『小学』 己を修め徳性を磨く

人徳という言葉がある。
しかし「徳」とは何かを理解することは難しい。
現代中国における徳は「養ってくれること=お金」に近い。
しかし古代では異なっていた。

『小学』という古典がある。これは修身でも用いられ、幼少期に学ぶべきものとされている。しかし幼少といっても、「早くから学ぶべき、習慣とすべき事柄」であり、程度が低いわけでもなく、身に着けることも難しい。その上極めようとすると一つの道になる。

小学から少しずつエッセンスを紹介していきたい。
中国古典は春夏秋冬、人生の成長サイクル、天地人という自然の中の人間を根底としている。その中で芽が出る早い時期から人間を育み養育する事を肝要とする。正しい教養とは何なのか。根本原理のない混迷の現代日本においてはむしろ大切かもしれない。

『小学』は内・外の二篇から成る。内篇は前漢までの文献で子弟・臣下が守るべき規範を明らかにしたもので、四章に分かれる。
・立教・明倫・敬身・稽古
に分かれるが、礼儀一般と心の持ち方、稽古はその実行実践である。

外篇は朱子と同時代の人物の言行を記録しており、内篇を敷衍、実践していく内容である。嘉言、善行の二章になる。

こうしてみると理論と実践、古典と(当時の)現代的応用という内容になっていることが分かり、これを実践していくことで古の聖人に近づくべく日々修錬していくべき内容であることが分かる。



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