見出し画像

儲かる養殖ビジネス!①くら寿司の鯛やハマチを育てているのは…AI!?②プリップリで美味しい国産のエビが育つヒミツは…真っ黒な水槽!?③愛媛県の町役場では嫌われ者のマズいウニを…ある野菜を使って美味しく変身!?

今回のがっちりマンデー!!は…
「儲かる!養殖ビジネス」

いま日本は、養殖がアツい!
ここ数十年、漁業がずっと右肩下がりなのに、
世界的にみると養殖業はぐんぐん上がりっぱなし!

ふるさと納税の返礼品で人気の「大分のかぼすブリ」や、
淡水養殖で話題の「信州サーモン」など
全国各地が養殖で盛りあがる中…
ありました!
さらなる儲かりが期待できる新・養殖ビジネスが!

静岡発!謎の巨大建物の中で育てていたのは…
エビ!
年間 数百万尾!
三つ星レストランに売れる、一味違うエビの作り方って?

愛媛発!「くら寿司」のネタになるおいしい鯛!
ウマさの秘密は、いけすの真ん中にあるナゾの青い箱!?

ギョギョッとびっくり!
未来のさかな市場をがっちり占える「儲かる!養殖ビジネス」特集です!

※以下、6月16日放送の書き起こしです。

くら寿司の鯛やハマチを育てているのは…AIが動かす青い箱!?

「儲かる!養殖ビジネス」

がっちり!な養殖を求めてやってきたのは…

愛媛県宇和島市。港で待っていたのは…?

小山さん:「くら寿司」の小山と申します!よろしくお願いします!

えっ?くら寿司さん?

小山さん:くら寿司はスマート養殖に取り組んでいます。
スタッフ:スマート養殖?

そう!くら寿司さん、お寿司屋さんではありますが、自らお魚の養殖までやっているとのこと。しかも、「スマート養殖」なるものをやっているらしい…。

小山さん:くら寿司は、養殖でがっちり!です!

そして、もう一人案内してくれるのは、生産者の中田力夫社長!

では、「スマート養殖」とはいかなるものなのか?

小山さん:あそこです!あの青い箱が並んでいるのが、いけすです。

海に浮かぶいけすを覗くと…

そこにはお魚がわんさか!どれも赤い!これは…?

スタッフ:何だ、これ!鯛ですか!
中田社長:そうです。

スタッフ:うわー、すごい!立派な鯛だ!
小山さん:真鯛の養殖を行っています。

こちらで養殖している真鯛は、年9万匹!

そのすべてが、くら寿司のお寿司のネタになってるんです。

あっ!中田社長もレーンに流れてます!

でも、鯛の養殖は割と聞いたことあるような…どのへんが「スマート」な養殖なんです?

小山さん:スマートというのは、AI技術を活用して効率よく。
スタッフ:そういうスマートなんですか?鯛がスマートとかじゃなく。
小山さん:養殖にAIを活用することで、作業効率をスマートにできる。

スタッフ:どこにAIが?

小山さん:こちらのエサやり機にAIの技術が搭載されています。「ウミトロンセル」です。
中田社長:これがAIで!自動で!

「スマート養殖」の心臓部ともいえるのが…

この、いけすのど真ん中に鎮座している青い箱。なんでもAIが自動でエサをやるという、スマート給餌機「ウミトロンセル」!

中田社長によると、これまでの養殖はエサやりがとにかく大変だったそうで…。

中田社長:作業の7割はエサやりなので、6人がかりで6時間くらいやってました。毎日どんなに天候が悪くても、雪の日でも、しけの日でもエサやりに来てたんです。
スタッフ:どう違うんですか?
中田社長:1週間で2回エサを入れに来れば、あとは自動でやってくれるからすごく便利!

この箱にエサを入れておけば、時間になると…

下についてる投入口から、自動でエサを撒いてくれる仕組み。これなら養殖場まで来る必要もない!
でも社長、ワンちゃんネコちゃんにも自動給餌機ってありますよね。別にAIを使うほどではないのではないですか?

中田社長:普通はエサやりが上手になるのに10年くらいかかるのに、エサやりしたことない人でも、エサさえ入れたらできる。

そう!養殖はエサやりが非常に難しい!
エサをやり過ぎると生簀の中が汚れて魚が不健康になるし、少なすぎると、今度は魚が大きく育たない!おいしいお魚を大きく育てるには、量の微妙なバランスをギリギリにとるしかない。

それには、お魚のエサへの食いつきを見ながら量を調節するなど、ベテランの技が欠かせなかったのです。ところが、「ウミトロンセル」なら…

マシンの底についてるカメラで…

魚の様子を撮影、AIが分析。

魚の数が少ないなと思ったらエサの量を少なくしたり、食いつきの勢いが凄ければ量を増やしたりと、自動調節してくれる!

