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呪詛
戻りたくない場所がある
戻りたくない自分がいる
1人になりたいわけじゃない
誰かといたいわけじゃない
誰の指図も受けたくない
もうここらで打ち止めだ
こんな願いが叶うなら
どんなに楽なことだろう
何も望んでない
期待してない
あなたがどう思っていようともどうでもいい
わたしには関係ない
離したくない
自分のものではない
叶わない
心を持っていかれてはいけない
変な幻想をもってはいけない
夢や空想の話で 映画やドラマの話で
現実世界では起こりえないし
そもそも幻想をみせてるのはこっちもそうで
心にもないことを言ったり
気持ち悪いくらいの甘いセリフを吐き
向こうが言われたいと思ってる言葉を ご希望通りに並べ
気持ちを寄り添わせては自己満足し
まるで手の平で転がしているのは自分の方だと思い込んでいる
気づけばいつも一人で
誰からも選ばれることはなく
それは自分が選んでいないからだと思い込んでいる
恵まれていようとも
なにかしら境遇を嘆き
安らぎや愛に縁遠いことも
自分が高尚だからこそと思い込んでいる
逃げて
逃げて逃げて逃げて
ずいぶん遠くまできてしまった
振り返れば人が豆粒のように小さく見え
半透明な分厚い壁ができていた
向こう側に大きくぐるっと
こちら側に小さくぐるっと
二重の壁ができあがり 隔絶された世界ができあがりつつある
素直な気持ちを
シンプルな気持ちを 言葉にすれば
それだけのことなのに
ただそれだけのことなのに
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