海外旅行によく行ってました。
しかし…
渡辺社長:30年後にまた下がりました…。
実は、「オバケツ」のようなバケツが有名になってしまい、結果、海外から安い類似品がたくさん入って来るようになっちゃった。
渡辺社長:2010年頃には売上げが5000万円くらいでした。
このままではヤバい。今度こそ、渡辺社長が立ち上がります。まず、やったのは…
渡辺社長:まだまだ「オバケツ」っていうのは、知らない方がいるだろうと思って、展示会に出ました。
しかし、お客さんから言われたのは…
「このバケツ何に使えばいいかわからないよ!」…という厳しい言葉。
それまで、ゴミ箱はもちろん、お客さんが好きなように何にでも使ってもらってきた「オバケツ」。でもそれだと逆に、何に使っていいかわからない!なるほど、だったら使い方をこっちが提案し、しっかり機能をつけた商品にしよう!というわけで作ったのが、「オバケツ」とは真逆のこんな商品!
渡辺社長:ライスストッカーです!
スタッフ:ライスストッカー?ライス?
渡辺社長:米びつです。
スタッフ:米びつですか!
そう!「オバケツ」と同じ、トタンを使ったお米を保管する米びつ「ライスストッカー」。
実際に使っているというお客さんの水谷千里さんに聞いてみると…
水谷さん:これスゴいです。ここのフタに、防虫剤がつけられますし。
そう!実は、フタが二重になっていて…
中に防虫剤が入れられるんです!さらに、
水谷さん:ここにフタをかけられてスゴい便利で、お米を取り出しやすく、使い勝手がいいです。
さらに、形が丸いので、今までの四角い米びつのように「隅のお米がとりづらい」なんてこともなし!
そして、プラスチックの米びつはどうしても温度・湿度の影響を受けやすいんですが、金属だから密閉性があり、温度と湿度の影響を受けにくい!
と、まさにいいことづくめ!
というわけで、この「ライスストッカー」が爆発的にヒットし…
渡辺社長:去年は2億5000万円の売上げでした。
スタッフ:そうなんですか。嬉しいですか?
渡辺社長:嬉しいです!
「渡辺金属工業」は…色々なトタンバケツを作って…がっちり!
紋付から洋服へ!伝統産業を守る4代目社長が黒染めでがっちり!ってどういうこと!?
続いての老舗立て直し社長がいるのは、京都府京都市。
こちらの「京都紋付」という会社。
荒川社長:「京都紋付」の荒川でございます。
こちらの会社、どれくらい老舗なんですか?
荒川社長:1915年、大正4年創業。108年ですか。
荒川社長のおじいさんが作った会社を、代々受け継ぎ、現在4代目。そのお仕事は…
荒川社長:実はうち、コレなんです!
スタッフ:あ、これ!なるほど和服作ってるんですか?
荒川社長:和服を作ってるのではなくて、染めてる会社です。
スタッフ:あ、染める仕事もあるわけですもんね。
荒川社長:当然です。
そう、こちら「京都紋付」は、紋付などの着物を「染める」専門の会社。
こういう着物を染める仕事は、売上げの方はどうなんですか?
荒川社長:40年前がピークやったんですね。その当時で、だいたい年間12億円。今この紋付に対する売上げは、年間1000万円もいかないです。
そう、日本中の急速な着物離れにともない、染め事業の売上げも激減したらしい!そこで荒川社長、会社を立て直すべく、新たなビジネスを始めたんです。それが…
スタッフ:え、何ですかこれ?
荒川社長:黒染めした商品です。着物じゃないんです。実は、我々の今のビジネスのど真ん中は、こういう洋服を染めてるんです。
そう!着物の需要が減るならば、洋服を染めようという決断。
荒川社長:父親の時代から、たまに消費者から「洋服染めてよ!」という依頼があったんですね、年に1、2回。「これビジネスなるよ」と。
こうして2000年から洋服染めを開始。
着物を染める事業が年間1000万円もいかない中、洋服を染めて儲かっているんですか?
スタッフ:直近だとおいくらくらい?
荒川社長:1億6000万円くらいありました。
そう!荒川社長の元にはなぜか、色々な所から依頼がやってくる!そこにはスゴい技術が!
荒川社長:我々、黒を極めてるんで。
黒を極める!?
荒川社長:100年以上黒染め一本で、美しい黒に関しては絶対文句言わせません。世界最高水準と自負してます。
そう!ここ「京都紋付」は、創業から黒染め一筋。
着物を黒く染めるこの技術を洋服に生かすことで、社長曰く、世界最高水準の黒が出せるらしい。
なので、アパレル企業は「商品となる洋服を黒く染めて!」と注文。さらに、古着屋さんや一般のお客さんからは「汚れた服を染め直してほしい!」と依頼が殺到!
実際に、こちらの古着屋さんの安藤美智子さんに話を聞くと…
安藤さん:こちらで「京都紋付」さんの商品扱っております。
スタッフ:結構、置いてるんですね。
安藤さん:黒が好きな方多いので、汚れていたりシミがあったりする商品も新しく染めてもらって、新しい商品として販売してます。
古着はデザインはそのままに、どんな汚れも黒が消してくれる!新品同様に生まれ変わります!
でも、すごく黒いといわれても、黒にそんなに種類ありましたっけ?
よく分からないので…
普通の黒いTシャツと、「京都紋付」の黒いTシャツを比べてみると…
分かりますか?
右側は、光とかテカりとか関係なく、ただただ黒い!これこそが、世界最高水準!こうなると気になるのは、その染め方。
工房で見せていただくと…
黒の元となるのは、こちらの染料。
これを溶かしたお湯の中に洋服を入れ、待つこと3時間…
すると、真っ黒に生まれ変わり、これで完成かと思いきや、ここからが一番大事!
荒川社長:この黒を今度は「深黒加工」という独自の加工で、より美しく黒にするんですね。
一度黒く染めた後、さらにあるモノを服に染み込ませるんですが、詳しくは企業秘密。
荒川社長:洋服に薬品を染み込ませて、その薬品の作用が光を吸収する。
通常、モノは光を反射することで色が見えます。
赤、緑、青、全部の光を反射すれば、白。
全部を吸収すれば黒、になるんですが…
どうしても普通はちょっとだけ反射するから、本当の黒にはならない!
しかし、この「深黒加工」の特殊な薬品を染み込ませると…
今まで反射していたわずかな光をも吸い込んで、より黒が真っ黒に際立つ、ということなるんだそう!
実はこのメカニズム、昨年話題になった世界一黒いポルシェも同じ。光を吸収する塗料をぬって反射をなくし、黒く見せているんです。
世界最高水準の黒を、着物から洋服に生かして老舗立て直し!まだまだ儲かりそうですね!
「京都紋付」は…洋服の黒染めで…がっちり!
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