見出し画像

モノづくりに欠かせない破壊業界に密着!①りんごの皮をむく?転倒させて破壊?ひたすら壊し方を考える会社の独自工法連発!②世界で大活躍!地雷除去機が日本ではアレを破壊!③2mのコンクリートも破壊する巨大バサミの製造工場に潜入!


今回のがっちりマンデー!!は…
「せまい業界シリーズ 第20弾!」

これまで「パイプ」や「ネジ」など
「せまくて」「マニアック」だけど、
実はすごく儲かっている業界を紹介してきたこの企画。
今回は…

「破壊業界」!

破壊というとヤバそうなイメージですが…
「新しい」ものを作るにはまず、「古い」ものを壊さなきゃ!
今より前に進むには、ジャマなものを壊さなきゃ!

ということで、何事もグイグイ伸びていくためには、
「破壊」は欠かせない!!

となると、これは儲かってるに違いない!

儲かりの象徴「巨大建造現場」!
その裏で…破壊しまくる会社が!

「売上げは235億円になります。儲かってます!」
莫大な金額が投じられる巨大プラント!
その裏で…誰も思いつかない壊し方を編み出すプロ集団がいた!

生まれ変わるには、壊さなきゃ!
「破壊業界」の儲かりのヒミツに迫ります!

※以下、6月11日放送の書き起こしです。

りんごの皮をむく?転倒させて破壊?ひたすら壊し方を考える会社の独自工法連発!

儲かる破壊業界!
まずやってきたのは、東京都江東区にある…

「ベステラ」という会社。

お迎えしてくれたのは広報担当の坂本匡司さん。

スタッフ:破壊して儲かってると聞いたんですけど。
坂本さん:そうですね。売上げは、大体年商54億円くらい。

一体、「ベステラ」は何を破壊している会社なのでしょうか?

坂本さん:解体工事会社なんですけども、普通の解体工事会社とは違うんです。

普通の解体工事会社とは違う?
ということで、詳しい話はこちらの方に伺うことに!

坂本さん:当社の会長、吉野でございます。
吉野会長:吉野でございます。

こちらが「ベステラ」の創業者・吉野佳秀会長。早速ですが、「ベステラ」が普通の解体業者と違うところ、教えてください!

吉野会長:壊すことを考える会社。早く、安く、安全に壊せるか。壊し方を考える。

そう「ベステラ」は、壊すのが難しい物の斬新な壊し方を考えるのが得意!

吉野会長:スカイツリーを見れば、どうやって壊そうかと考えるしね。作っている最中から思ってます。

では、そんな「ベステラ」の解体方法とは?

吉野会長:りんご皮むき工法です。

「りんご皮むき工法」!? なんですかそれ?すると、出てきたのは…

吉野会長:これが我が社の代表選手「りんご☆スター」でございます。

こちらが世界に一つしかないという「ベステラ」のオリジナルマシン。その名も「りんご☆スター」!

吉野会長:これで、あるモノを破壊するんです。

突然ですが、ここで「破壊クイズ」!!
「りんご皮むき工法」で破壊しているものは何でしょう?

正解は、こちら!

りんご☆スターが、破壊しているのは…

ん!?この形はもしや!?

吉野会長:丸い球形のガスタンクでございます。

そう、町の郊外などにある「球形のガスタンク」。というのも…

球形のガスタンクは、ガス管の整備が進むにつれ、地域ごとにガスを貯めておく必要がなくなり、解体が始まっているんです。でも、もともとの解体の仕方は…

吉野会長:大きなクレーンを置いて、難しい足場を上までかけなきゃいけない。作業員が切断をしてクレーンで吊るんですけど。

こんな風に1枚1枚、作業員が切って、クレーンで下ろすってなかなか大変そうなことをやっていました!では、「ベステラ」が考えた「りんご皮むき工法」とは…

吉野会長:上から連続してりんごの皮をむくように切っていくと、自分の重みでですね、どんどん地上に落ちて。

そう、先ほどの「りんご☆スター」が、球体のてっぺんから、ガスバーナーでタンクの板を切りながら、くるくる回っていきます。

すると、まるでりんごの皮がむかれるように、

ガスタンクの「皮」が、下に落ちていき…

結構、簡単に解体できちゃうというワケなんです!

