歌詞で見るオタクソングと今年の話

https://adventar.org/calendars/5607

※本記事は「https://adventar.org/calendars/5607」のために寄稿したものです。


 こんばんは、Gです。
 この度参加させていただいている「DJ&VJ Advent Calendar 2020」、とても面白いなぁと感じましてこういった形で筆を執らせていただいた次第です。
 お時間あれば最後まで読んでいっていただければ幸いでございます。
※本記事はすべて個人の意見であり、同調や共感を強制するものではありません。


 まず今年ですがDJVJに限らずいろいろな職業や趣味で大きく影響のあった年だといえるのではないでしょうか。なんといっても新型コロナウイルスに端を発する生活様式の変化や環境の変化、それらの功罪は計り知れません。自分の身の回りだけでも多くの変化がありましたが一概にそれらは悪ではない気がしています。
 例えばリモートワークの普及など、「技術的には今までも可能だったが誰もやっていないので自分もやりたくないもの」の代表じゃないですかね。あとは学校の秋入学なんてのも動いてるみたいですね。あとは何といってもオンラインイベントの増加じゃないでしょうか、もはや今年はオンラインイベント元年といっても過言ではないレベルまでイベント数も爆発してますよね。

って感じで今年の振り返りはまた後半でします。
脳みそ使ってきれいな文章書くのは疲れるので。ここからは脊髄反射で出てきた言葉を書きます。

 はじまりました。歌詞で見るオタクソングの時間です。
 名前の通りに僕が勝手に歌詞解釈してエモくなって爆発した曲をつらつら書いていくわけです。「斜に構えんな」とか「お前に何がわかんの?」とかいらないです。個人解釈なので。あとネタバレの要素も含みますのでその辺は注意してください。じゃあやってきますね。


1.きみのとなりで/鬼頭明里

 皆さんご存じTVアニメ「安達としまむら」EDテーマです。
 歌っているのはTVアニメ「鬼滅の刃」竈門禰󠄀豆子役やTVアニメ「まちカドまぞく」千代田桃役、そしてTVアニメ「安達としまむら」にて安達役を演じている鬼頭明里さんです。
 そして作詞はTVアニメ「ハイスクールD×D」EDテーマ「STUDY×STUDY」やOVA「バカとテストと召喚獣 〜祭〜 」OPテーマ「恋愛向上committee」を手掛けるこだまさおりさんです。

 一言でいえばアップテンポで疾走感のあるメロディがあってそこにエモーショナルなストリングス、そして作品にビタビタに寄り添った歌詞=EMOTIONAL WORLDって感じです。ではエモい部分を紹介していきます。

沈黙が横たわる真昼に 
主張するふたつの鼓動
いつだってわたしのほうが駆け足で
散らかった思考が陽に透けてキラめいた

 ありがとうございました。
 特に良いのは駆け足のとこですね。これは比喩的な意味で、常にしまむらに対して飛躍的なことを望んでしまっている安達です。しかも「いつだって」なんです。いつだってしまむらに多くを望んでしまう自分にしまむらが応えることはないんです。つら。
 下心や本心もひっくるめたそんな思考が透けている、つまりわかってるんですよね、自分でも。

気ヅイテイマスカ 近くて遠い
ふたり 名前はまだいらない

 近くて遠い今の距離感に名前はいらない、名前を付けてしまうと「何か」が変わってしまいそうだから。みたいな感じなんですかね、Aメロでは志向が飛躍している自分を歌っていますがBメロでは一転、変化を恐れて前に進めない自分ってわけです。はい。

だって待ってる 駆け足で待ってる
だから今日も待ってる …追いついてよ

 「駆け足で」過ぎ去っていく安達は今日もしまむらが「駆け足で」追いついてくれるのを待ってるんですね。走るのをやめて待っていれば必ずいつか追いついてもらえる、でも安達が追いついてほしいのは今自分がいるところでも今しまむらがいるところでもなくもっと先なんですね。だから自分は走り続ける。安達の頭の中ではどこで追いつかれたいんでしょうかね。