時にはエサやりをストップして時間をおいてからエサをやり、その様子を観察する…なんて、ベテランの中田社長も舌を巻くエサやり技術を身につけ始めました!

中田社長:データ蓄積して賢くなってますよ。そのうちベテランさんも抜かれますね。

しかも漁師さんは、スマホ一つでどこからでも魚の様子を確認できるし、いざとなったら手動での操作も可能というからスゴい!

中田社長:東京からでも海外からでもエサやりができる。こいつのおかげで。

社長も絶賛のスマート給餌機「ウミトロンセル」ですが…

中田社長:賢い人が作ってるんで。ここの社長は、JAXAにいた社長さんらしいので。

なんとこの「ウミトロンセル」、なぜかJAXA出身の方が人工衛星の技術を使って作ったんだとか!というわけで、「ウミトロンセル」を作った…

藤原謙さんを直撃!

エサやり機に人工衛星の技術とは、どういう事ですか?

藤原さん:海の上でスマート給餌機を動かすってのが、人工衛星と同じ考え方を使ってまして。

藤原さん:人工衛星を、宇宙に打ち上げると自分で太陽光から発電してバッテリーを貯めて観測したデータを地球におろす、という機械装置だと考えてみると…

藤原さん:海の上なんで電源もない。太陽光で電気を作ってバッテリーを貯めて通信をしてデータを送ってくれる機械装置、というところで、非常に人工衛星と似た考え方で作っているのが、関連性のあるところです。

そう!海の上も宇宙も、共通するのは自分で考えて何とかするしかない、ということ。普通は天候が荒れたり、何かトラブルがあってしまうと止まってしまう事が多い自律型の機械。でも、「ウミトロンセル」は膨大なデータ量を元にした優秀なAIを使っているので、発電だけでなく自分で電源をオンオフしたりと、お天気や魚の様子などの状況にあわせて、自分で判断して動いちゃう!だからエサのロスもなくせるし、任せっぱなしにできるから、働く時間も短縮できる。「これはいい!」ということで、現在、全国の養殖場で大活躍!

小山さん:コストを極力抑えながら、お客様に高いクオリティのものをリーズナブルな価格で召し上がって頂ける、ということです。

そして、中田社長にはこんな嬉しい事も…

中田社長:若い人も来てくれるし、息子も戻ってくる。今は息子は長崎にいるんだけど、革新的に楽にして行ったら「僕も戻る」って言ってくれたんです。「ウミトロンセル」のおかげ。

さらには大阪で働いていた娘さんまで戻ってきて、真鯛の出荷作業を手伝ってくれたりと、まさに願ったり叶ったり!

くら寿司さんでは、すでにハマチのスマート養殖をやっていて…

お寿司の3分の1は「スマート養殖」!さらに、育て方も変わるサーモンや、スマガツオのスマート養殖にも挑戦中!

「くら寿司」は…「スマート養殖」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:聞けば聞くほど、スゴいと思いましたね。
後藤達也(元・日経新聞記者)さん:漁業関係者も人手不足が深刻なので、これをAIで解決するっていうのは、今っぽいですよね。
加藤さん:データがもっと集まってきたら、もっと美味しくなっていくってことでしょ?
後藤達也さん:まさにAIはどんどん学習するので、よりよい対応をしてくれますね。
加藤さん:そういうことですよね。
進藤さん:くら寿司さんは、ネタにする前に熟成させているそうなんですがどうなんですか?
小山さん:真鯛はコリコリとした食感がスゴくいんですよね。それはそれでお刺身にすると美味しいんですけど、シャリとの相性を考えた時に、少し寝かせて、旨味を高めて提供したほうが美味しいです。
加藤さん:ちょっと、ねちょっとするんですか?
小山さん:しっとり感といいますか。

プリップリで美味しい国産のエビが育つのは…真っ黒な水槽と特製の波があるから!?

「儲かる!養殖ビジネス」

続いてやってきたのは、静岡県磐田市。

「海幸ゆきのや」という会社。

お出迎え頂いたのは、「海幸ゆきのや」の日納真吾社長。

スタッフ:養殖でがっちりと伺ったのですが?
日納社長:がっちり!養殖頑張ってます!

