見出し画像

大学院(MHA)進学の経緯

この記事は九州大学医療管理・経営学専攻22期 Advent Calendar 2022 21日目の記事です。

九州大学医学系学府医療経営・管理学専攻22期生のMassakoです。
職種は看護師・保健師(ペーパー)で、大学病院の一般病棟やNICU・GCU(新生児集中治療室・回復室)で約10年勤務し、途中青年海外協力隊を経て現在は大学院生生活を送っています。
大学時代から漠然と大学院に進学してみたいと思っていましたが、何について学ぶのか深めたいかはっきりせず年月が過ぎていた私が、どうやって進学先を決めたかについて振り返ってみようと思います。

進学を決めるまで

もともと国際協力に興味があった私は、NICUでの勤務が3年経過したタイミングで青年海外協力隊(現:JICA海外協力隊)に応募しました。派遣先はガボン共和国のシュバイツァー病院となり、母子保健センターや産科、小児科などで2年間活動をする機会がありました。

シュバイツァー病院とは、密林の聖者と言われるアルベール・シュバイツァー博士が設立した私立の総合病院です。かつては無償診療が行われていたそうですが、現在は患者の一部自己負担と国の保険制度によって報酬を得ています。

制度、文化、倫理観、教育水準などが異なるため、もちろん医療サービスの在り方が大きく日本と違い、驚かされることばかりでしたが(だんだん慣れてくる)、私の一番の懸念事項は病院の経営状態の悪さでした。スタッフへの給料の支払いが滞ることが仕事へのモチベーションや生活に直結し、患者さんへの医療の質をより一層低下させていました。院内でも支払いが滞るスタッフとそうではないスタッフがおり、前者はより学歴や役職の低い人間だったりすることにも不平等感を感じていました。何かできることはないだろうかと考えを巡らせたものの、病院経営のことなど全く知らないどころか日本の医療さえどのように成り立っているのか説明できないなと思いたどり着いたのが、医療経営・管理学専攻のHPでした。日本の病院を休職して協力隊に参加していたので、いつか進学したいなという淡い期待のまま帰国しましたが、以上が第一のきっかけです。

帰国は新型コロナが流行し始めたばかりの時で、NICUに復職しました。2年のブランクを埋めるのにいろいろ教えてくれて協力してくれる同僚に感謝しつつ、細やかで丁寧な新生児へのケアを提供できること、物は揃っていて清潔なこと、何より1言えば10伝わる同僚が居て給料が疑うことなく毎月貰えることなど、ガボンとの環境の違いを改めて実感し、日本で働く幸せを噛み締めていました。しかしコロナ禍での医療現場ではその幸せも長くは噛み締められず、臨床は現場のスタッフの情熱と使命感というなんとも危ういものに支えられているのではと疑問を持つようになり、医療が安全性を保持し今後も続いていくにはどのような要素が必要なのか知りたいと思ったのが第二のきっかけです。

進路は、専攻で言うと公衆衛生学や看護学、保健学、場所は海外か日本か、など選択肢は多く迷いましたが、幅広い公衆衛生学に加えて経営学のことを学べることに魅力を感じ、進学することに決めました。

進学を決めてから

願書を何度も見直しして書き直しをしたり、過去問で入試対策をしていましたが、一番しんどかったのは8月末に受けた前期試験の結果が10月末にしか分からないことです。試験の手応えも無かったので、受かっていないだろうけど、受かってたらいいな…というなんとも息苦しい気持ちでした。受かっていたのでかなりびっくりしました。

私の職場は関西だったこと、病棟でフルで働いて夜勤もしながら大学院に通うことはキャパオーバーだと思ったので、勤めていた病院を退職をしました。新卒で働いていた職場を退職することは少し不安で辞めたくない気持ちも多くありましたが、今は決心して良かったと思っています。

入学してから

同期は医療従事者が多いですが、経験も年齢もバックグラウンドが様々で日々助けてもらっています。なにより、働きながら子育てをして授業や課題、研究をこなすスーパーヒューマンたちの集まりで本当に尊敬しています。個性豊かな先生方の授業は知らないこと、ためになることばかりで、今まで私が経験してきたことはほんの一部、一側面のただの点だったことを実感しています。

ほとんどの授業を受講していますが、12月は集中講義が多く対面で直接同期のみんなに会えるのが楽しい一方で、課題も多く自分の首を絞めています。無職は時間があるからこそ効率化が図れず時間を浪費してしまうのだなということがこの1年の気付きです。余談にはなりますが、時間があるだろうと春からアラビア語を習っているのですが、優先順位が低すぎてまだ文字すらまともに読めるようにもなっていません。

これから

入学してすでに9ヶ月が経過しました。この2年間を終えることで、基本的な知識と論理的な思考を身につけ、医療に関して広い視野を持ち、データベースの研究ができるようになって、ゆくゆくはなんらかの形で途上国に貢献できたらいいなと思っています。同期のみなさんには助けてもらっているばかりですが、いつか恩返しができる人間になれるよう頑張ります。
アラビア語もがんばります!笑

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?