国の構成要素2 領土

構成要素で分解していくと、国や社会が多数の要素で出来上がっていることがわかる。
要素が欠けていると国としての機能や信頼、独立は失われてしまう。

当たり前と思っているものの中で、
当たり前なものは何一つ存在しない。

前回から少し細かくみていこう。
そこには政策やソーシャルインパクトを生み出すヒントがあるかも知れない。

■領土

一番分かりやすい領土。土地があるかないかなので判別しやすい。
国の中には領土を重視しない国もある。
遊牧民族や砂漠の民はもともと
「人の集団=国家」
とみなしてきたからだ。
モンゴル人のオルドのイメージは人のつながりだ。そう考えるとネットワーク、というのは一つの国家条件なのかもしれない。
人と家族、一族が判別でき、移動や居場所、情報ネットワーク、資産が構成要素となる。

海洋民族に至っては国土というより港があれば良い。面としての国家ではなく、点と線のネットワークが国家といえる。これは別の話に譲ろう。
こうした遊牧民族、ベドウィンも近代では石油や鉱物資源が発見されることから、土地の意識を持ち始めた。領土には国民だけでなく、資源、生存に必須なものが付随してくる。

日本は島国だが海洋民族のように港だけで良い、ということにはならない。漁業と商業をベースとしているならもっと現代日本のビジネスは隆盛してもいいはずだ。海山の文化もあるが、生活手段としてはやはり農業の伝統のある国だ。

島については、生計が立てられない島では生きていけない。しかし先の海洋資源の観点から、ただの岩場でも領土、領域とみなす必要がある。
また、国境付近にあるものは尚更係争地となる。
古くから国家の支配は領土と人の支配だった。
田畑に税をかけて納めさせることが貴族や支配者の必須事項だった。近代では国家に必要な公的機能に行使するために用いられている(が、着服している可能性が多大にある。そのため監視が必要となる)。

必要な資源の獲得。
生活に必要な土地、金山、レアメタル、食料、海洋資源。
生存に必要な土地と経済的利益のための土地は少し異なるが、欲望、生存欲求によって戦争が起き、境目が変わる。
ポーランドなどは時代によりロシアになったりドイツになったりと国境が変わっている。

だからこそ、民族、言語、物語が重要だということをよく知っている。

日本は島国なので恵まれてきたが、先の大戦により南北の島々を失っている。当たり前が当たり前でなくなった瞬間があり、現在はそれを当たり前と思っている。
しかしさらに削り取られる可能性がある。

■土地所有権

国としては明確に位置しているような場所でも、経済的利用、生活利用において切り取られることがある。過去には「植民地」と呼ばれた。町単位では租界と呼ばれることもある。

国家には法が及ばない土地が存在し得る。現在の日本では日米地位協定によって米軍基地が治外法権になっている。街中を含め意外と多い。
また、民主党が2011年に政権を取った時から日本は外国人による企業買収、土地の購入ができるようになった。
これを植民地化と言わないで何を植民地というか寡聞にして知らないが、国の代表である政治家が決めた。憶測ではあるが経済的にキックバックがない限りこのようなことはしない。
カネをもらって国を売ったのだろう。
中国の奥地でも、和歌山県、北海道、千葉県の土地が買えるということを知っている。ここの議員がやった、というのが筋の良い推論だろう。

企業買収も曲者で、法人で土地を所有できる。表向きは日本の企業だがフロント企業であり、裏は外国資本というところが多い。
植民地時代の中国であれば買弁と呼ばれた。
外資のために働き、国を売る富裕層、エリート事業家を指す。
独立系民族資本はこれに当たらない。

アジアは植民地化の時代を経て独立したため、カネで侵略を許す国は賄賂大好きなインドネシアでさえもない(失礼)
もし自主的な作用があったとしたら、それは日本のトップが相当なレベルで劣化していると見なす必要がある。昨今の政党の汚職が上がってきているが、氷山の一角と思う。細かい金額で大切なことを見逃したくないが、こうした致命的な汚職に関連するのであれば、民主主義であるならばこそモニタリングが必要だ。

日本は世界に比べて汚職が少ないか?というと不明。このランキングが正しいとも思わないが、16位はまだ良い位置だと思う(香港が上位にある時点で怪しいが)

東大生が官僚を目指さなくなって20年近くが立つ。みな高給に惹かれて外資に行くのをよしとしつつある。もはや学生の中では定着しているのではないか。それは買弁をめざし、増加させることを意味している。

国の外側から、内側から、日本は侵食されていないだろうか。時代と単語が異なるだけで、植民地化が進んでいないだろうか。
我々は阿Qになっていないだろうか。

次は言語と文化に触れたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?