奥の方に大きな建物がありますが、まさかここで養殖を?というか、何の養殖を?

スタッフ:うわ!でっかい!これ全部そうですか?
日納社長:全部そうです。ちょうど今、収穫やってるんで。

水槽の中を地引き網のようにごそっとさらう!すると…

スタッフ:えっ!エビ?
日納社長:エビを作ってます。バナメイエビを養殖しています。

日納社長が養殖しているのは…

料理でよく使われる「バナメイエビ」!

その生産量は、年間数十トン以上!しかも、日納社長が育てた「バナメイエビ」は…

大きくて黒くて、新鮮でキレイ!そして、美味しい!と、大手レストランや食品会社から大評判なんです!

コンビニのおせちや…

「シェラトン都ホテル」!さらには…

スタッフ:えー!3つ星レストラン?
日納社長:はい。

都内の某三つ星レストランでも使われているんです!しかし気になるのは、何でそんなにすごいエビを養殖できるのか?ということ。

実はこの養殖場には、日納社長の様々なアイデアが詰まってるんです!まず、エビを育てる水ですが…

スタッフ:これポンプですか?
日納社長:これで海水を汲み上げています。

海からは1km近く離れていますが、深さ200mまで井戸を掘ると…

地層にしみこんだキレイな海水をくみあげられる、とのこと。水に細菌も繁殖していないので、エビが病気にもなりにくいんだそう!

こちらは、水槽に波を発生させる装置。社長いわく、この波がエビをさらに美味しくするんだとか!

日納社長:エビは波に逆らうように泳ぐ習性があるので、エビに運動させて、身がプリプリする効果を狙ってます。

確かに、波が出る場所にエビが集まってくる!この運動をしっかりさせることで、エビがプリップリになる!さらに、さらに…!

水槽の中が真っ暗なのにも、もちろん意味がある!

日納社長:エビの色は育った環境と同化するようになっているんで、我々は黒いエビを作りたいので、水底を黒くしてます。

スタッフ:黒いシートを敷いてるってことですか?
日納社長:そうです。わざと黒いシートを敷いてます。
スタッフ:なんで黒くするんですか?
日納社長:黒いエビは加熱すると赤くなるんです。エビは赤い方が美味しそうなので、赤くないと逆に売れないんです。

エビは、自分のいる環境と同じ色になる習性が。というわけで…

底が真っ黒の水槽で、真っ暗にした状態で育てれば…

真っ黒いエビのできあがり!黒ければ黒いほど…

茹で上がったら、キレイな赤いエビに!

日納社長:ブラックタイガーは黒くて調理すると赤くなるから、海外からわざわざ持ってきて日本人は好んで食べる。だからブラックタイガーに近い、黒い「バナメイエビ」を作ろうとしています。いろいろ考えてやらないと儲からない。

社長によると、水槽を稼働させれば年間80トンのエビの養殖が可能!今後はエビ以外の養殖も視野に入れているとか…

日納社長:カニとか…

今後も目が離せません!

「海幸ゆきのや」は…「バナメイエビ」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん: 我々食べてるエビはほとんど、養殖なのかもしれないね。
リリー(見取り図)さん:ちゃんと海水も使って波も起こしてたら、それもう天然に近い。天然と養殖の間みたいなことですよね。
加藤さん:本当だよね。
後藤達也さん:こういうノウハウの蓄積って本当に大切で、新しい人がイチからやるのってスゴく大変じゃないですか。例えば、この建物の作り方とか水の循環のさせ方とかを誰かにアイデアとして売るってこともあれば、養殖が広がっていく可能性はありますよね。
加藤さん:なるほど。
進藤さん:システムごと販売する、というのも将来的には考えていらっしゃるそうです。
加藤さん:フランチャイズ的なことを考えてるってことですね。

愛媛県の町役場では嫌われ者のマズいウニを…ある野菜を使って美味しくしている!?

「儲かる!養殖ビジネス」

こちら、愛媛県の最南端に位置する愛南町。

やってきたのは、その町役場。

お出迎え頂いたのは、水産課係長の清水陽介さん。

スタッフ:役場で養殖やってるんですか?
清水さん:実はやってるんですよ。がっちり!です!

実は清水さん、町役場の職員でありながら、この街ならではのがっちり!な養殖を考えたんです!

一体、どんな養殖なのか?

