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ポルトガルの税金について


一般的な税金の種類

ポルトガルでは日本と同じような課税体系になっているので、それをこれから紹介していこうと思います。
Non-Habitual Resident (NHR)のシステムを使うことでポルトガルで課税を免れることができますが、日本または所得の発生する国で税金を支払うことは必ず必要になります。
NHRを適用すれば、どの国でも税金を支払わなくてもいいといったニュアンスで話を聞くこともありますが、それは間違っていますので、ご注意ください。

所得税

Imposto sobre o Rendimento de Pessoas Singulares (IRS)
個人に対する様々な所得に課される税金で、個人的・家族関連の出費に関する控除が考慮されます。

Imposto sobre o Rendimento de Pessoas Coletivas (IRC)
法人(企業、会社など)の利益に対する税金で、配当所得に対する二重課税に対する考慮がなされることもあります。

消費税

商品やサービスの販売価格に上乗せされる税金。一般的に、消費者が最終的に支払う価格に含まれており、具体的には、以下の税金があります。

Imposto sobre o Valor Acrescentado (IVA):消費税
商品やサービスの販売価格に上乗せされる税金。
消費者が商品やサービスを購入する際に、販売価格に含まれて支払われます。販売者やサービス提供者は、消費税の額を回収し、その後税務当局に納付します。

Imposto Único de Circulação (IUC):自動車税
ポルトガルでナンバープレートを登録された自動車を所有している人に対して課せられる税金。一年に一度支払う必要がある。

Imposto do Selo (IS):印紙税
契約書などの書類に貼る印紙に対して課せられる税金。

Imposto sobre Veículos (ISV):自動車取得税
新しい自動車を購入し、ナンバープレートを取得する際に課せられる税金。

Impostos Especiais de Consumo:特別消費税
特定の品物(タバコ、アルコール、ガソリンなど)の消費に対して課せられる税金。

1)Imposto sobre o tabaco (IT):たばこ税
2)Imposto sobre o álcool, as bebidas alcoólicas e as bebidas adicionadas de açúcar ou outros edulcorantes (IABA):酒税
3)Imposto sobre os produtos petrolíferos e energéticos (ISP):石油燃料税(ガソリンなど)

財産税

Imposto do Selo (IS):登録免許税
不動産など財産の無償譲渡に対して課される税金。

Imposto Municipal sobre as Transmissões Onerosas de Imóveis (IMT):不動産取得税
不動産を購入する際に課せられる税金で、その収益は地方自治体に帰属。

※このIMTに関しては、ポルトガルが若者に家を買いやすくする為に、35歳以下であれば、支払いが免除される制度を開始しています。
興味があれば、このリンクを参照してください。

Imposto Municipal sobre os Imóveis (IMI):固定資産税
土地や建物などの固定資産に対して毎年課せられる税金で、その収益は地方自治体に帰属。

税金の支払い

基本的にポルトガルの税金関連は、Portal das Finançasで確認が可能となります。
自分が払うべき税金を確認し、期限までに役所に払いに行くか、オンラインで支払うなどの対応が必要となります。

このPortal das Finançasは在留カードが届く前でもNIF(税務番号)させ持っていれば、アカウントを作成することができます。
しかし、アカウントに必要なログインIDやパスワードは自宅に郵送される仕組みになってるので、受け取れる住所で生活を始めることが大切です。
一時滞在先などで住所登録してしまうと、後々NIFの住所変更と絡めて住所変更の手続きが必要となってくるので、可能な限り長い期間住む住所で申請することをおすすめします。
この住所変更を忘れると、昔の住所に大切な手紙が送られ続けるので、支払い忘れなどにつながってしまいます。

支払いの滞納は差し押さえなどの強制的な徴税に繋がります。
支払い期限の遵守はとても大切で、対応の記録が残るとポルトガル滞在の許可も下りなくなる可能性もあります。

Non-Habitual Resident (NHR)とは

ポルトガルでは、特定の条件を満たす外国人の方に対して、10年間、税金が優遇される制度があります。 この制度を利用すると、ポルトガルで得た収入に対する税金が減ったり、外国で得た収入に対する税金が免除されたりするメリットがあります。

同制度は、国籍に関わらず(EU/EEA以外の国の市民も含む)、ポルトガルで税務上の居住者として認定され、居住を開始する前年の過去5年間にポルトガルで税務上の居住者として課税されていなかった場合、最大10年間にわたって適用を受けることができます。

また、申請年度に税務上の居住者となる条件を満たす必要があります。最も簡単な方法は、ポルトガルに183日以上滞在することです。
さらに、以下の条件を満たす場合、自営業所得、不動産所得(賃料)、資本所得(利子や配当)、不動産の譲渡益を含むほとんどの種類の非ポルトガル源泉所得は、NHRの対象になります。

・所得が、ポルトガルとその国との間で締結された二重課税防止協定(DTA)の規定に基づいて源泉国で課税される権利がある場合
・所得が他国で課税され、ポルトガルで得られたものと見なされない場合
など。。。。

まとめ

基本的にポルトガルに居住する上では、上記の税金の支払い義務は発生しますが、うまくNHRを活用することで非居住者として税金の支払い免除の恩恵を受けることができる可能性はあります。

しかしながら、ポルトガル政府の予算があってこそ成り立っている制度なので、NHRもいつ廃止されるか分かりません。
最近では、非居住者であっても保険料(Segurança Social)は支払わせるべきであるといった議論も出ているようです。日本の場合は、観光客を除けば年金、国民保険料は必須で支払っているので、ポルトガルもそのように方向転換を進めるのかもしれません、、、(個人的な見解ですが。)

いずれにせよ、税金の種類などを知っておくことでどんな時に税金を支払うことになるのかを把握できるので、一度サラッと目をっとしておくことをオススメします。


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