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2023.12.12 水仙月の四日

レジの見守り(?)として、ショップカードと会計のトレイの間にいつもなにかひとつ置くことにしていて、気分でたまに変えている。これを先日からシマエナガの小さなぬいぐるみにしたところ、わあ、かわいいですね、と帰り際にひと撫でしてから店を出る方が多くて、なんだか愉快だった。しかしあまりにみんなが撫でてゆくので、そのうちてっぺんだけ禿げてしまうかもしれない。ちょっとかわいそう。禿げる前に交代させてあげようと思う。

変える、といえば、cafe gの本棚の本も、季節によって思い出すものがあればたまに入れ替えたりしている。先週は絵本をいくつか入れ替えたのだが、いらっしゃるお客さまもお子さま連れが多めで、なんだか良いタイミングだった。あ!新しい本があるよ!と言って手に取る子がいたり、お気に入りのいつもの本を読む子がいたり。店内がすいていると、親御さんが絵本の読み聞かせを始めることもある。登場人物ごとに声色を変えてドラマチックに読む人もいれば、おだやかにやさしく読む人もいて、みなさんそれぞれに素敵なのだが、よその家の読み聞かせって案外聞く機会がないので、いろんなお家の普段をすこし覗かせてもらっているようで、いつも不思議な気持ちになる。
ちなみに、春夏秋冬変わらず圧倒的に人気なのは「わにがわになる」。駄洒落のパワーを思い知る。

店主の個人的冬のおすすめ絵本は、宮沢賢治「水仙月の四日」。
ひさしぶりに読み返したら、東北の、夜のうちに雪の降り積もった翌朝のしんとした感じや、吹雪いていても仕方なく出かける時の心細さなどを思い出して、すこし懐かしくなった。

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