カゴを取り上げると、出てきたのは…

スタッフ:ウニですか?
清水さん:はい、ウニを養殖してます。

清水さんが養殖していたのは、ウニ!

1パック70gを2000円で販売!清水さんによると、通常のバフンウニが6000円くらいであることを考えたら相当格安!との事。肝心のお味の方はどうなのか?とれたてを食べさせていただくと…

スタッフ:スゴくさっぱりしてる!美味しい!
清水さん:クセが全然ないです。女性とか子どもがよく食べてくれます。

独特のえぐみがなくサッパリしてるので、地元の飲食店からもひっぱりだこで大好評!ところでこれ、何ていうウニなんですか?

清水さん:実はこのウニが「ガンガゼウニ」と言って、海藻とかを片っ端から食べてしまって磯焼けとかの原因になる、厄介者のウニなんです。

…聞いたことありますか?

この「ガンガゼウニ」…

ときおり大量発生して、昆布やワカメを食べつくし、サザエやサンゴにも被害を与えるということが、テレビやニュースで取り上げられることもある超嫌われ者のウニ!しかも、そのまま食べてみると…

スタッフ:苦い!ジャリジャリする。

そう!他のウニと違って、不味くて食べられない!

そこで6年前、町役場の水産課でウニの駆除を担当していた清水さんは、考えた!調べると、ウニは雑食で何でも食べる。しかも、食べたもので味が変わる。だったら、ウニが美味しくなるエサを考えてみよう!
にんじんや大根は食いつきも悪く、味も変わらない…。キャベツは食べるけどお金がかかる…試行錯誤の末に、見つけたのが…

清水さん:ブロッコリーの茎になります。

なんと!愛南町の名産ブロッコリーを食べさせてみたら、あのマズい「ガンガゼウニ」が、なんともえぐみのないサッパリした味に!

しかも、捨てられていた茎だからお金もかからない!

さらに「今度は香りもよくしよう!」という事で…

またまた愛南町名産の「河内晩柑」を食べさせると、より爽やかな風味がプラス!こうして商品化した「ガンガゼウニ」は、その名も…

「ウニッコリー」!

清水さん:新しい愛南町の特産品になる可能性があると思います。

現在、売上げはまだ年間500パックで100万円ほどではありますが、町の漁師さんもこのウニの養殖を始め、収入がない季節の副収入になると大喜び!しかも「ガンガゼウニ」、日本のあちこちの海にいる嫌われ者なので、ひょっとしたら今後も広がる可能性が大!

清水さん、もっともっと美味しくならないか挑戦中!

愛南町は…「ウニッコリー」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:面白いね。

進藤さん:食べ比べてみましょう!まずは、BEFOREから。
リリー(見取り図)さん:あー、美味しくないですね。嫌なウニの感じ。
盛山(見取り図)さん:これは嫌われるわ!
加藤さん:ウニの甘みは無いけど、えぐみだけある感じだね。

進藤さん:続いて、AFTERの「ウニッコリー」。
リリー(見取り図)さん:あー、全然違いますね!まず、舌ざわりが全然違います。
盛山(見取り図)さん:美味しい。あと、爽やか!
加藤さん:プリプリ感が全然違う!爽やかな甘みがあって、後味がいい。
進藤さん:甘味もある!
盛山(見取り図)さん:ウニ嫌いな人も食べられますよね。
加藤さん:これはよくやったよ!全国に「ガンガゼウニ」の被害が出てるって話ですけど、このノウハウ、お金とってもいんじゃないですか?
清水さん:難しい技術は使ってないので、真似してもらっても全然かまいません。
後藤達也さん:こうやって有効活用できるのは、スゴくいいことですよね。
加藤さん:くら寿司さんと提携みたいのは?
清水さん:いま考えてるのは、生産量が少ないのを逆手にとって「愛南町に来ないとウニッコリーは食べれませんよ!」ということで愛南町を活性化できればと思っております。
加藤さん:なるほどね。

(▼)『がっちりマンデー!!』『がっちりスクール!!』情報はコチラ
<各種公式SNS>
Twitter @gacchiri_m
Facebook @gacchiri 
LINE ID gacchiri_monday
LINE QRコード

#儲かる #がっちりマンデー #がっちりスクール #くら寿司 #スマート養殖 #愛媛県宇和島市 #静岡県磐田市 #海幸ゆきのや #バナメイエビ #愛媛県 #愛南町 #ガンガゼウニ #ウニッコリー #後藤達也 #見取り図 #盛山晋太郎 #リリー