そして、この「皮むき工法」と「りんご☆スター」の特許、両方とも「ベステラ」さんが持っているので、日本中のガスタンク解体は、「ベステラ」さんなしには進まない!

さらに会長によると、「ベステラ」さん、ガスタンク以外でも斬新な「破壊」の技をあみだしたという。それが…

吉野会長:転倒工法がございます。

ん!?「転倒」!?しかも…

吉野会長:がっちり!でしょうね!これから数千億のマーケットが拓いていくんじゃないかなと思っております。

なんともデカそうなビジネスですが、果たしてその破壊するモノとは?

吉野会長:風力発電の風車ですね。

そう、風車!その数、世界に30万機以上というから、破壊ビジネスもかなりビッグになりそう。しかし、そこにはネックがあるらしく…

吉野会長:間違いなく風の強いところにあるわけですから、非常に解体が難しいんです。

一般的な「風力発電の風車」の解体方法は、クレーンで上にあがり、羽根、発電機、鉄塔を強風の中で順番に下ろすというもの。でも、「ベステラ」の転倒工法は違う!

吉野会長:「ワイヤーソー」というのが…所々に付いています。そこには、ダイヤモンドがついてて、これが回転することによって、コンクリートでも、鉄でも切断していくと!

このダイヤモンドがついた「ワイヤーソー」で、風力発電の風車を解体するらしい。どうやるのかというと…

まず3つあった風車の羽根を、職人が切り取る所からスタート!

吉野会長:羽根をカットして本体だけにして。

風車がタワー本体だけになったところで…

土台部分に注目!?

何やら切れ目が!

吉野会長:下のコンクリートを「ワイヤーソー」で切断します。

先ほどの「ワイヤーソー」で、風車の土台をスパッと切断。すると、驚きの展開が!

高さ75mの風車の柱を、

そのまま倒すという大胆すぎる「破壊」!シンプルに見えますが、画期的だったのが…

吉野会長:鉄でできた本体を切るということは、極めて難しいことです。脆弱になります。ですけど、その下に大きな基礎があると気づいたんです。

吉野会長:この基礎をカットして転倒しやすくすると。この工法を考えたわけです。

金属製で中が空洞の風車本体の柱を普通に切ると、安定感がないのでいつ、どこに倒れるかが読めない!

ところが、風車の基礎である土台は…

コンクリ製で安定感があるだけでなく、締めてるボルトの本数をコントロールすることで、いつ、どこに倒すかがちゃんと計算できる!

吉野会長:スカイツリーであろうとエッフェル塔であろうと、必ずコンクリートの基礎を持っています。ですから、これが世界中の解体の基本になっていくんじゃないかなと。

これは期待できそうですね!

「ベステラ」はオリジナル破壊工法で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:基礎を削って倒していく。思い通りの場所に倒れていく。
森永さん: 2000年に大量の風力発電が建ったんです。耐用年数20年なんで。
加藤さん:風力発電って、20年しかもたないんだ。
森永さん:これから解体ラッシュが始まるんです。
加藤さん:なるほど。変えなきゃいけないんですね。

吉野会長:風車は、ひとつの方向から風を受けて回り続けるんですね。鳥がぶつかったりもしますし、軸があるんですが、どうしてもガタガタするんですね。ですので、キャパの問題もありますが、長いこと使うのはなかなか難しいんです。
加藤さん:そういうことか。真ん中の軸がずれたら、ガタガタになってもうダメになりますものね。
吉野会長:そうなんです。

世界で大活躍!地雷除去機が日本では◯◯を破壊!?繊細な工夫が詰まったカラクリを大公開!

儲かる!「破壊業界」
続いてやってきたのは、山梨県南アルプス市にある…

「日建」という会社。
お出迎え頂いたのは、社長の雨宮誠さん。売上げは、どれくらいなんですか?

雨宮社長:数十億円くらいです。

では、そんな「日建」は一体 何を破壊してるんですか?

雨宮社長:世界で活躍してるマシンがあります。

その大活躍マシンが…

雨宮社長:こちらです。

出てきたのは、白いショベルカー!?

雨宮社長:これが地雷除去機です。

そう「日建」の「破壊ビジネス」は地雷を破壊する、いわゆる「地雷除去マシン」を作ってるんです!

雨宮社長:超高級品です。

しかもこの地雷除去機は…

雨宮社長:世界11カ国140台が今、稼働しております。地雷除去機を世界で一番多く作ってるメーカです。

なんと「日建」は世界No.1の地雷除去機メーカーで、まさに世界中でこのマシンが活躍してるという。では、どうやって地雷を破壊するのでしょうか?

