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変 な 蝗 【#09】


出発進行!!!!!!!!(時候の挨拶)

朱上言!アイアンナックル \ライナー!/フィーバー!です。

ライドオン!!!!!!!!!!



お久しぶりです、マジで。(ちゃんと玩具の記事を出すのは1ヶ月ぶりくらい)

メンタルがガチで終わっていたのでしばらく休止していましたがなんとか帰ってこられました。
ぼちぼち記事も再開してペースを戻せるよう頑張っていくので、気長に待ってもらえると幸いです。



とかなんとか言ってるうちに……


今年も来たぜ!中間フォーム!


令和ライダーによくある2段階タイプの強化形態が今年もちゃっかりと登場。

2月末にまずDXテンライナーが発売され、そこから丸1ヶ月のスパンを挟んで3月末に相方のDXクロスホッパーが発売されたわけである。


本編の方も強化形態であるプラチナガッチャードの登場と、対グリオンの決戦が重なり盛り上がりは最高潮。

玩具的にも「ホッパー1とスチームライナーがナンバー10に進化→具現化してベルトに合体」という激アツすぎるモチーフが光る名作となっている。


しかし、皆さんは気づいているだろうか?


実はこの「DXクロスホッパー」という玩具。



考えれば考えるほどに“変”なのである。





いわゆる「2段階強化」のアイテムといえばレーザーブーストやボルケーノレックス等、令和ライダーにおいては毎作品欠かさず登場しているわけだが、
今回のDXクロスホッパーはそれらの玩具を多く触ってきた人ほど強く違和感を感じたのではなかろうか。

逆に、この記事を読みながら「何が変なの?」と不思議に思っている人もいるかもしれない。

では一体どこが変なのか?なぜ変なのか?
今回はそんなDXクロスホッパーの独自性について考えていく。




多くの人がDXクロスホッパーという玩具に触れる上で、まずもって目につく異質さといえばその価格であろう。
税込2200円という、この時期に出るアイテムとしては異様なまでの安価さ。

実売では2000円を切ることも珍しくない。

単純に強化フォームのアイテムでここまで安価なものというのはめちゃくちゃ珍しいのではなかろうか。

「2段階強化の後発アイテム」という縛りで見てみると直近のものは軒並み3000円台なので、これまでとは明らかに違ったコンセプトであることがわかる。


では「今年は多段強化も安価で手に取りやすくなってるんだ!」というと、それはそれでまた話が違っており、
その分、先発のDXテンライナーが高めの価格設定になっているのだ。

今回はこのテンライナーがベルトとの赤外線連動と音声発動、発光に至るまで全てを担っているため、

「クロスホッパーが安い」

というよりは

「価格の割り振りが偏っている」

という表現が正しいと言えるだろう。


実際、これらの玩具では恒例となっているセット箱の価格をこうして並べてみると、トータルの価格にはそこまで大きな差はない。

発光や個別認識、赤外通信のような込み入った機構を持たないエレメンタルプリミティブがひとまわり安いくらいである。


しかし、一見大したことのないように見えるこの「金額の割り振りの偏り」という要素が、意外にも玩具としての性質に多大な影響を与えている。


というのも、先述したようにDXテンライナーが変身玩具としてのギミックの大部分を担っている関係で、DXクロスホッパーは単体だと変身ベルト・コレクションアイテム(ライドケミートレカ)のどちらとも一切連動しないというあまりにも割り切った仕様になっているのだ。

強化アイテムなのにベルトともコレクションアイテムとも一切接続しない。

メインギミックである「テンライナーに乗せることによりプラチナガッチャードへのなりきり遊びが行える機能」でさえも、あくまでテンライナー側に存在する認識スイッチを押し込んでいるだけであり、少し乱暴な言い方をすればギミック状は単なる「文鎮」でしかない。
このように、こと“連動”という一点においては近年の強化アイテムでも屈指の希薄さに仕上がっているわけである。

主役ライダーの強化変身用アイテムでここまで完全に独立した仕様になっている玩具は本当に珍しく、それこそ「直接ベルトやコレクションアイテムと連動しない」という特徴を持つものは僕の記憶の範疇だとアイコンドライバーGくらいしか思いつかなかった。

このアイテムの異質さの一端は、やはりその連動の薄さにこそあると言えるのだろう。


しかしどうだろうか。

ここまでに書いてきた「他アイテムとの連動が薄く、本命の変身ギミックもスイッチを押すためだけの文鎮状態」という字面だけを見ると明らかにクソ玩具として吊し上げられそうな様相を呈しているが……



この玩具を叩いている人…見たことあります?