ふたり 昨日とは違ってる
引き返しても同じになんて 戻れないなら
イトシイとか… 言っても、いいかな

 毎日変わり続けている自分と自分たち、どうせ過去に戻ってやり直しなんてできないんだから・・・めちゃくちゃアニメ本編みたいな歌詞です。実際そういうシーンがありましたし。「好き」じゃないんです「イトシイ」なんです。好きなんて絶対に言えない、でもこの気持ちを伝えるには・・・って試行錯誤した結果出た言葉がカタコトの「愛しい」だったんですね。原作見てない身ながら、実に安達らしいなぁと思いました。

一日ずつ重ねて 落ち込んだりしたって
またすぐに重ねて
ああ期待、したりしてる
一日ごとふくらむ 確信してるよ
名前をつけてもいいでしょ?

 期待しては落ち込んだのに、ああまた期待してる。毎日それの繰り返し。もうわかってるんですよね、自分でも。
 最後の一文、マジでノーベルEMOTIONAL賞8年連続受賞くらいのパワーありません?思い出してください。一番のBメロ、「名前はまだいらない」って・・・≪≪≪BIG EMOTIONAL≫≫≫
 そういうことです。さすがにひっくり返った。

だって待ってる 駆け足で待ってる
だから今日も待ってる キミのとなりで

 最後の歌詞です。一番と同じようにやっぱり待ってるんです。走りながら待ってるんです。でも「キミのとなりで」待ってるんです。距離はこんなにも近いのに心の距離はこんなにも遠い、だけど私はその場で待ったりなんてしない。この気持ちが何て呼ぶのかはわからないけど、いつか追いついてね。そんな曲でした。ありがとうございました。


2.乙女どもよ。/CHiCO with HoneyWorks

 2曲目はTVアニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」OPテーマの「乙女どもよ。」です。歌っているのはCHiCOさん、HoneyWorksさんとのコラボユニットで歌ってらっしゃる方です。コラボユニットであるCHiCO with HoneyWorksとしてはTVアニメ「アオハライド」OPテーマ「世界は恋に落ちている」やTVアニメ「恋は雨上がりのように」OPテーマ「ノスタルジックレインフォール」など多くの名曲を送り出しています。

 正直に言います。女性の感情を歌った曲なので男性である僕では拾いきれないところはありますがなにとぞご容赦ください。
 アニメは「女子高生」と「性」という一見縁遠い組み合わせを見事に作品にしており、一人一人の性に対する認識や感情の変化が如実に描かれています。さすが岡田麿里さん、といった感じの作品でした。この作品にHoneyWorksさんの楽曲を起用するのは本当にこれ以上ない組み合わせって感じで、制作陣に一人一人油田をプレゼントしたいくらいです。では本題に入ってきますね。

愛から生まれた一冊の本には
まだ書かれていない“恋”という一文字

 ここに関してはこの曲においての「本」の定義づけですね。この曲においては「本」がその人であり、生きた証が記されるようなものになってます。
 そもそも夫婦の愛から生まれた子供を「愛から生まれた一冊の本」って比喩する時点でセンスぶっ飛んでると思うんですけど。

退屈な 15 ページだった
次をめくると息が詰まり溺れた
文字にできないこの感情に

 おそらくですが16歳の女の子に焦点当てて作ってるんでしょうね。今まで生きてきた15ページ、15年は割と退屈なものだったと。しかし16ページ目を開けた途端に息が詰まり、感情の渦に溺れてしまった。こんなにあふれ出てくるのになぜかこの感情を自分の「本」に書き下すことができない。まぁいままで経験したことない感情に襲われたんですね。それが冒頭ででてきた「恋」という一文字だと思うんですけど。

キズついても 読むことをやめない
キレイじゃいられない
君を知るページ
荒ぶれ乙女たち 抗え乙女たち
痛みを知ってゆけ
栞はいらない

 16ページ目を読むことで自分の何かが変わる、傷つくかもしれない、キレイでもいられないかもしれない。そんな漠然とした恐怖があるけれども目の前にいる「君」を知るにはそれを受け入れなくてはならない。そんな中で葛藤する人を応援する歌詞になってます。
 本における「栞」は一時停止、滞留、休憩、そんな意味を成します。つまりは16ページ目を読みためらう必要はない、と背中を押してますね。