こちら、アフガニスタンの地雷除去現場。地雷が埋まってそうな場所を、手当たり次第掘り起こしています。すると…

地雷を破壊!これにて完了!とは、なかなかのパワープレイ!

でも、ちょっと荒っぽく見えるこの破壊の裏側には、色々細かな工夫がたくさん!例えば…

雨宮社長:刃は特殊素材で作られています。

地面を掘り起こす刃は、地雷除去でもおよそ1年もつオリジナル高級素材。さらに…

雨宮社長:なんで機械が壊れないかというと、ある程度の回転数で回ってるんで、爆風が外に逃げる仕組みになってるんですね。

そう!これは、ただ回ってるだけでなく、爆風の直撃を避けられるように計算された動きなんです!そして、地雷ならではのこんな苦労も…

雨宮社長:アフガニスタンは砂地、カンボジアは沼地かもしれない。地雷にもいろんな地雷があるんで、(例えば)コロンビアはトラップ地雷が非常に多いです。

雨宮社長:例えば、木に線を引いて…

雨宮社長:こういう機材が入ってきた時に爆発する。

なので、地雷が埋められている地域性やその種類によって、さまざまなタイプの地雷除去機を作っているんです。何よりスゴいのは…

雨宮社長:1995年からやってるんだけど1回の事故もない!1回の事故なくオペレーターたちが運転してくださってます。

まさに、破壊マシンのスペシャリスト「日建」さんですが、実は最近新たなビジネスも。

雨宮社長:今この地雷除去機は形を変えて、日本国内に販売されています。

突然ですが、ここで「破壊クイズ」!!
今「日建」さんが、この地雷除去機の技術を活かして日本で破壊しているものは何でしょう?

正解は、こちら!
「日建」さんのマシンが日本で破壊しているものが…

雨宮社長:破壊してるのは、こちらです!切り株です。

でも、なぜわざわざ切り株を破壊するマシンが必要なのでしょうか?
実は、切り株は…

雨宮社長:土とギリギリまでやるんで、チェーンソーだと刃がボロボロになってしまう。

雨宮社長:切りたくても切れない。なので、残ったままにしてあるっていうのが現状です。

そう、切り株は意外と切りづらい。そんな折、山梨県から「日建」に「切り株が邪魔で、大型の草刈機が山に入れない!なんとか壊せないの?」と依頼が来たんです!というわけで、森の厄介者を破壊するために、開発されたのが…

雨宮社長:これは「ブラッシュクラッシャー」です。

こちらが切り株破壊マシン、その名も「ブラッシュクラッシャー」!社長、地雷除去機と似てますけど、どこが違うんですか?

雨宮社長:この刃の部分がよく見ると違います。

確かに、形がなんか違う!?

雨宮社長:地雷は土の中にあるんですが、切り株は外に出てるんで刃を変えました。

ということで、通常 人の手でやると30分くらいかかるこちらの切り株を…破壊してもらいます!

開始からおよそ1分。

破壊完了!

あっという間に、切り株がなくなりました!

スタッフ:ツルツルじゃないですか!こんな風になっちゃうんですね!

雨宮社長:そうです。この粉々になったのもマルチング材として、草が生えてこないとかそういう役割を果たすスゴく有益なものになっています。

でも社長、そんなに邪魔だったら、切り株を引っこ抜くってやり方はないんですか?

雨宮社長:根を残せるというのが、大きな役割を持っています。

社長いわく、あえて根が地中に残る今のやり方のほうが、土をしっかり掴んでるので、土砂崩れなどを防げるんだそう。

雨宮社長:日本の国土の7割が森林です。戦後植えられた木がいよいよ伐採の時期に入ってきますから、これからもっと需要があると思います。

これはなんだか儲かりそうですね!

「日建」は切り株を破壊して…がっちり!

2mのコンクリートも破壊する巨大バサミがある!?業界トップのヒミツは…鋳型!?製造工場にも潜入!

続いてやってきたのは、埼玉県朝霞市。

お出迎え頂いたのは、「オカダアイヨン」の岡田祐司社長。

スタッフ:何で儲けてる会社なんですか?
岡田社長:建物を破壊するアタッチメントと呼ばれるものを作ってます。

建物を破壊するアタッチメント!?それはどれくらい売れてるんですか?

