マガジンのカバー画像

大西一郎『ある視点』

14
横浜市鶴見区・ファンタジーサウナ&スパおふろの国のリラクゼーションコーナー「ケアケア」店長を務める大西一郎がカウンターの中から繰り広げる視座の世界。 大西一郎 Twitter …
運営しているクリエイター

#リラクゼーション

エーワン東京【大西一郎『ある視点』第32回】

私の自宅からおふろの国まで徒歩5分。その道のりの上にさえも、一軒ある。例えば、うちのセラピスト、竹内が大田区から通う道のり、小林が埼玉から通う道のり、私の地元、兵庫県から新幹線に乗ってここまでやって来る道のりの間に、一体何軒あるだろうか。 今やっていることと同じこと、望めば働かせくれるところ。リラクゼーションの店。それなのにここで働く理由。それはもう、「縁」としか言いようがない。 個人的な話をすれば、私が今勤めている「おふろの国」のリラクゼーション「ケアケア」にたどり着く

有料
200

ワナバス【大西一郎『ある視点』第31回】

「もしも明日世界が終わるとしても、私は今日もおふろに入るの。」という歌詞の曲を書いた。 書いたのは二年ぐらい前だ。コロナ禍の真っ只中だったか、少し落ち着いた頃だったか、私は夜な夜な暇を持て余して、この歌の、作りかけのメロディーと伴奏をいちいち携帯に落として自分で聴きながら、鶴見川の土手を散歩していた覚えがあるので、時間短縮営業期間中か何かだったのだろう。ある日おふろの国の林店長から、「OFR48の曲作ってくれないかなあ、こんな時代だけどがんばろう的な。」と言われ、とても張り

有料
200

【大西一郎 ある視点】第26回「冬来たる」

寒い。私はとても寒がりだ。だいたい私は10月にはダウンを引っ張り出して雪だるまのような姿で出かけて、「これからどうやって生きて行けばいいんだろう……。」と言う。これ以上温かい衣服なんて持ってないのだ。11月、12月、1月、2月……。ただでさえ狭い私の行動範囲はさらにせばまる。外にいると、家に帰りたくて仕方がなくなる。そしてこたつから出なくなる。 だいたい横浜って寒いと思うのだ。真夏でも、毎日ユニクロのUVカットパーカーを着て、昼間は紫外線を防いでいますみたいな顔をして出かけ

有料
200

【大西一郎 ある視点】第24回「くりりん」

「手に職を付けたい。」と言って、OFR48くりりんこと栗原がケアケアにやって来たのは4年前。おふろの国からの紹介だった。 そのもっと前、私がおふろの国に来るよりも、おふろの国にケアケアができるよりも前に、おふろの国の清掃スタッフとして働いていたくりりんは、おふろの国の中の多くの人達と顔なじみで、「くりちゃん」と親しまれていた。 私がくりりんに初めて会ったときの印象は、今、OFR48として歌って踊るはつらつとした印象とはちょっと違っていた。「こういう子が居るんだけど。」と呼

有料
200