それでもきっと誰かを愛して
次のページをめくるのだろう
決して悪ではない 変化を恐れない
過去に笑われても中指立てろ

 ページをめくるのはつらいこともあるけれど、それでもいつかはだれかを愛してページをめくる日が来る。変わることは悪いことではない、過去の自分に「傷もの」「不潔」だと言われてもそんなものには中指を立てろ。
 とにかくこの曲は同じ悩みを抱えた人への応援って感じです。過去を気にするな、ではなく中指を立てろって言ってるところがまたとても良いですね。

読み進めればまた違う痛み
慣れないけれど楽しめそう

 ここ、No.1 EMOTIONAL ZONEです。テストに出ます。
 読めば読むほど違った痛みを受け入れなければいけない。最初は感情に飲まれ、打ちのめされ、怖くて知りたくなかった。だが今は違う、先を読み進め、新たな「痛み」が現れてもそれすらも楽しむことができそう。
 あのさぁ・・・1曲目もそうなんだけど一曲の中で成長するのやめてくんねぇかな?感情が追いつかねぇんだわ。
 ってことでそんな曲でした。アニメを見る前と見た後だと曲の見方全然変わるんでぜひアニメも見てみてくださいね。


3.さよなら観覧車/麻倉もも

 はいきました声優ノンタイです。TVアニメ「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」環いろは役やTVアニメ「Charlotte 」乙坂歩未役で活躍されている麻倉ももさんの5thシングル「365×LOVE」カップリング曲です。
 動画は公式のものがなかったので表題曲のほうのPVです。こっちもう最高なんでよろしくお願いします。
 作詞は宮嶋淳子さんで、和氣あず未さんの「シトラス」や内田彩さんの「Under Control」で作詞をされています。

 この曲、失恋した主人公のクソデカ未練を歌っています。「なぁんだただの失恋ソングか」と思うんですけど、一味違うんですわこれが。主人公の感情とリンクする観覧車や優しい言葉ながら狂おしいほど相手を思う気持ちがうまく表現されているところが見所、いや聴き所しかないです。

君はもういないこと
まるで嘘みたいだね
側にいる気がしてる
それが嘘なのに

 失恋ソングの定番文句ですね。君はいないけどいるような気はしてるみたいなやつ。前提としては失恋した女性が彼氏と乗ったことのある観覧車に一人で乗ってるんですかね。

陽だまりで立ちどまった気持ち
好きになってよかったとか
まだ 言えない

 陽だまりで立ち止まった自分、要するに失恋したという「影」の部分をいまだに受け入れられない、好きになってよかったなんて台詞を言ってしまったらすべてが「過去」になってしまいそうで。怖くて言えない。そんな感情がこもってますよね。僕は聴いてるときこのへんから転がりだします。

青くて広い空を横切り
思い出の中 連れて行く観覧車
ゆっくりと回り
君が笑う世界へはこぶ

 ついに観覧車出てきました。おそらく一人で乗ってるんでしょうね。ゆっくりと、でも確実に昇っていく観覧車。それに合わせるように浮かび上がる過去の「君」の姿。
 ここからだんだん重くなってくるんですよね。最高。神。

君にもらったものは
欲しかったものと違う
柔らかな過去よりも
未来をください

 観覧車は昇り、「今」の私に柔らかな「過去」を見せてくれた。だけど欲しかったものはそんなものじゃなかったんですね。過去に何があろうと私は「未来」が欲しかった、手元には「柔らかな過去」しかなく「君」さえもいない。想像で幸せになりかけたけど急に現実に引き戻されましたね。EMOTIONAL!!!!!!