岡田社長:売上げは235億円です。
スタッフ:235億円!?
岡田社長:儲かってます。

では、そのバカ売れしてる「建物を破壊するアタッチメント」見せてください!

岡田社長:こちらが当社のヒット商品「TSWクラッシャー」です。

出てきたのは、何やら超巨大なハサミ!?

その全長は3.9メートルで、重さは約10トン!この巨大なハサミで、どうやって建物を破壊するのかというと…

そう、破壊する重機の「先っちょのヤツ」を、作ってる会社なんです!

実は年々壊すべきビルがでっかくなっていて、それに合わせて、破壊するハサミも大きくせざるをえなくなってるんです。と、なると…

スタッフ:じゃ、他の会社もどんどん巨大化してるんですか?
岡田社長:他の会社じゃ中々マネができないと思います。

というのも、重機につけるハサミを大きくすると、当然 重機の先が重くなり、操縦が難しくなる! かといって、軽い素材にしちゃうと、今度はハサミ自体が弱くなり、壊せなくなっちゃうんです。

このジレンマを克服できるメーカーがほとんどない中、「オカダアイヨン」はハサミが大きくて軽いのに、めちゃくちゃ強い!を実現したオンリーワンの会社なんです!

そのヒミツは…?

スタッフ:素材が特別なんですか?
岡田社長:素材だけでなく作り方も特別なんです。

ということで、やってきたのは群馬県高崎市にある…

巨大バサミの製造工場。(※オカダアイヨンの主力協力会社)
特別な作り方を、営業部の山口敦規さんに案内してもらうことに!

スタッフ:あれはなんですか?燃えてる…
山口さん:あちらが溶解炉というものでして、巨大なハサミの元となるものを作っております!

すると…

スタッフ:おぉ、スゴい!

様々な鉄屑や金属が、およそ1600度の溶解炉で溶かされ、巨大バサミに使う特製の鉄に!

そして…

並々と鉄が注がれた特製の鍋が吊り上げられ…熱々のまま、工場内を移動!?向かった先には…

何やら四角い箱が!?そして…

スタッフ:うわ!

箱の中に熱々の鉄が流し込まれていきますが…あれは一体!?

山口さん:鋳型という、型に溶けた鉄を流し込んでいます。

そう、「オカダアイヨン」の巨大バサミは鋳型で作ってるんです!

鋳型とは溶かした金属を流し込む型のことで、この型に金属を流し込み…

それを冷やして固め…

型から取り出せば…

金属製のパーツが完成するんです!

この方法だと…

山口さん:溶接箇所を非常に少なく完成させることができるので、強度と耐久性に非常に優れたハサミを作り上げることができます。

でも、これって普通ではないんですか?

山口さん:はい、異なります。重機につけるハサミやカッターは「切り板方式」と言って、溶接で付けられるのが一般的とされています。

重機につけるハサミは、切り板方式と呼ばれる、金属板を1枚ずつ溶接して形を作るのが一般的。

ところがこれだと、溶接部分に亀裂ができやすく、耐久性が期待できない。一方、鋳型だと溶接しなくても細かい造形が可能なので…

必要な部分は厚く、必要ない部分は薄くとハサミの強さを残したまま、軽い巨大バサミが作れるんです!

「オカダアイヨン」は、巨大な破壊バサミで…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:鋳型ってやっぱりスゴいね。

森永さん:元々、どうやって作ったかって言うと、クワガタのハサミを真似してるんです。バイオミメティクス(生物模倣)って言って、

森永さん:例えば、鳥のクチバシから新幹線の先頭部分を作ったり、

森永さん:虫の複眼から広い範囲を見せるカメラレンズを作ったように、

森永さん:クワガタの真ん中の尖ってるところで、

森永さん:がっちり挟めるんです。
加藤さん:クワガタって、あんなに小さいのにパワーありますもんね!

(▼)『がっちりマンデー!!』『がっちりスクール!!』情報はコチラ
<各種公式SNS>
Twitter @gacchiri_m
Facebook @gacchiri 
LINE ID gacchiri_monday
LINE QRコード

#儲かる #がっちりマンデー #がっちりスクール #ベステラ #りんご ☆スター #日建 #ブラッシュクラッシャー #オカダアイヨン #ユージ