…そう、全然いないのだ。


DXクロスホッパーに文句を言っている人ってマジでぜんぜんいない。

実際、今この記事を読んでいる貴方も元々クロスホッパーに対してマイナスのイメージは抱いていなかったのではないだろうか。
なんなら「確かに連動薄いな…」と、今この記事を読んで初めてその側面を認識してすらいるかもしれない。

ココがこの玩具の最も変なポイントだ。

明らかにこの玩具は赦(ゆる)されている。

欠点を欠点として認識させず、すんなりと受け入れられるだけの謎のパワーをを持っている。



なぜだろうか?????




それは



「これがホッパー1だから 」である。





もっと具体的に言えば、仮面ライダーガッチャードにおける「ホッパー1」という存在そのものの受け入れられ方こそがその正体なのだ。




今回のように変身アイテムがイコール何らかのキャラクターになっているケースというのは珍しくなく、
例えばクローズドラゴンなんかはサポートメカがそのまま変身アイテムに変形するし、ドライブドライバーは最早ベルトそのものがベルトさんというキャラクターだ。

今回のDXクロスホッパーもまさにそのようなアイテムなのだが、従来のそういった玩具と決定的に異なるのは、元となるホッパー1が「番組開始当初から常に登場していたキャラクターである」という点ではないだろうか。

これまでの半年間、ホッパー1はガッチャード本編のマスコットとして常に番組の最前線で描写されてきた。

それが進化(再錬成)という形でついにホッパー1そのものが変身アイテムになる。

元々いたキャラクターが後発でアイテムとして手元にやってくる、という事実自体に圧倒的に文脈が載っているわけである。


そもそもが存在として大優勝の状態で出てきたクロスホッパーが、変身玩具としては先述のような大味な出来ではあるものの、
ひとたびキャラクターのフィギュアとして見た時には

【劇中のそのままのかわいらしい見た目、サイズ感】

【ボイスを17種類も収録している】

と、非常に満足感のあるアイテムとして仕上がっている。

そう、この玩具が連動の弱さを抱えながらもここまで受けいられている理由は、

変身アイテムでありながら

「キャラクターの玩具」としての側面にに“軸足”を置いていることによって

ホッパー1というキャラクターのバックボーンをそのまま味方につけているから。


であると思うのだ。

要はみんなホッパー1が好きだからプロップサイズでいっぱい喋るアイテムが手に入ったら嬉しいやろ、ということである。

変身アイテムとしてのギミックとそれに伴う価格の高さはテンライナーにすべて寄せ、後発でキャラクター玩具としての側面が強いクロスホッパーを(変身アイテムとしての機能は最低限に削って)安価に提供するという構成はあまりにも仮面ライダーガッチャードという番組の強みを活かしていて素晴らしいと感じる。


しかし、そう考えるとやっぱりコレはめちゃくちゃ変な玩具だな…と思わずにはいられない。
我々は何か新しいものの誕生を見たのかもしれないぜ。




仮面ライダーガッチャードというシリーズはとにかく単体でカードを個別認識ができる玩具が多く、年内は特に「1枚のカードでいかに多くの遊びができるか」を突き詰められているような印象を受けたのだが、年明け以降に出たDXテンライナーやDXクロスホッパーはそこから少し離れてカードの連動の強さというよりもケミーそのもののキャラクターとしての要素を強く活かした玩具になっており、かなり興味深い舵の切り方であると言えるだろう。

前作、仮面ライダーギーツにおいては「ベルトのギミックそのものを付け替えられる」という、ある意味反則的ともいうべきコンセプトで展開が行われていたこともあり、その直後のシリーズであるガッチャードではそれらに対してどのようにして個性を出していくのかが問われる部分があったと思うのだが、

そんな中でガッチャードが選択した「劇中に登場するキャラクターそのものが強化アイテム」という方針は、個人的にはかなりベストに近い回答であると感じる。

なによりも、その玩具的な特異性をすんなりと受け入れてもらえているほどに作品そのものが愛されている事実(※作品的な優劣、正誤というよりもとにかく『受け入れられている』という印象)は、近年でも稀に見る特性と言えるかもしれない。

このシリーズが一体どのような結末を迎えるのか。
まだまだ目が離せないぜ。




今回の記事はここまで!
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