君の目に映る明日から
わたしだけがこぼれ落ちて
なぜ 消えたの

  はいノーベルバケモン隠喩賞です。おめでとうございます。
 君の目に映った明日から涙みたいに私だけがこぼれたって歌詞、どんな人生経験したら思いつくんですか?この曲、終始主人公の「なぜ?」が含まれてるんですよね。「なんで私じゃないの?」って気持ちをクソデカオペアンプで増幅しまくった感じなんですよね。

会えない時もずっと笑ってたから
泣き虫だって
きっと知らないままでしょう

 今はこんなに泣き虫なのは「君」がいないから「君」が私を見てくれているなら会うことができなくても泣かなかった。いつだって「君」がいたから泣かずにいられた。
 いやぁすごいねこれ。強がりなのか何なのか。この辺で僕は沸点超えて液体から気体になり始めます。

青くて広い空を横切り
淡い時から 遠ざかる観覧車
ゆっくりと回り
君がいない世界へもどる
すべてのことに意味があるなら
今すぐ誰か 教えてくれませんか
この涙は
どこへつながっているの

 ラスサビです。観覧車注目してください。
 昇るときと同じように空を横切って下りてゆく観覧車、それはまるで「柔らかな過去」と私を引きはがし、「君」がいない世界に私を連れていくみたい。人はよく「すべてのことには意味がある」なんて言うけれど、それなら今私の頬を流れる涙は何の意味を成し、何につながるの。

≪≪≪≪≪LARGE BIG EMOTIONAL TIME≫≫≫≫≫

 最高にキマりますね。これだから麻倉ももerはやめられん。最初に観覧車に注目って言ったんですけど、観覧車って必ず上がったら下がるんですよ。昇るときには過去の優しい思い出に浸って、下ると同時に現実に引き戻される。曲の展開と観覧車の動きをシンクロさせてるところはさすがに恐れ入りました。とにかくこの曲、重いんですよ。「胸がちぎれそう」とか「未来をください」とか。個人的な話なんですがこの曲を麻倉ももさんが歌ってるってところもすごい良いんですよね。まぁ個人的な話ですけど。
 麻倉ももさんの楽曲って恋愛ソングがほぼ大半を占めてて、さよなら観覧車みたいに失恋ソングも多くあるんですよね。それも立ち位置が変わるんですよ。さよなら観覧車はさよならを「告げられた」側でした。例として「さよなら、聞いて」という曲は曲名通りさよならを「告げた」側です。ドチャクソEMOTIONAL SONGが多いので是非とも聞いてみてください。


 そんな感じで三曲しか紹介できませんでした。書きたい曲は山のようにあるんですけどこれ以上やるといろんな人にひかれそうなので。この辺にしときます。

 よくアニソンの歌詞解釈の話をすると「斜に構えすぎ」とか「オタクしか聞かないんだからそんなに考えられてない」とかいろいろあるんですけどそんなことないと思います。たとえ全く考えられてない歌詞だったとしてもその歌詞を読んで解釈するのって最高にワクワクしません?だって作詞家ですら考え得なかった解釈をしてるかもしれないんですよ。楽器やってる人が自分の楽器のパート聴いてEMOTIONALになるのと一緒です。やっぱ歌詞解釈してみないとわからない、高まれないポイントってあると思うんです。
 皆さんも一度オタクソングの歌詞を自分なりに解釈してみては??


 という感じで歌詞の話は終わりまして、今年の自分のDJの話を少し。
 昨年デビューさせていただきまして、今年が一応活動二年目になるわけなんですがやっぱり現場は緊張しますね。某イベントでは緊張しすぎて終わってから泣きました。正直DJやってる自分も好きなんですけどそんなことよりもよくしてくれる先輩DJとかいっつも来てくれるお客さんとかもろもろの仲間たちが大好きです。
 いい曲が大好きでおもしろい仲間が大好きで、そんな感じで今後もやれればいいかなと思ってます。

 あとは今期のアニメの話!!現場でもいっぱいかかっててうれしい!!!まずは安達としまむらは神だからみんな見てくれよな。あとは戦翼のシグルドリーヴァ、渡来・園香やばすぎ!おちこぼれフルーツタルト!かぁぁぁみ!ほかのアニメも最高!
アニメ最高!
DJ最高!
仲間最高!


https://www.mixcloud.com/Toranabe/

興味持っていただけたかた、よければmixも聞いてってね。


G

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?